□7 ストーカー事件途中まで[6p] ※隣のクラス=普通科というのは考察推測です
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翌日。
「おー、委員長おはよーう」
「お、おはよう…」
あぁ^~
感じる感じる。歯止めを解き放った凶暴な恋心。
飢えて飢えきってたまらない、そんな気迫。
もうずっといるやん。
授業始まってもスミレちゃんの横にばっちり居るやん。
スミレちゃんも粘ついた視線と沸き立つような気配が付き纏ってるの気付いてて、素で気味悪がってるやん。
草生え散らかるわこんなん。
なおホームルーム前
「おい」
「ん?」
「…ちゃんと寝たのか?」
「寝たよお」
「でも眠いんだろ?頻繁に目ェ閉じてっけど」
「あー、うん。ちゃんと寝てんだけどねえ。不思議だねえ」
「体調悪いとかじゃねえよな?」
「そういうんじゃないよ。ありがとう」
目閉じて瞳術でマギレ君ちらちら見てたらイワベエ君に突っ込まれた。
ほんでなんか今日はずっと眠いことにしました。
さて授業中や移動時間にマギレ君がイタズラしてんのばっちり見てました。
見えない状態でスミレちゃんにドヤ顔されても…わかるの私だけなんですが。
なおスミレちゃんガチ怯え。
眠そうな素振りしてたら本当に眠くなってきたけれども、マギレ君の動向見てたいので今日一日スミレちゃんに寄り添っていくことにした。
どっかいくなら黙って傍についていくぞ~。と思ったらそれに気づいたスミレちゃん、俺氏の腕にぎゅっとくっついてきた。
あーよしよし。
スミレちゃんの安全のためにと、ボルトミツキシカダイサラダチョウチョウもついてきている。
まあ今の状態じゃ目ぇ離したら危ないって思うもんなあ。
え、マギレ君の様子?
授業中黒板に情熱的な言葉をでかでかと書いたり。(まあすてき!)
ちょっと教室から出てったから瞳術で見守ってたらおもむろに廊下に設置してある姿見に赤の絵の具でスミレちゃんの名前をびっしりと書き殴り始めたり(もう少し丁寧に書かないと愛が伝わらないぞ)
教室移動中、吹き抜けからスミレちゃんの頭上に向かってシンプルな愛を綴った紙を無数にばらまいたり(ラブレターですらないしスカスカで余白だらけだし、コピー機でも使ったのかまったく同じ文章の紙が2枚以上あったしこれは愛が足りませんね)
突然小型のノーパソ取り出して弄ってたり。(まってそういえば防火シャッター下ろす描写あったけどつまりまさかハッキング技術もあるの?)
みたいな感じ。
昼休みと放課後に本格的に探してとっちめようという事になったそんな昼休み。
しかし登校すらしてないってことを聞いて、彼らは――すぐ横に居る――マギレ君捜索のため、校舎をしらみつぶしに探し回るということになった。
そこに居るのになー。
スタスタ校舎を見て回る。
スミレちゃんは相変わらず私と腕を組んで、ついでに目を瞑っている私の歩行をリードしてくれている。
「ったく……めんどくせーことに発展しちまったな。
いったいどこにいやがるんだ、あいつ?」
「なぁに、委員長を一人にしなけりゃ大丈夫だってばさ」
瞼を閉じた状態でそんな無駄口を耳に流していると――って。
「おいしょおぉ!!」
「きゃっ!?」
思わず目を閉じたままの状態で
私の腕に絡むスミレちゃんの腕を引きはがして足で突き飛ばしちまった。
「おいどうしたんだってばさ!?」
はい瞬時にバンザイ!次の瞬間、ブォンッと、私の腕があった場所で手鎌が空を刈り取った。
あぶね。
鎌を両手持ちにして体重を乗せた一撃、つまり骨を断つつもりで振られた一撃。
