□6 転校生と最後の授業事件終了まで[6p]
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「だっだだだ…誰…ですか…!?」
手を離した途端、ぴゃーっとどんくさく距離を取って物陰に隠れこちらを覗き込むそのさまは、まさに……かわいいの権化。
そして瞳術でその天使のように愛らしい内股をちらっと見たところ、原因は猫背…もしくは先天的な骨の形かな。
どっちにしろ姿勢の悪さに影響されて足の踏み出しが内側になってる。
なにより大腿骨にねじれが生じてるね。
まあ、子供のうちならだいたい自然治癒するから放っておいても問題ないか……っと。
「驚かせてごめんよー。忍術科の生徒だよー」
「なんで…僕の名前…」
「そんなことより今暇?」
「え…」
「手裏剣ホルスターかしてみて」
近寄ってマギレ君が隠れた曲がり角をひょいと見たら、目立たない建物と建物の間だ。
そしてちょうど腰かけられそうな室外機があったから、そこにハンカチ敷いてその上に座ってもらった。
戸惑いされるがままのマギレ君をよそに、私は自分の手裏剣ホルスター下の包帯を外した。
そしてマギレ君の手裏剣ホルスターを一度とって、包帯を巻き、その上にしっかり手裏剣ホルスターを…っと。
つまり正しく付け直してやった。
「包帯の上から付けな。直に衣類はずれるし素肌だとかぶれる。それから包帯はピッタリね。筋肉のこわばりを軽減するから」
「あ、う、うん…ありがとう…」
「それから、スミレ委員長の名前を呟いてたみたいだけど、好きなの?」
「へ!?え、いや、それはその…」
赤面すんなよ可愛いな。
「いいよ。秘密にしておく。
人を好きになるって素敵なことだよ、自分の気持ちに自信を持って」
「……はい」
「それじゃあ私はこれで…と、あ、ごめん立って。ハンカチ回収するから」
「あ、うん」
「じゃあね、応援してるよ」
マギレ君は大人しく立ち上がってくれたので、私もハンカチをサッと回収し、
そのまま捨て台詞と共にこの場から走り去った。
あんま長いこと居てもね。
とりあえず事件の後に引き込めるよう、前触れだけ。
ていうか私の手裏剣ホルスター、包帯取ったからめっちゃずり落ちるー。
くそー、私に惚れさせとけばこんな小難しい細工いらなかったのにー!
全部終わった後で、断った理由打ち明けて取り込むだけでゲットできたはずなのにー!
といって今から私に惚れさせて好きの気持ちを分散させても、それこそ一直線じゃなくなる分ストーカーもしなくなって鵺が取り付けるだけの闇が生まれない可能性も出てくるわけであるからして。
回り出しちまった歯車に関与して阻止はちょっと…うちの里の方針に引っかかる。
仕方ないのだ。
あと今日からチャクラ吸引と注入の練習を開始します!!
……どっちも放課後練習したり図書室で調べたりしたけど、この操作なんか苦手だったみたいで先送りにしてたんだよなぁ。
次の日。
シノ先生が朝のホームルームを使いミツキの歓迎会を開くも大失敗。
寄壊蟲を見れたのは良かったな。かぐや君に聞いたら、利便性は寄壊蟲には劣るがそれでも蟻は蟻の良さがある、とのこと。
なお昨日の要件は、かぐや君のお母さんは忙しくて術教えるために会うのは無理とのこと……だが、その代わりとして、下忍時代に作ったという『忍術遁術実戦解説ノート』を貸すとの事だった。
ありがたく受け取った。
豪火球とか鳳仙火とかはともかく、豪火滅却も載っていたのは驚いたが。
ていうか影分身載ってるやん…多重は書いてないけど…。
参ったなチャクラ出し入れよりこっち練習したい……けど我慢するか。
しばらくはこの宝のノート持ち腐れか。
さて寄壊蟲をまとめて追い払う手段として、ミツキが突破を放っていた。
大突破でなくてあの威力だから素晴らしい。やるやんけ。
なおシノ先生が生徒たちからの辛辣な物言いに傷付き、立ち直れずに一限を自習にするも、鵺に憑かれた校舎修理業者が暴れるというボヤも起きた。
ボヤの犯人はボルトらの活躍により、滞りなく警務部へと引き渡されてった。
さてもそんな感じで、『自分が見てなかったばっかりに生徒を止められず危険な目に合わせた』という事実に、後悔と自責と無力感と不甲斐なさなどに苛まれこれ以上なく落ち込むシノ、に、視線を注ぐスミレちゃん。
ちなみにマギレ君の姿探したら、今日はちゃんと手裏剣ホルスターを包帯の上から正しく着けれていた。
あとなんか筋肉痛ぽかった。……もしかしてあのあと修行してたの?
その次の日。
登校するなりホワイトボードには、ボルトミツキシカダイだけが校外の森で課外授業それ以外の生徒は一日自習との記載。
呼び出された三人が森へ向かい、残されたクラスといえば。
さすがの治安。
委員長のスミレちゃんが注意しはしているが、ゲーム始めたりおしゃべり始めたりで、まともに自習していたのはたった数人だった。
「かぐや君まって、ワンモア、ワンモア」
「わかった」
「へえ。號って術式書く才能ないんだね」
「そうだよ……それとも君が教えてくれるかい?いのじん君」
「冗談」