□9 カゲマサ事件終了まで[6p]
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「おやあ?またまたファンが一人…なんて言ったって、
どうせお前もあのガキどもの仲間なんだろう!?」
「はぇ?」
「……なんだ?違うのか?
ならば今度こそ本当にただの熱心なファン、という訳かな?」
何言ってんだこのおじさん。
有名人?
なら逆なでしないよう話合わせとくか。
「はい、ファンです!
……口寄せの術ッ!と、」
口寄せ・雷光剣化…ともいえない。
血を乗せずに出せるようになったが、その分、印が不可欠かつ両手口寄せ印の中に片手印を何手か追加する必要がある。
が、兎にも角にも口寄せだ。
「へえ。口寄せか。大したものだね、もしかして忍者学校生かな?」
「はい!えへへー褒められちゃった!!
それであのあの、本当に会えるなんて思わなくて、それにお小遣いなくて色紙用意できなかったんですが……帳面は擦れちゃいそうで怖いから見返しに!よかったらサインください!」
いつかの木ノ葉丸に群がる女子の如く。媚び媚びにいくぞ。
手の中に口寄せした学習用ノートとサインペンを差し出して、頭を下げてみたら、
「色紙の用意もなくサインをねだるなんて本来ならお断りするところだが、
ま、ファンは大事にしなきゃ、ね。特別だよ?」
まんざらでもなさそうに…否、上機嫌にそれを受け取った。
ていうか鵺くっついてんのに大人しいもんだな。
なーんだろうな、やっぱ悩みをつつくから暴れるんかな。
「君、名前は?」
「號です!」
「そう、良い名前だね……そら、受け取るといい」
「わあ!ありがとうございます!!」
受け取ったノートの見返しを確認する。
かっこいいカタカナで書かれた私の宛名付きのサイン。
で、……書かれた文字は、カゲマサ。
カゲマサ?
ああ。カゲマサってさっき見てたポスターの。
人気なんだっけ。さっきサラダちゃんが色々言ってたよな、と思いながら肩を寄せてはしゃいで見せる。
「わあ!夢みたい!!ありがとうございます!」
「フッ……構わないさ。今後とも、応援よろしく、號ちゃん」
握手だー!わー!
さて。
このストーリーに介入してもいいが、せっかくのうずまきうちはのコンビタッグが見れるんだ。
それに私が収束させたらスミレちゃんに悪いし、…え、でもここで帰ったらマジ私何しに来たよ。
なんかこう…、言葉で解決させかけようか。
「ところでカゲマサ、続編が凍結しかけてるって噂を聞いたんだけど…本当なの?」
ノートとペンを ボン!と送還して、不安げな顔を見せればカゲマサはグッと言葉に詰まった。
眉間にしわを寄せて「そうなんだ…」と返してきた。
「このカゲマサがすぐ痩せるって言ってるのに、誰も信じちゃくれないんだ!
どいつもこいつも!なんでわかってくれないんだぁあーーッ!!」
突然興奮する患者かな。
暴れ出されても面倒だな。
「ええ!ひどいですね!!意地悪ですよね、そんなの、信じて応援してくれないとこっちも意地になっちゃいますよね!!」
「その通りだ!!くそっ、どいつもこいつも!」
「カゲマサ!そしたら、私の体験談を使ってよ!」
「號ちゃんの体験談?」
「そう!私も少し前まではものすごく太ってたの!でも、やせたよ!
だから聞いて!そしてこれを話せばきっと周りもカゲマサのこと信じてくれるよ!」
「ほほう?」
「あのねまず、筋肉量減らさず脂肪のみが落ちる最大スピードは一週間で体重の1%って言うでしょ?!ちゃんと知ってるって、これを逆算して計画立ててるって切り出すの!」
「むむ…」
「あとは太った原因と対策を調べてさ、
食べても食べても満たされないそんなストレス太りならセロトニン不足!太陽とか浴びたり大豆やマグロやカツオ食う!
腹いっぱいなのに何かが足りない!?何かしらの栄養素が欠如してるからそれ寄越せって身体が嘆いてるだけです!食生活見直して不足してる栄養素を洗い出しましょう!それ摂取すれば嘘みたいに腹減らなくなるから!
あっ小腹空いたらゆで卵おすすめ!あとカロリーカットしか考えない食事なんぞダイエットでも何でもないから!カロリーはエネルギーだからまして体が資本な奴が無暗に切るもんじゃねえぞ!カロリーよりも糖と脂質を気にしてくれ!あとタンパク質は取れよ筋肉量減っちまうぞ!
タレントならマネージャーに相談してどうぞ頑張って!!」
「途中から……」
「はい?」
「途中から指図になってるじゃないかあぁぁ!!」
せやね。説得する気ないし。
「ボクがそんなことも知らないなんて馬鹿にしてるんだな!?
そんなことぐらい、やって…知ってるんだよ!!言ったに決まってるだろお!!くそお!賢ぶって大人を見下しやがってガキめがああ!!」
ええ…。
無知を棚上げして大嘘ふいて逆ギレし始めたんですが。
まー、子供に説教や知識伝授なんてされてもガキの分際でってムカつくだけだよなー。
気持ちわかるわ―と思いながら。
「えっ? ひいっ!?」と。
振り上げられた拳に怯えたふりをしつつ、少し引き付ける。
殴る進路が定まって腕の形が決まったその瞬間、
肘関節の死角に回り込みつつ、地に落ちるように膝を畳み跳躍。
パンチが空ぶって姿勢を崩したが、それでも見逃さんと追ってくる視線。
それを足蹴に――つまりカゲマサのサングラスを踏み――高く飛びあがって距離を取った。
「うっ…」
カゲマサ。目を保護するものがあるとはいえ、突然顔面に迫った靴底には反射的に瞳を閉じて怯んだ。
その隙に私。遠ざかる空中でマスクをバッとずらし、追撃の牽制も兼ねた火球を遅めに吐き飛ばす。
狙い通りカゲマサは――グラサン汚されて激昂の言葉を叫びつつも――その場から飛びのいてくれた。
ハイ予定通り、そのまま地面に衝突した火球が灰塵を巻き上げてボァンッ!と弾けた。
灰塵隠れの術のアレンジ下位互換みたいなものだ。
もうもうと広がる灰と熱風に紛れて私はマスクを戻しながら屋外へと離脱した。
今だ、と。
固唾をのんで見守っていてくれたお二人さんが 私と入れ替わるようにして駆け出した。
ボルトは影分身2体をサラダにつけて、配置?についてる、作戦があるのか。
…って、あーっ。
結局瞳術使っちまった。
まあいいや、イベントだし見なきゃ損損。