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夢小説設定
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「くそ、時間が掛かりすぎた」
「イテテテ、鮫に尻を噛まれたってばよ」
巻物のトラップから抜け出したナルトらの足元が波立った。
「!! 離れろ!」
何のチャクラも発すことなく、現れたのはコウだった。
「あ!?」
「お前はっ?!」
「……」
面々がを見開く中、彼女は先ほど鬼鮫がつくった血だまりをじっと見つめていた。
「痛い」
そしてその胸に手を当てて、顔を歪めた。
「やっぱり、あなたが死んだときが一番痛かった」
コウはそのまま血だまりの上に立ち、鬼鮫の衣服の一部であっただろう布切れを拾い上げた。
「凄いタイミングで死ぬじゃないか。酷いタイミングで……」
「感傷に浸っているところ悪いんだけど、君、木の葉の対之コウだよね。
なぜここに居るのか、いや、霧の抜け忍であり暁である干柿鬼鮫とは、どんな関係だったんだい?
返答によっては、君は木の葉の裏切り者と」
「パパだよ」
水を差すヤマトの言葉を遮るように、コウは口にした。
「パパ…?!」
「な、んなー!?まさかコウってば、鬼鮫のむ、娘ェー!?」
「ず、随分と似てない親子ですね…?」
「いやそんなわけないでしょうが」
「んっ?ふふふ。
うん、そういう意味のパパじゃないです」
コウは笑って訂正した。
「鬼鮫の子が産まれたんですよ。遥か遠方で、ついさっき」
「……!!」
「こっ……子供?!」
「全然似てない、二卵性の双子でした。健康で、どちらかに片寄ることも、喰らい合うこともなく、仲良く産まれてきましたよ」
「……だっ……誰との?」
ナルトの問い掛けにコウは儚げに笑った。
「あえて言うとするなら、この私は分身です」
「……まるで冗談オレの想定♪しかしこの状況から断定♪」
「おお?鮫肌じゃん。次の主人見つけたんか」
「……対之コウ、回りくどいことは無しに聞く。
鬼鮫の子は、君が産んだんだね?」
「ええその通り」
「君は確か、ナルトと同い歳だったね」
「同い歳ですね」
「……干柿鬼鮫は、確かカカシ先輩よりも歳上だったと記憶している」
「32歳ですよ」
くすす、とコウは潜めて笑いつつも言葉を聞かせるようにハッキリと発音した。
「さ、さんじゅ……」
「実際衝撃 常識はずれな情愛♪」
「は、犯罪だってば」
「愛していた!
……だから子を宿した」
上げられたコウの言葉に、場は静まった。
彼女が愛していたという血溜まりだけがそこにあった。
「コウ、その、すまねえってば…」
「謝るな。
ナルトも…この場の全員、背筋伸ばして堂々としていろ。それが礼儀だ」
「……」
「いいよ。私は別に怒っているわけじゃない。そんなのより称賛を抱く方が弔いになる。
久闊を叙するのはもういいだろ
私はこの布切れを持って鬼鮫の死を本体に知らせたい」
「待て!」
ずぶ、と土に沈みかけたコウの腕をヤマトが掴んだ。
コウは中途半端な状態のまま沈むのをやめ、くてと顔を傾けた
「?」
「何故ここが分かった?鬼鮫の文を受け取ったのは…君か?」
パキパキと、ヤマトの腕から枝が伸び、コウ腕を拘束する。
殺気を込めて見下ろされたコウはヤマトの手元を見ていた。
「こんな感じかな」
問いには答えず、捕まれていた腕から同じように枝を伸ばした。
それはヤマトの腕に巻きつくように這いあがった
「!!」
「なるほど、こうやったほうがチャクラ消費は少ない…」
「君…これは…」
「木遁ですけど。複数の性質を絡ませ混ぜ合わせて…絵具みたいですよね」
「簡単に言うね…」
「おしゃべりがお望み?でも今は赤ん坊の方を構いたくてね」
コウは片手で影分身を一体作り、それは現れるなり術を解いた。
そうして全分身に情報を発信すれば、出産した入魂影分身が時空間忍術を行使した。
「九尾のおじさま、八尾のおじさま。またいずれ」
対之はその場からシュッと姿を消した。