□6 転校生と最後の授業事件終了まで[6p]
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「やあ委員長」
「!、あ、號ちゃん…」
ひょこッと顔を覗き込めば目に見えて肩を跳ねさせたスミレちゃん。
なんか葛藤してたところ悪いんだけど、
「ちっと委員長でなくてスミレちゃんに聞きたいことあって。今って大丈夫?」
「……大丈夫よ。なに?」
スミレちゃんはすぐに察してくれた。
秘め事関連の話だと。
「隠蓑マギレ君って知ってる?忍術科の生徒ではないんだけど、アカデミー生離れした隠れ蓑の術を使う生徒」
「……ええ。委員長だから、色んな先生と話す機会があるわ」
「へえ。先生方はなんて?」
「……物静かで影が薄くて、奥手で地味。クラスメートによく存在を忘れられ、まだ友達と言える友達が居ないって心配していたわ。
それに、彼が高いレベルの隠れ蓑の術を使用する瞬間を見たって、シノ先生が忍術科に来ればよかったのにって惜しんでたわ」
「ははは、だろうなあ。……スミレちゃんの評価としては?」
「忍術の才能があるならチャクラも抱えてる。孤独という悩みだって抱えている。候補の一人ね」
「うん。それでいいと思う。けども、ところで」
「?」
「もうマギレ君に声とかってかけた?接触した?」
「え?」
「彼、確かに候補として素晴らしいけども、接触するのはお勧めしないなって」
「どうして…?」
「接触すればわかるよ。
そしてもう一つ、私はマギレ君が欲しい」
「……彼には手を出すなってこと?」
「いんや。出していいよ。ただ、私は『存在に気付いて声を掛ける』ポジションが欲しい。
もし譲ってくれるなら、彼の悩みを広げる行動も進んで行うし、鵺との繋がりが切れるような真似もしないと約束もする」
「あなたの秘め事に、必要なのね?」
「不可欠ではないけれど」
「……。ごめんなさい。昨日…接触したわ。落とし物…消しゴムを一緒に探したの」
「まじか。……まーーーじかーーー……」
「ごめんなさい…」
「いいよ。言ったでしょ、不可欠ってわけじゃないって。
スミレちゃんは役目を果たしただけだし、気にしないで。これからも思うようにやればいい」
「……うん」
「さて、それより委員長」
「え?あ、は、はい!」
「今日やった算術の問題で分からないところあってさ…今大丈夫?聞いていい?」
「う、うん!」
「ありがとう。…口寄せの術!」
マスク外して腕がぶって噛んで血ィ親指に乗せて印結んでボンッ!
っと取り出したるは、ノートとペン。
「はわわ?!號ちゃん、もう口寄せを使いこなしてるんだ…!」
「ははは、腕噛むのがなかなか痛てーんだこれが」
治癒した傷痕をひと撫でした。うん、痛みもない。
マスクをし直して、ノートを開いた。
「で、ここなんだけど。なんで突然この式が出てくるの?」
「あ、うん…そこはね、」
で。放課後。
今日は何事もない放課後だ。
予定では修行―――なのだが。
マギレ君とスミレちゃんが既に接触していたため中止だ。
どこだッマギレ君探すぞゴラァっ!
こと探し物においてこの瞳術の右に出るものなし!!
窓から夕日色の校門を見下ろす。
さっさと校門出て物陰に隠れないと…って、ああ!いたあ!
瞳術使うまでもなく今まさに校門出ていくの見えた!!
「號、今、いいか?」
「ごめんかぐや君 ちっくと急いでるからまた明日!!」
「あ、ああ。また明日…、」
ぬおおおおこのまま窓から飛び降りたり全速力出すと目立つからできなくて歯がゆい。
が、充分追いつくからいいや。
「ああ…やっぱり誰も気づいてくれなかった…今日から手裏剣ホルスター付け始めたことに…誰も気づいてくれなかった…誰も…普通気付くだろ…!普通科なのにこんなの付けてたら…靴だって今日から忍者サンダルに…っ!、……っはあ…スミレさん…」
さあ彼の背中に追いついた。
え、なになに、あ、確かに慣れてないね。サンダルはいいけど手裏剣ホルスター直で付けよってからに。ずり落ちとる。
ていうか独り言すごいな。ちらり感情覗いたら、あーただただ気付いて欲しいんやなって。
「隠蓑君」
「へ!?」
ぽんと肩に手を置いただけで、マギレ君はその場でびょっと飛び跳ねた。
おお、置いた手に着地の振動が伝わる。おもしれ。かわい。