□7 ストーカー事件途中まで[6p] ※隣のクラス=普通科というのは考察推測です
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あれから数日、シノ先生はどこか吹っ切れたように生徒たちを教えている。
相変わらず空回りしているようだが。
そういえば、勉強聞きに行くのパッタリやめていたなぁと思って今日の昼休みに聞きに行ったら、
相変わらず頼られて嬉しそうにしっかり教えてくれた。
「最近はクラスメートに勉強を聞いているようだな」
「ああ、はい。兄さんがそうしろって」
「彼が?」
「先生に聞くのも良いけど、クラスメートと友情を深めるきっかけになるし、あと、周囲に頼る練習だって」
「そうか。うむ、それは必要だな。
……しかし無論、それで解決しなければこれまで通り遠慮せずに聞きに来るといい。なぜなら、生徒を見守るのも、教えるのも教師の務めだからだ」
「はい。ありがとうございます、先生」
先生まだチャクラ回復しきってなくね。
自習の日、スミレちゃんのチャクラが動いたから、鵺憑いて取れたのはわかってるけど。
まーだ疲労感あるだろうに、頑張るなあ。
と。
マギレ君はー、……少し体力ついた?
ていうか筋トレ見てたんだけど。
無意識っぽいが、身体をチャクラコントロールで動かす才能あんのな。
筋線維をコートしつつ、そこへ渡る電気信号への反応をチャクラで――ひと息入れながらの一瞬だが――瞬発的に強化出来るようだ。
つまり、出力は劣るしうまく留められてないから一過性にだが、サクラちゃんみたいな、チャクラを用いた肉体強化の基礎ができてるってことだ。
どおりで。
忍術科でもなく日常的にトレーニングしてきたわけでもない、その棒切れのような四肢と薄い筋肉ではあり得ない脚力、跳躍力。コンクリ相手にいとも容易くクナイを刺してのけるほどの腕力、投擲力。
その説明がついた。
……なんでお前普通科に居んの?わりとマジで。
さらに数日後。
「え!?チョウチョウを追っかけてるストーカー、まだ続いてんの!?」
校舎ももうすぐで元通りかなーってときに事件は起きてたらしい。
はー、来たのう。知ってたけど。むしろそんなマギレ君を軽くストーキングしてたし。
「うん、ここのところ毎日。視線は感じるのに、見つけられないんだ」
目を閉じて欠伸のふりをする。
その一瞬を使い、瞳術でチラリと確認すれば、うん、そこの陰に居る、来てる、見てる、なう。
ぱっと見て目視できないけど、でも『そこに居る』と意識して見てみれば、ほんの少しの違和感に気が付ける。
ま、ギリースーツと同じ理屈だ。
登下校中や休み時間の度に来ていて、熱心だなぁ。
そう。その熱心さが欲しい。
「こんなのが続いたらぁ、不安で食べ物も喉を通らないってのぉ……もぎゅ、もぎゅ」
告白まで、チョウチョウにくっついていようか。
じゃあ今喉を通っているポテチは何なのか、というツッコミを諦め、意のこもった沈黙ができているところに、すすすと寄った。
「でも実害ないんだよね?ほっとけば?」
「バカ。本当にこのまま放っておいて、もしエスカレートして危険な目にあったらどうするの?」
「サラダちゃんに言われると…弱ったなぁ」
「……望まぬ付き纏いって意味では、あんたもある意味、ストーカーだけどね」
「やだもーそんな、サラダちゃーん!」
「な、何で照れてるのよ…?」
とかバカやってても雀野なみだちゃんは怯え泣きそうな表情のままでした。
「せ、先生には相談したの?委員長」
「私はそうした方がいいんじゃないかって言ったんだけど……」
その時、チョウチョウちゃんが顔を突き出してきて、スミレちゃんの言葉を遮るように、ぶんぶんと首を横に振った。
「そんなんじゃ、さんざん悩まされたあちしの腹の虫がおさまらないっての!」
そう言って顔をひっこめると、今度はその豊かな二の腕を抱いてトリハダを静めるようにさすり始めた。
「あー、ストーカーってばネチネチ納豆みたいに粘着してきてほんとイヤ!きっとあちしをこのまま放ってはおかない…!
ぬあー!もう、思い出したらまたムカついてきたぁ!」
と思えば今度は勢い良く立ち上がり、熱い握り拳を振り上げ始めた。
「絶対あちしの手でとっ捕まえてやるんだからぁ! おー!!」
そして景気づけにか、ポテチの残りをその大きな口へ一気に流し込み、
無言で咀嚼しながら再び拳を天へ突き上げたのだった。
…その為の右手!
そして放課後。
「チョウチョウちゃん」
「ん~?」
「私も一緒に下校していい?」
「…ふふーん、なんだ。號も結局は、あちしのことが心配なのね~?
よろしい。あちしの護衛、あんたにも任せてあげる~」
チョウチョウちゃんについていくことにした。
「目には目を、ストーカーにはストーカをって言うしね…」
「待ってサラダちゃん、そのくだりまだ続いてたの?参っちゃうなぁ~」
「だからなんでそこで照れるのあんたは」
「あ、あはは…」
「ちょっとぉ、委員長にもウケてないし、あちしを放って夫婦漫才始めないでよ」
「誰が夫婦よ誰が!!」
「照れますな。私が夫役かな?」
「うっさい!」
サラダちゃん楽しい。
さてと。
放課後の修業を犠牲にするのは痛いが、マギレ君を把握するためだ。
マギレ君には、共有相手として修行の手伝いを頼みたい。
影の薄い存在で友達もいないなら、時間は有り余ってるだろうし、連れ回しても安心だ。
加えてあの執着と熱心さ、孤独感と恐怖心の大きさ。約束や秘密は守り通してくれるだろう。拷問と尋問には弱そうだが、拷問は仕方ないとして、尋問なら言い訳を与えておけば何とかなるだろう。
彼にとっての理解者が、私だけになればなお良い。