□10 職場体験終了まで[10p]
ドリーム設定
□登場人物名(25文字)□このブックはドリーム機能を使用しています。
名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
駮の世界でハオリの書面を見つけた。
色々書かれていたが、とりあえずしばらく待ち。
あの日からマギレ君のおかげで勉強と調べ物の効率は良くなった。
修行の方はどうだろう。
フィジカル面は、筋トレメニュー管理を任せてみたから効果が出るまでわからん。
術の練習については駮の世界を使わせてもらってるので周りの被害を気にせず捗っている。
駮はいい子。私のチャクラあげようとしたら熱い痛いなんじゃこりゃってキレられたけど。
ハオリのことを我が王、私を我が炎、マギレ君を炎の薪と呼びおる。
そして数日後。
快晴の今日ももちろん屋外授業。
「全員揃っているようだな。
それでは、本日の授業内容を説明する」
シノの手により、まっさらな白板の中央に『職場体験』と言う文字が書き入れられた。
かいつまむと、
二~三人一組をつくり、グループごとに好きな職場で見学および業務体験を行えと。
詳しく解説する先生の言葉の中で、仲良さげなグループが次々と誕生し、楽しそうに計画を立てている。
先生の話聞けお前ら。
「組むか?」
「おういいよ」
「あの、號さん…ボクも入れてくれるかな…?スミレさんのグループ、女の子だけで行くからって断られちゃって…」
「いいよ~」
隣に座ってたかぐや君と、当たって砕けてきたマギレ君と一緒に組む事となりました。
「あまり話したことは無かったな。俺はかぐや燈夜だ。よろしく頼む」
「隠蓑マギレです、よろしくお願いします」
軽い挨拶を済ませて場所を決めるという話題になったところで、
「希望はあるか?」
「私は別に面倒でなければどこでも」
「ボクも特には…」
「そうか、俺もだ」
全員『ついていくタイプ』であることが判明したりした。
「じゃあ私、工場行きたいんだけど、いいかな?金属加工」
「構わない」
「うん」
秒で決まった。
動機は、金属の生成どうにもしんどいから、なにかつかめないかなーって。
さて。
職場体験は特に何事もなく。
鉛製品専門の工場でした。再利用もやってるよ!
担当の人もいい人だし、かぐや君もマギレ君も言いつけはきちんと守っている。
楽しかったしトラブルもなく色々学べた。
その翌日も。
滞りなく見学と業務手伝いにあたる。
ただ、スミレちゃんが見学に行った浄水場で事故があったとかで、休憩室のテレビでそれを知ったマギレ君が真っ青になって挙動不審に。
それを組み取ってか、心配だろうしお見舞いに行くと良いよってことで早退させてもらった。
担当いいひと…!やさしいおじさん…!!
「ボクが…もしボクがついて行っていれば…やっぱり離れちゃいけなかったんだ…」
「やー傍に居たからといって守れるとは限らんよマギレ君~」
「二人とも止まれ。こっちから行ったほうが近道だぞ」
で、
やってまいりましたる病院。
病室へ向かう道中、今にも走り出しそうに病室へ向かうマギレ君。
走らないのはえらいけどその速さと重心だと急に止まれなくない?とか思いながら、その背中を小走りで追いかける。
かぐや君は歩幅広いからただの早歩き。
到着したマギレ君は戸を勢いよく開け放って駆けていった。
「スミレさん!!」
「わ、マギレくん…」
「おいもー静かに開け閉めせーや」
「病室に他の患者が居なくてよかったな」
「お前らも早退させてもらったのか…」
「あ、どうも先生。いや職場の人がいい人で、友達の見舞い行ってやれって。…皆さんこそお揃いで」
既にシノ先生と、早引けさせてもらえたらしいクラスメートがお集まりになられている…。
また狙ったようにレギュラー集合ですよ。
「頭に怪我を…なんて痛々しい…!」
「マギレくんも大げさだよ、火影様が助けてくださったおかげで命に別状もないんだし、本当に大したことないから…」
とりあえず出入り口に立ちっぱもアレなんで、私もスミレちゃんのベッドに近付く。
駆け寄ったベッドの脇で中腰になってスミレちゃんの顔色を窺っているマギレ君。
後ろから見るとまあ内股も相まってクソダサ可愛いその頭部に手をポンと乗せて、落ち着くよう促してみたりした。
かぐや君はイワベエ君の横に立ち位置を落ち着けた。うけるなんかあそこだけ学年ちがくね(体格的な意味で)。
「それにしても、続き過ぎだと思わねーか。突然凶暴化する事件」
「あなたたちも、今思えばそれらしい事件の被害に遭ったんだって?」
「うん、うまく説明できないけど……あの時はボクも怒りの気持ちが胸の中で膨らむような、嫌な感覚で、」
「自分の中の禍々しいものがどんどん大きくなっていって、どうしようもなく狂おしくて、恨めしくて、呪わしくて、憎くて。それに身を委ねる以外のことが、なにも考えられなかった」
「はい。まるで熱病にでもかかったような現実感のなさでした」
声色に振り向けば、当時の感覚を思い出したのか、深刻な表情で床を見つめるデンキ君とメタル君。
気にすんなの意を込めて二人の肩に手を伸ばし、パパンと叩いてみれば、気が付いたように顔を上げたので満足。
ニコニコ笑顔を振りまけば彼らの顔のこわばりも少しだけ緩んだ。
「そんな病気、聞いたことないけどなぁ」
「だから事件なんだよいのじん君」
「わかってるよ」
軽口と共にもっかい振り返って見ればまだ俯いて身震いするマギレ君。
かわいい後頭部ひっつかんでワシワシかき回してたら「頭やめてください…」って口答えされた。
そんなんマジキチスマイルなるやん。
両手で頭部両サイド鷲掴みにして挟む様に力をギギギと入れたら「ちょ痛い痛い痛い痛い號さん痛い!」と可愛い声が上がった。
そんなふうに遊んでいたら、デンキ君とメタル君がふと、救い手でもあるボルトのことを思い出したのかその名を口にした。
影は差すとはよく言ったもので、廊下をかける足音と共にボルトが駆け込んできた。
「委員長!無事か!?」
話ながら恰好つけたように戸に寄り掛かっていたメタル君が、ボルトに轢かれるようにして地面にダイブした。
あらー。
倒れ伏したメタル君の元へスタスタと向かう。
「あ、ボルトくん……」
「大丈夫なのか……?」
「うん、平気だよ」
「本当に……?」
と言うやり取りが背中に届く。
そのやり取りにか細く「ボクは大丈夫じゃないです……」と声を割り込ませるメタル君だが、誰も意に介さなくて草。
「メタング頑張れ頑張れ負けるなファイト」
「……それ、ボクのことですか……?」
フフフッと曖昧な笑顔でお茶を濁しながらメタル君の手を手加減して引っ張った。
非力に引っ張られてメタル君がゆっくりようやく立ち上がったところで、騒ぎ出したボルトがサラダにつまみ出されていった。
ボルトお前の気持ちはわかるが脈絡全くねえから電波くんみたいになってんで。