□9 カゲマサ事件終了まで[6p]
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星空なんて眺めてる暇はない。
大木の枝にチャクラで生成したハンモックと寝袋一体型のよくわかんない寝具に入って兵糧丸を多量服用し、影分身を全て解いた。
ドッと来た疲労感と情報量に頭痛が酷く、体中が錆びた鉛のようだ。
これにはたまらず、私は半ば気絶するように、速やかに入眠した。
目を覚ました時、すでに日は高く昇っていた。
やべえやべえ速やかに栄養補給と身体のメンテ。
のち、分身を生成した。
「っし!二次元空気に今日も感謝だマダラあいしてる!」
―――修業を追える頃には、すっかり日も暮れていた。
里に戻ってきた時にはもう日も沈み切り、むしろ深夜。
兄の待つ家に足を向ける。
大通りを外れれば、ただでさえ少なかった人影はほとんどない。
暗い通りをスタスタと歩いていたところで
「はぇ?」
「げっ…」
「やだサラダちゃんそんなに喜んじゃって!」
「相変わらず目と耳が腐ってるのね…」
「うふふふふふ!そんな照れちゃうなぁ」
「ついてこないでよ疲れてるんだから……」
「ついてくってわかってるくせに!」
「はあ……。 あれ?」
サラダちゃんと遭遇した。
と思ったらさらに
「『――もし何かを成したければ。自分のやろうとしていることを信用して欲しいのなら。やるべきことは一つだ』……か
オレはどーすりゃいいんですかね、カゲマサさんよ?」
「何やってんの、ボルト?」
「こんばんは~」
「サラダ。それに號か」
ポスターに独り言とは酔狂なボルト君。
「お前らこそ、何やってんだよ?」
「あたしは夜間訓練の帰り。これから先生に報告しに行くところ」
「ふーん。號と一緒にか?」
「違うわよ。號とはたった今鉢合わせただけ
むしろあたしが聞きたいわ。こんな時間に何してたのよ、號?」
「うぇ? いや別に。ただのお使いだよ」
「そりゃーこんな時間にご苦労なこったな」
「ところで、あんたもカゲマサ見てんの?
みんな好きだよねー」
サラダちゃんが見上げた先には、ああ、いつかデンキ君に誘われて断った劇場版のポスター。
なんか昨日の午前中が遠い昔のことのようだ…影分身の記憶押し込んだから埋もれちゃったんかねえ。
「そういえば、號はカゲマサ見てる?」
「アニメ以前にテレビ見ないなあ…」
見てる暇ないし。
「ふうん、そうなの」
だとか、続編は役者都合で続編制作が打ち切られそうだとか世間話を続けている中、突然ボルトの挙動と視線が吸い寄せられるようにずれた。
これは、と探れば、やはり鵺の気配。
サラダちゃんはポスターを見ながら話しているためボルトの挙動に気が付かない。
その右目に宿るチャクラが落ち着いたのを皮切りに、ボルトは走り出していた。
まだ今日が終わる時間でもないし。おもしれぇ、一日のシメにイベント拝んでおくか。
ボルトが走り出してすぐ私もその後を追った。
「どうしたの……って、ちょっと二人とも!?」
無言で走り去るからびっくりするよなハハハサラダちゃん。
わざわざ追いかけてくるなんて律儀だなあと。
たどり着いた先は、住宅から外れたうら寂しい地区。
建設中で鉄骨が剥き出しのビル。
立ち入り禁止の金網を登り始めたボルト。
……ひとっ飛びできないの?なら私もできないことにして、抜け道を探すていで行こう。
方向を変えて金網沿いに走る。
「ちょっとどこ行くの號!ボルトも!なにしてんの!?」
焦るサラダちゃんとあの男に取りついてるだなんだやってる声を背に走る。
瞳術を使い抜け道を探したが流石に大穴などはないか。
仕方ない、よじ登ったことにしよう。
金網に手をかけた。
崖に比べりゃ優しいもんだ。
建物の入口に背を付けて中の様子を伺う。
「だから!すぐやせるっつーの!!」
ズカーンッと。
大きな音がしたけども、どれどれーっとチャクラを広げる。
瞳術ではない、感知モード。
ノートにあったやり方でマップを広げ、状況を探る。
角材や鉄骨パイプなどを蹴散らしながら、周りを見渡す大人が一人。
物陰に寄り添って隠れる子供が…二人。
子供はボルトとサラダちゃんだろう。
大人は知らん人だな。その体型は秋道一族?かと思ったが、やせるとか言ってるなら違うか。
え。痩せたくて暴れてんの?
ふーん。
「こんばんは~」
と。お手々を上げて。
気の抜けた声とともに、建物内へと足を踏み入れた。