過去文リメイク※NARUTO中忍試験途中まで
夢小説設定
この小説の夢小説設定□このブックはドリーム機能を使用しています。
名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
七年前
当時五歳。
『ゼェッハッ ハァッハァ!クハッ、ハアッハアッ ハアッ』
対となった2つの首飾りを首に付けている、見慣れない装束を纏った少女・・・・コウは金袋を片手に逃げていた。
己の生まれ里から逃げてきたのだ。
『ハッ、ハァッ、ハァッヒュゥッ、っは、・・・・はぁーーー。やった、(この里の見張りが甘くて助かった!)』
コウは追っ手から逃れた事を確認すると立ち止まり、息を整えながら、コウはゆっくり歩き出した。
歩きながら、念のため、自分で考案した探透眼の視野から隠れる目くらましの術を己に再度かけ直した。
『(お金は沢山あるから・・・・どこか泊まれる場所を探さないと、)』
「げぇっまた居やがる」
「うわ!こっち見た!逃げろ!」
しばらく歩くと、コウは数人の少年達とすれ違った。
『?』
少年等が走ってきた方に視線を滑らせると、小さな公園の入り口が彼女の目に留まった。
『・・・・・・。』
公園の中へと足を進めると、そこには1人でブランコに腰掛ける男の子が居た。
我愛羅であった。
泣いていた。
『・・・・どうしたの?』
コウは我愛羅の前まで歩を進め、思わず、声をかけていた。
そこから2人の関係が始まった。
「来ないで!!」
『うお!・・・え、君すごいね!!砂を操れるの!?』
「え・・・」
『すごいすごい!ねえねえ!もっと見せて!!』
「・・・ぼくが・・・怖くないの?」
『どうして?』
「だって・・・・・・ぼくは、バケモノ・・・なのに」
『へ?バケモノ?何言ってんの、人よりちょっとだけ優れているだけじゃん』
「ちがうっ!ぼくのなかには〝いちび〟が・・・」
『いちび・・・もしかして尾獣の一尾!?茶釜の中に封印されたっていう、あの!?』
「うん・・・っ」
『凄いよ君!!バケモノ!?とんでもない!こんなところで人柱力様に会えるなんて!』
「え、」
『私の里ではね、君みたいな人柱力様たちは尊敬の対象なんだよ!
・・・・・ねえ、君さえよければ、友達になってほしいな!』
それからコウは公園で毎日我愛羅と遊んだ。
『我愛羅我愛羅!今日はいいもの持ってきたよ!むこうに出店があってね!』
「・・・・・・?」
『砂肝の串焼き!はい!食べてみて』
「あ、ありがとうコウ、・・・」
『どう?』
「・・・・・・おいしい」
『でしょ! たくさんあるから、一緒に食べよ?』
「うん!」
他人と関わろうとしなかった我愛羅も、少しずつ人を恐れなくなっていた。
「や、夜叉丸・・・・その、・・・いつも、ありがとう」
「!! 我愛羅様・・・、」
「ずっと無視して・・・ごめんなさい」
「いえ、とんでもありません。・・・・初めてお声をかけて頂きましたね・・・」
「う、うん・・・・」
「ありがとうございます、我愛羅様。これからもよろしくお願いします!」
「!、う、うんっ!」
そして、みんながみんな、自分を嫌っているのではないことを我愛羅は知った。
コウが来てからまだほんの数日、それでも我愛羅は明らかに、明るくなっていた。そして同時に、我愛羅はコウに恋心を抱くようになっていた。
『そっか、よかったね我愛羅!夜叉丸さんと仲良くできて』
「・・・コウが励ましてくれから、アドバイスもしてくれたから・・・コウのおかげ、だよ」
『照れるなぁ。・・・そうだ、ねえ我愛羅、これ、受け取ってくれるかな』
「首飾り・・・・?」
『うん。これはね、二つ合わせると、ほら!パズルみたいに1つになるんだ。この片方を、あなたに持っていてほしいの』
「・・・・いいの?」
『うん。親愛の証だから、君に持っていてほしいんだ! ・・・・・・っと、そろそろ日が暮れるね。』
「・・・ありがとう。・・・ねえ、・・・ぼくも明日・・・君に渡したいものがあるんだ、」
『うん?』
「明日!絶対来てね!!バイバイ!」
『あっ走ると危ないよ!バイバイ! ・・・・あ、転んだ。言わんこっちゃない』
だが、楽しかった日々は、長くは続かなかった。
翌日、いつものようにコウは公園で我愛羅を待っていた。
そして、いつものように我愛羅と遊ぶ。
はずだった。
忍1「ようやく見つけました。恐れ入る…目くらましなんていつの間に開発したのですか」
忍2「数日ぶり・・・いや、お久しぶりで宜しいでしょうか?」
『あなたっ・・・達は』
忍1「なお、手間取りましたがその目くらましの対策は里中に周知済ですので、もう意味ないですよ」
忍2「先走らなくてもあなたはいずれその瞳で世界をいくらでも見れるようになるのですから…、」
忍1「これ以上、表に居ては危険です。…里に帰りますよ」
忍2「あの、抵抗しないでください。表の空気はもう充分でしょう?」
『やめっ、嫌だ!放せ、放せ!!里に帰りたくない!あんな生活に逆戻りなんて、嫌だ!嫌だぁぁぁぁあああーーー!!!!』
忍1「行きますよ。人が集まって来る前に」
忍2「はあ・・・仕方ない。里に着くまで封印させていただきます。」
『ーーーーーーっ!!』
ザッザッ
数分後、何も知らない我愛羅は、コウへのプレゼントを大切そうに持ち、公園でコウを待った。
だが、コウが来る事は無かった。
何日も何日も、いつもの時間に公園に来ては、コウをただひたすらに待った。
初めての友達に捨てられたのかと、そう思いもしたが、認めることができずに、何日も待った。
そして、そんな時に、我愛羅の暗殺が決定され、夜叉丸事件が起きた。
その後我愛羅は、コウを憎むようになった。
嘘つき。
結局逃げたんだ。
友などではなかったんだ。
僕は騙されたんだ。
信じてたのに。
彼女へのプレゼントであった玩具の指輪は、我愛羅の手によって破壊された。
そしてそのまま、2人が会う事は無かった。