□11 鵺発生直前まで[6p]
ドリーム設定
□登場人物名(25文字)□このブックはドリーム機能を使用しています。
名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌朝。
通学中背後からスッと並進して来るこの静かな気配は。
「號はボルトの事、どう思う?」
「おはよう。またえらく藪から棒だなおい」
「ね、どう思う?」
「挨拶しろよオイ」
「おはよう」
「はいおはよう。キミから話しかけてくるなんて珍しいね。話題は珍しくないけど」
「答えは?」
「ボルトね。天才だしいい子だと思うよ。感情移入は出来ないが」
「そういうことじゃなくてさ」
「なら、どういう意図の質問?」
「…昨日の訓練で、ボクはなんであんな行動をとったのかなって。シカダイは、ボルトのバカがうつったって言うんだ
じゃあ、なんでうつったんだろう、ボルトってなんなんだろう、彼の何がボクをそうさせて…ボクはどうなるんだろうって、思ってね」
「ふーん」
「號はどう思う?」
自分を理解したい知りたいって心は誰しも持つものだけれど、
それを誰かに質問するって姿勢は素晴らしいよね。
「何でってミラーリングとかかねえ。人は尊敬したり好きになった人に似てくるって言うよ」
「?」
「ボルトが好きなんでしょ?じゃなきゃ、飽きもせず見てれないもの」
「好き?」
「そ。
好きに種類は色々あるからどういう種類の好きかは知らないけど。
面白いとか興味深いとか物珍しいとか尊敬できるとか共感できなさ過ぎて知りたいとか」
「……」
「私は頭悪いからそんな単純な答えしか出せないよ」
「ううん。参考になったよ、ありがとう」
「それはよかった」
「ねえ」
「ん?」
「ボク、君のことも好きだよ。その理屈なら」
「それはありがとう。私はこの世界の全てが好きだよ」
「へえ。じゃあボク達は両思いだね」
「ははは。それは恋愛に使う言葉だよミツキ君」
「じゃあ、好き合ってる?」
「字面通りだけの意味でね」
「難しいね」
「難しく考えるからだよ」
「そうかな」
「言葉が見つからなければ名前なんて付けなくていいし類似の言葉に無理に当てはめなくてもいいだろペーパーテストじゃあるまいし。
私への想いなんてどうでもいいものを分析する労力があったら他のことでも考えたほうが有意義ってもんだよ」
「……うん、わかった」
そのままスルリとミツキは進路を変え路地へ入って行った。
あの方角はボルトの通学路か。
ホント好きだな。
まるでボルトが親というふうに刷り込まれたひな鳥だ。
まあ実際ひな鳥に人を親と刷り込むためには、孵化直後だけの邂逅では全然足りないらしいけど。
孵化後数日は同種と合わせず、ほぼつきっきりで接触しておかないと洗脳は成功しないみたいね。
ね、大蛇丸。
真っ直ぐ登校したら、既に数名の生徒が集まっていた。
ミツキ君はまだのようだ。
「號さん。おはようございます」
マギレ君は先に来て目立たない木陰に座っていた。
片手をあげて挨拶してくるのでそれを返しながら近付く。
「おはよ。
膝」
「へ?」
「膝かせ。膝」
とんび座りしているその膝に強引に頭を乗せた。
めっちゃテンパってキョロキョロかわいい。
「あの……!?」
「痺れたら言えば退くから」
「えっと、その、」
「勉強してて寝たりなくてクラクラすんの。ホームルームまでしばらく横にならして」
「……わ、わかりました」
安定感がなく正直心地良くない膝枕の温もりを感じながら、
目を閉じてまばらに登校してくる足音を聞いて過ごした。
たまにはいいだろ。
私は私を幸せにしなきゃ。たまにはさせたいことをさせもする。
しばらくそうしてると、ボルトとミツキ、シカダイとイワベエ……通学路が被ってるやつらの声と足音が聞こえてきた。
と思えばミツキの足音だけが早歩きにやって来た。
…他の面子はミツキ君がこっち来た事に気付いていないっぽいな。
「あ、おはよう……」
「好きなのに嫉妬しないって変かな?」
「挨拶されたら返せよオイ」
「おはよう、マギレ」
「あ、う、うん」
「で?今度はなんだよ」
とりあえずマギレ君ガン無視して目を閉じてる私に話し掛けてくるという非常識っぷり。
指摘したらやってくれるからいいけど。
「そのままの意味だけど」
「恋愛や敬愛でなきゃそうそうしないもんだし、そうであってもしないやつなんてごまんといるわ」
「してもしなくてもおかしくないってこと?」
「そ。」
「そうなんだ
わかった。またわからないことがあったら聞きに来るよ」
「いや私でなくてもいいだろ」
「そうかな?」
「そうそう。」
「地頭は良さそうだけど」
「頭悪いって言ったろ」
「……うーん。まあ、他に聞いてわからなかったらまた聞きに来るよ」
「来なくていいから」
目を閉じたままそんな受け答えの後、ミツキの足音が遠ざかっていった。
そこで、よいしょ、と私もぼちぼち体を起こした。
服に着いた砂や土埃を払っていれば、マギレ君も軽く手伝ってくれた。
「今日は珍しいですね。いつもは座るときでさえハンカチを敷いて、汚れないようにしてるのに」
「今日でこの服おしまいだから。昨日 修業の一環で同じ新しいの作ったから」
「あ、そういうことか…」
なんてしてたら、所々遠巻きにヒソヒソ聞える。
折角目立たない木陰で気付かれてなかったのにミツキがやって来るから目ざとい方々に気付かれてぐぬぬ。
「アイツらあれで付き合ってないワケ…?ねえサラダ」
「知らないわよ」
「やっだぁ、マギレに號とられて寂しいクセに~」
「はぁ!?何言ってんのチョウチョウ?ありえないから」
メイン女子ズはもちろん、
「何してるんだあいつら」
「なにがだい燈夜?……ああ、なんだあの二人か」
「ああ。」
「ほんっと同性みたいに仲いいよねえ、マギレが女々しいぶん余計に。」
偶々話していたらしいかぐや君といのじん君にも。
それから、少し時間戻るけど、ボルトたちも。
私と会話してる最中にミツキ居ないの気付いて当たり見渡して探しよるもんで。
「あ、ミツキあんなとこで誰と話して…… 號!?」
「は?!あいつら何やってんだ!?膝…っ!?」
「普通逆じゃね?男に膝枕させてもかてーだけだろ」
だのと騒いでてかわいい。
あと会話終わって起き上がった私が汚れをはらい落とすのマギレ君が手伝ってた時。
背中や下半身何度も触ってるとかでイワベエ君がすごい顔してたのもかわいい。
そう思う物陰に潜む影分身の私でしたとさ。