□8 ストーカー事件終了まで。[6p]
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「可愛い妹に会いに来ただけよ」
「それ何日もストーキングする意味なくないですか?」
「んーまあ、人柄と、接触すべきかを確認したくてね。
今来たのは、私の可愛い追手が嗅ぎ付けたらしく、この里に向かって来てるから。
一応接触すべきと仮で答えは出てたし、まあ…ゆっくりしてられなくなったのよ。
で、もう二人になれるかしら?」
「あ、はい」
場所変えますか?と、続けるまでもなく再び私は幻術返しを行った。
片やマギレ君は再び意識を失い、ベッドにボフと倒れ伏していた。
「なるほど」
「わざわざ出向いて目くらまし結界も張ってるんだから、ここでいいわ」
「え、結界も張ってたんすか」
「……あなた本当にコウの娘?」
「天才の子が天才とは限らないですよ。突然変異で優等生が生まれるより、劣等生が生まれる可能性のが高いですよ」
「隙あらばそんな年齢にそぐわない卑屈な言葉吐いて」
「最近の子供が書物を目にしていないだけですよ」
「まあ別にいいわよ。
双葉の時から芳しかったインドラやコウの方が、アシュラみたいな晩成型より稀なのだし」
栴檀(白檀)は双葉より芳しって諺、嘘なんだよなぁ
別に白檀の双葉も、まして栴檀の双葉にも、匂いなんか無い。
それよりその言い回しだと私は大器晩成型いずれ強くなるって励ましてくれたってことですよねうれしっ。
……あれ、対之の教育ってインドラとアシュラ教えるんだっけどうだったっけ…だめだ母さんが学習した内容の記憶めっちゃ薄い。
いいか。
「それで、ご用件は何ですか?」
「そうだったわね。
まず言う事としては、この私はトキで間違いないけど、私はトキではないの」
ああ、つまり私と同じか。
『私』と『この私』を使い分けてるところも一緒なんて運命的だなあ。
それなら思い当たる人物とインドラアシュラを当たり前のように口にした理由もつく。
「トキ姉さ…あれ、上だっけ。じゃあトキ姉様…に、会ったことないんで気付けず申し訳ありませんでした。
参考までにトキ姉様がどんな人かってお聞きしてもよろしいですか?」
「案外すんなり受け入れるわね、話が早くていいわ。
トキちゃんは、そうね、引っ込み思案で大人しい子よ。両親に全然似てないわよね。ま、才と素質は親譲りだったけど」
「そうなんですね。ありがとうございます。
それで、貴方の…お名前を伺っても?」
「私の名前はハオリ。インドラを愛し、身体をハゴロモとアシュラに殺され、御霊をインヨウに封印された対之一族最初の異物」
「なるほど」
やっぱハオリさんか。
母の記憶に強くある。母の仙人修行に助言を行った、人間仙人のハオリ。
NARUTOアニオリエピソードで出て来たハオリとは明らかな別人。ややっこしーな。
それ言ったら母の名前もわりと被る人だらけだけどさ。
「御霊っていうか、無余涅槃の術でしたっけ」
「へえ! よく知っているのね。そう、その状態で封印されていたの」
身体が死ぬ時に意識とチャクラのみ…幽霊みたいな存在となって、容れ物を見つけるまでそのまま存続する術。
ハゴロモみたいに。ただしハゴロモと違って制限なく現世干渉可能だけど。
対之の里の奥深くに転がる石ころに封印されていたとの記憶であるが。
「このトキちゃん…コウが施したのかは知らないけど、生まれつき私に関する記憶を母から受け継いでいたとか言うの」
「母の記憶を、ですか」
「ええ。そしてその記憶の中に、開発中だった私の封印の解術式を見つけて、それを独自に完成させたの。
そして私を訪ね、この身体を貸してくれたわ。とある約束事を条件にね」
「じゃあ今人格を乗っ取るかたちで憑依されていると」
「ええ。インヨウの子供を兄に持つあなたなら分かってくれると思ってたわ
あれと同じ状態だもの」
「今の私の義父ですよ」
「そうみたいね
……条件の事聞きたがらないのね」
「聞いたほうが良かったですか」
「ええ。その条件こそ、私が貴方を訪れた理由だもの」
「じゃあ何でしょう」
「答える前に、話すに値するか質問ひとつ。
貴方、実母コウをどう思ってる?」
「別にどうも」
「質問を変えるわ。コウが今、どこで何をしているか知ってる?」
「どっちで答えたらいいでしょう」
「…………」
「……あー、外に出ている方が今どこで何してるかってのは知りませんよ」
「内側に居るって事を、知っているのね?」
「一応」
「クックッ…確認結果はマルね。
実年齢離れした人格も、インドラやアシュラという単語に疑問を持たなかったのも、初対面なのにトキちゃんの名前とチャクラを知ってたのも……全部説明がつく。
つまり貴方も、母親から記憶を受け継いでいるという訳ね」
「そうですね」
「トキちゃんの目的を教えるわ。
それは、母の開放」
「はあ。対之らしくないですね。せっかく無害化されてる波乱を解き放つなんて」
「……ただ自分の母親に会って話をしたい。その一心よ」
「対之にあるまじき心持ちですね」
「そこだけはコウに似たんでしょうね。
で、この目的を果たすには必然的にインヨウとその器をどうにかしなければならない。
その為の協力者として、母の行方を知る兄妹を探してたんだけど、
脈ありはあなただけで、他のは駄目だったわ。
門番は強い。真実を確固たる真実と知ってなければ、折られるでしょう」
「そうですか」
「ええ。それで、どうする?協力してくれるかしら」
「私なんか足手まといだと思いますけど」
「育てるわよ。その気があるのなら」
「なら協力します」
「ありがと。
ククッ…この私は智慧、インヨウは禅定、あなたのお母さんは戒律、その夫も戒律。
さて…あなたの瞳はどれを得るのか…楽しみだわ」
「? ああ、上位互換の話ですか」
「ええ
……そういえば、記憶があるとしても、貴方について解せないことが一つあったわ」
「なんでしょうか?」
「自分の父を記憶の中で知って恋をするのは自由として。
そのうえで認められるほど強くっていうのが夢としても、あなたの父…一つ前のインドラは、すでに死んでいるわ。
なのにどうして、いずれ会う時が来るって確信を持っているみたいに…焦っているの?」
「……貴方が理解できるか、話すに足るのか、質問を一つさせていただきます」
「あらァ、私の真似っこ?クククッ
いいわよ、なァに?」
「転生トリップ夢小説、という言葉をご存じでしょうか?」
「……へえ?」
とか言う雑談を少しして、おいとました。
ハオリは結界を解いてから発つらしく、私が先に病室を出た。
あと、なんか聞いたところ、ここに来る道中にあった火影室爆破事件、ハオリが犯人だったわ。
…弱そうなアシュラを見かけたから殺そうとしたんだけど強かったから止めたって、なにしてんのハオリさん……んで追われてんだってそりゃあ火影暗殺しかけたら騒ぎになりますよ…。
ほんで私の協力が決まったからには追っ手の味方されないようにこれから出向いて和解してくるんやって…なんやそら…。