まさかスミレちゃんと引き離すためだけに私の腕を落とそうとするなんて。すき。やるじゃない。
不意打ち攻撃の失敗。だがマギレ君はそれに怯むことなく次の行動に出た。
「突然委員長を蹴るなんて何の真似――!?」
不審行動が敵襲ゆえと気付かないんかい。まあ見えないから仕方ない。
マギレ君は、引っ掻けて断ち切る意図で力いっぱい振って発生したエネルギーを殺さないよう、その場でクルクル円運動しながらしゃがんだ。
と思えば間を入れず、抑えられて跳ね返るバネのように地を蹴った。
その勢いのまま私の腹部目掛け、ドッと。
上へ突き刺すようにタックルをくらわせ、そして膝を柔らかく静かに着地した。
うん。
回転しながらしゃがむことで、腕の勢いを殺さず胴へ足へと移しつつ脚を畳み、集めた勢いをめいいっぱい地面へと押し付けることで発生した反動を利用したな。
腕の勢いを移してから脚を畳みきる間に鎌を収納する手際の良さ。着地も10点。すばらしい。
ははは、いやー。
二発目対応したらもう見えてる認定されちゃうよなぁ、と思ってそのまま直撃されてみました。
ダメ出しするとしたら!当たり所雑ぅ!肘なり肩口なりを鳩尾に抉り込むなりしないと!簡単に持ち直して着地踏ん張れちゃうよ!今回は踏ん張らないけど!
で。
結果。
「かは…っ?!」っと白々しく。
サラダちゃんが「何の真似!?」と言い終わると同時に、マギレ君渾身の突き上げタックル攻撃を受ける。
ひとまず困惑混じりに感嘆符を吐き、ボルトたちの方へ勢い良く突き飛ばされた。
四肢の重り(軽め)のおかげで浮かされた高さはあまり高くない。
着地で留まることなど造作もなかったが、あえて踏ん張らず衝撃のまま後方へよろめく。
ボルトに背中を受け止められた、その時。
「んなッなんだ!?」
「はわっ!?」
けたたましい音を立てて防火シャッターがガララーバシャンッと下りた。
おい。見たけどやっぱマギレ君ハッキングしただろ。
着地と同時にノパソ取り出してなんかのショートカットキー押してたな?Fn押しながらどっか押した瞬間シャッター下りてたし。
やっぱお前万能児だろ。
鵺って精神暴発させるだけで能力の付与とかしねえよな?
実力でここまでやるとかなんでお前影が薄いのホント。すき。
「ぼ、ボルトくん!?號ちゃん!?」
「戦力分散の罠か!」
すかさずボルトが私を立たせてからシャッターに走り、蹴りを入れるが、ビクともしない。
それに続くようにミツキ君が雷遁を叩きつけるが、これでもシャッターはビクともしない。
「クソッ、硬ぇ!」
「かなり頑丈だね、これ」
「忘れたのか!忍術が暴走した時を想定して作られてんだ!今のオレたちじゃ突破は無理だ!!」
「行くわよ委員長!號がやられたの見たでしょ!」
「はっはわわわっ!」
「あいつマジね。そして十中八九こっち側に居る…!!とにかく注意して全力で逃げるし!」
走り出して遠ざかる足音に意識を向ければ、当然、一人分多い。潜めた足音。
ていうかマギレ君走り方変えた?もしかして昨日中に正しい走り方…学習しちゃった?つまり自分の走り方自覚してたってこと?
くっかわ。
「くそおマギレェ!いっそ俺にしろ俺に!!」
「ふざけてる場合か!
委員長ーッ!オレたちもなんとか回り道して合流すっからなーッ!!
……くそっ、ここまでやるか!? 號!腹は大丈夫か!?」
「今の大声出せたくらいには超元気!」
「おし!お前たち行くぞ!!」
「おう!」
「うん」
「ウィッス!」
ボルトを先頭にして私たちも廊下を走った。
あー…廊下走りたくねぇー…。