マダラおじいさまといっしょ!※本編割り込み
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コウは素早かった。
我愛羅の砂にも捕まらず、近接など話にならず、遠距離からの術や飛び道具も全て難なく対応した。
瞳は閉じられていた。
息一つ乱れても居ない。
瞳を閉じていようと探透眼は瞼を透視し視界に難は全くなかったが、他の忍はそんなこと知るはずもなく。
息一つ乱れないのは、分身同士殺し合っていた際に、多勢に無勢という展開は珍しくなかったし、対峙した多勢の自分達の数と強さの方が圧倒的に勝っていたから。
しかしそんなこと露と知らない忍達は、瞳を閉じて息一つ乱さず演舞のように躍り続けるその青年の姿に恐れをなすことなど、何もおかしくはなかった。
巻き上がる返り血すらかわし、服にシミ一つも付かない。
その姿はいっそ美しいとすら思えた。
マダラも自分の戦いの最中、その姿を横目でたまに見ていた。
連合軍側は、コウは攻撃してきた者にしか攻撃を返していないことに気付かないまま、青年を足止めしている気になってマダラを優先的に狙った。
「多すぎるな……」
螺旋手裏剣を輪廻眼で吸い取ったマダラは、騒然とするナルトらを尻目にコウへ声をかけた。
「来い」
「あ、はーい」
コウは探透眼を解除し目を開くと、まるで今までの跳躍がお遊びだったかのように高く跳び、無とマダラの立つ岩上へ着地した。
そのさまに、コウの相手をしていた忍らは騒然とした。
そうこうしているうちにマダラは無を通してカブトと話をし、その流れで上空に天碍震星を出現させていた。
その規模に慄き戦意喪失する連合軍とは打って変わって、コウはといえば
「はー、」
無と同じように手笠を使い、余裕綽々とその巨岩を見上げていた。
「ボク達ごと……?」
「当たり前だ…穢土転生の術は本来こうやって道連れに使うものだ
オレ達は少しして元に戻る」
「多くて面倒なら一気にというやつですね!」
「生身が一人居ますけど?」
「足手まといは見捨てる。
! 空を飛ぶ忍…ならアレは岩の両天秤の小僧か?」
「カブトさん心配してくれたんですか?!中忍試験ぶりで嬉しい!ありがとうございます!」
「…君には要らぬ世話だったようだね」
「要る!嬉しかったから!」
連合軍の緊張にそぐわないマイペースを保つコウの姿は、異様通り越して不謹慎ですらあった。
「結局、2個目は耐えられなかったかー。存外だらしねぇの」
青年の声が一つ。
二段構えの巨岩の衝撃に、無とマダラの身体は破けて散った。
「お」
散ったそばから形をなす様子をコウは見つめた。
物珍しく面白いものは見ていたくなる心理に、特に抗いはしなかった。
チャクラの殻を纏ったコウは全くの無傷でピンピンしていた。
纏うついでに足場の岩を保護し、おかげでマダラも無も、立ち位置を変えることなく元いた場所に立っていた。
「これが六道仙人の力…すばらしい」
「フッ…懐かしい風景だ」
「ああいうチャクラの動かしかたをして飛ぶんですね。なるほどなー、チャクラ打ち出すよか効率いいんかな?」
「なんだ。生きていたか」
「またまた御義祖父さまったら。耐えるって信じてくれてたくせに」
「ついでに葬るつもりだった」
「はっはっは!またまたそんな!」
「……そのチャクラの鎧、ただの形態変化か」
「へ、まあそうですね」
「それだけか」
「それだけ?というと?」
「体術の心得はそこいらの砂利よりはあると認めよう。
丁度いい。試してやろう」
「構ってくれるんですか!!やった!!」
はしゃぐコウの眼前に、指を三本突き付けた。
「3個だ。」
「3個です?」
「手段は問わん。今のを三つ落とす。全て止め切れば、考えてやらんでもない」
「どんだけ排除したいんですか…」
「お安いご用ぞ!」
「そのなめた口調は二度とするな」
「あ、はい」
グッと再びマダラの手に組まれた印と須佐能乎に呼応し、再び上空にそれは現れた。
目の当たりにした連合軍の生き残りは、再び現れた絶望に閉口した。
対するコウは片手で印を結んだ。
「貴様、先ほどと言い…片手で印を結んでいるのか?」
「両手印は苦手です」
「ほう」
形を形成したコウの分身は、一瞥もなく地を蹴り、足場の岩から飛び降りた。
「…砂分身か」
「はい!」
看破されたコウは嬉しそうに頷いた。
マダラの目はその分身体の姿を追った。
わずかなチャクラと砂でできた女は、走りざまに迷彩隠れの術と知らぬ印を結び、体を透明に、そして――一瞬分身術が解けたものと錯覚しかけたが――それは気配とチャクラ、体臭に体重ひいては足音すらスウと消し、砂塵に紛れた。
コウの分身は砂埃に紛れ、たった今ここで交わされたやり取りなど知りもしない連合軍の元へと向かった。