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白昼夢


ふふふ


どうした急に笑いだして


夢を見ていたんです


何の?


知りたいですか?


…ああ


いや、やっぱり次に会ったときに言いますね


……ああ


………あの


ん?


土方さんはやっぱり梅がお好きですか?


…ああ。


色と香どちらが好きですか……?


……香りの方が…好きかな


ふふふ…やっぱり


なんだよ……


土方さん梅を鑑賞するときは梅の木の側まで行っていたでしょう?


なんだ…知ってたのか


……ええ。


……梅が咲いたらさ


行こうぜ


一緒に……?


ああ。俺しか知らない取って置きの場所にお前を連れて行ってやるよ


ふふ……楽しみだなあ



……ねえ、土方さん


ん?


…土方さんは梅の花みたい


…………


………総司お前は


…お前は?


いや…


…そこまで言われると気になるじゃありませんか


…梅の花びらを遠くまで連れていく…水のようだと……思ってさ


水……?


ああ……


水…


…いやだなあ、土方さん 今にも泣き出しそうなお顔をしている


ねえ土方さん…?



はらはらと消えゆく涙は響の輝きを放ち、白き頬を撫でた



馬鹿だな



泣いているのはお前の方なのに



水面に落ちる花弁を掬い上げた


両手からほろほろと落ちていく水、掌の上に残る腐食した花弁


瞳を閉じた


すべてが無だった


ただ隣でお前が笑っているような感じがして


ズットアナタノ側ニイルカラ


ダカラ…ダカラ………


笑ッテ………………?


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