マダラおじいさまといっしょ!※本編割り込み
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白々しくもコウはマダラ等と対面するようにして迷彩隠れの術のみを解き、気配とチャクラは消したまま姿を現した。
「コウ……?」
一番にその背を見つけたのは我愛羅だった。
自分を見つけた声を耳にしたコウは、それに振り返ることはせず、また白々しく気配とチャクラを抑える術を解除した。
忍び寄って来たけど味方だ、とでも云うように。
「お前は…ッ?!、どうしてここに!?」
「コウ!お前っなんで?!こんなとこでなにしてんだってばよ!」
テマリやナルトもまた驚いたように声をかけている。
が、コウはそのどれにも答えない。
我愛羅が最後にその姿を目に入れたのは、まだ一尾を抜かれる前。
幼少の頃から持ち合っていた対の首飾りの片割れを付き返されフられたあの日以来だった。
視界からずっと姿を消していた、焦がれた姿。
それが予想外のタイミングで突然、姿を現したことは、彼にとって雷のような衝撃だった。
じわじわとその気配も漂ってくる。
彼女は、ただ視線を上空の絶望へと向けていた。
そこで我愛羅は我に返った、とにかくこの愛しい人を守らなくてはと。
軋む身体に鞭を打ち砂を再び巻き上げようとしたが、それよりも前にコウが動いた。
否、その身体は微動だにしていなかったが、彼女の身体からチャクラの塊が飛び出た。
コウの頭上に生成されたチャクラの形態変化の塊は、溢れせり出すように巨大化しながら伸びて、最後は信じられない大きさの掌となった。
そしてその手が、落下してくる巨岩を軽々と掴み止めた。
「は……?」
此れには連合軍の誰もが言葉を失った。
一方のマダラと無、そして青年姿のコウの方といえば、
「ほう。砂分身でもあれほどのチャクラ量を持つか」
「へへへ照れるぜ」
「さて次はどうする?」
マダラは再びコウの分身に目を向けた。
間髪入れず砂分身のコウが地を蹴って飛び上がった。
それはジャンプのようだったが、空中で静止した。
跳躍ではなく、オオノキや無のように 飛行 していた。
「なんだ?お前も飛べたのか」
「さっきあの土影さんのを見て覚えました」
「ほう?」
コウが空中で静止したと同時に、雲の上から衝撃波とともに現れた。
先程と同じように、2個目の巨岩が1個目の巨岩と衝突する。
が、その瞬間再びコウの身体からおよそ有り得ない量のチャクラが噴き出した。
それはブワッと巨岩を2個丸々包みこむほどで、同時に、難なく1個目を支えていたチャクラの巨大な手は、広がるようにそこへ溶けた。
コウは、衝突の瞬間その巨岩2つを丸々チャクラで覆った。
覆ったと思ったその時、2つの巨岩は唐突に握り拳ほどの大きさに圧縮され一纏まりにされた。
「!」
あの途方もない大きさを収縮させた玉はゴリゴリゴルルルとエグい音をたてているところを見るに、
あの玉の中で岩とチャクラが蠢いてグチャグチャにせめぎ合っている。
その玉の重さも相当なものであるだろうが、浮遊するコウからのびるチャクラに支えられ、共に浮遊していた。
その姿に、その場の誰もが目を奪われていた。
下からの視線を一身に受けているコウは、一瞥もなくまた空を見上げた。
3個目。
迫っていたそれを目に認め、そして今こさえた玉に視線を移し、それをポン……と上空に差し向けた。
そうしてコウは、巨岩に背を向け、先程飛び立った場所に向かって下降した。
地上に戻るコウの背面で、玉と巨岩が接触したその時。
玉の上部のみが破れ、圧縮されていたものが風のチャクラを纏って解放された一瞬の光景。
刹那。
ゴバァン!!という破裂音と空を裂く風音が入り雑じった轟音が、その場の者の耳をつんざいた。
3個目は、玉から壁のように吹き出した岩の欠片に打ちのめされ、砕け、貫通し、穴だらけどころか、玉から飛び出た砂利と砂と同様に粉々となった。
それは尾獣玉にも劣らない威力だった。
破壊したものは落下しなかった。
玉から吹き出した岩の欠片共々、全てを風のチャクラが巻き取っていた。
空を覆う暗雲が如く、それはゴウゴウと音をたてながら上空を龍のように暴れていた。
しかし紛れるチャクラを見るにそれは自由に動かせるようで、また次の隕石が来ようともこの龍が止めに掛かることだろう。
着地したコウは対面した誰とも目を会わせず、クルリと振り返り再び上空を見上げた。
背中越の連合軍からは分かりにくかったが、彼女は両手それぞれで別の片手印を結んだ。
コウの前に、紙のように薄く、しかしその背丈をゆうに覆うほどの大きな黒い壁が現れた。
上空の龍は、待ち構えていたかのようにその壁へと一直線に向かった。
壁は、衝撃波とともに飛び込んでくる岩と風の塊を全て受け入れた。
「封印術か…!?」
黒い壁は、全てを吸収し終わるとひとりでに切れたり折り畳まったりし、真っ黒な文庫本に姿を変えると、ボンと煙を上げて消えた。
作業を終えたコウの分身は、多少息を切らしたのみだった。
役目を終えて、無言のまま場を去ろうと足に力を込めた。
いざ踏み出さんと持ち上げた足を、しかしコウは静かに下ろし、片腕に視線を落とした。
我愛羅の砂が、その腕をしっかりと掴んでいた。
コウは視線を我愛羅へ移した。
案外近くに居たもので、コウはなにも言わず眼を細めた。
「コウ、どこに行、」
「コウテメー!!」
我愛羅の言葉は、コウの視界に割り込んできたナルトの声にかき消された。
「なんでしょ」
「なんではこっちの台詞だってばよ!今のっ!」
「余計だった?死ぬところだったみたいだけど」
「~~~~ッ!
仙人モードと同じ状態になってるとか、チャクラの使い方おかしいとか、あっちにお前の一族っぽいのがいるとかさ、色々あるけどよ!なによりもさ……
お前ッ母ちゃんになったんだろ!ならこんな戦場(とこ)来てんじゃねーってばよ!」
「赤ん坊は安全な場に預けてるよ」
「預けてんじゃねえ!」
「でもね義伯父様。表人の母の在り方と私たち裏人の母の在り方は違う」
「だーーっ!からおじさまはやめろってばよ!!」
「……。
何の…話だ…?」
強まる砂の拘束と我愛羅の声を聞いたコウは「あー」と口をつぐんだ。
そしてその身体は砂となり消え失せた。
「ぶ、分身?!」
「あれだけの事をしておいてか!?」
「ナルト……あとで詳しく聞かせて貰う」
「え!……お、おうわかったってばよ我愛羅」