□6 転校生と最後の授業事件終了まで[6p]
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ということで青空教室。
周りとの距離が近い分集中できなさそうだったため、一番後方に座ることにした。
あと芝生の上とはいえ地べたにずっと座っていると服湿ったり汚れそうで嫌なので、大判ハンカチを敷いた。
「今日からお前たちと共に学ぶことになった、――ミツキだ。仲良くしてやってくれ」
「ミツキと言います。音隠れの里から来ました」
ぺこりと頭を下げて微笑むミツキ君。
音隠れというワードにそれぞれの反応を示す生徒とフォローを入れるシノ先生。
ミツキ君のスルリとした滑らかな身のこなしは参考になると思うから勉強させてもらおうか。
ボルトしか眼中にないみたいだから詳しい話は聞けないと思うけど。
先生が言い終わる前にボルトの隣に座るしもうガン見で目離さないし。
あホ。(略してみた)
あれではボルト以外話しかけづらいだろうに。
そんなホームルームから始まり、算術の授業では見事な頭脳を披露した。
先生みたいに、解き方を解説しながら式を書いてくれるのは高得点だと思う。
ノートにポイント書き残し易いし。
それにこの公式は後々勉強する範囲だろうし、いい予習になった。
勿論さっきボルトがやった解き方も。
でも先生の面目丸潰れ。可哀想。
っと、斜め前に座ってるグラサンの生徒…曲ライン君が消しカス弄り始めた。
暇?なら聞くか。
「ライン君。ちょっと聞いていい?」
「え?」
「さっきの問題…ボルト君の解き方じゃなくて教科書記載の方の解き方なんだけど」
「あ、うん。何?」
「えっとね…」
ボルトの解き方は確かに効率的で良いんだけど、これは個人授業ではない。
まして前に出て解くとなったら、書いた式をもとに先生から詳しい解説が入るはずなのに、我流式ではそれができない。
教科書通りの解き方で実演して見せてくれないと、結局解き方わかってない生徒は理解できないままだし混乱するよ。
折角覚えやすいよう過去習った数式と関連付けて積み上げるように教えてくれてるのに。
と、私は内心シノ先生の肩を持つのであった…と。
「――つまり、この答えになるんだ」
「あ、あ。ああ~!なるほど。へー…」
「質問ある?」
「ううん。ライン君のおかげで理解できたよ。
聞いてよかったぁ、ありがとう!」
「お前たち。そろそろ次の問題に入るぞ」
気を持ち直し、ホワイドボードに新たな公式を書き終えたシノ先生が手を叩いて注目を集めた。
それを合図に、授業は続く。
てな感じでお次の授業は実技訓練とのこと。
移動中、ミツキがボルトや他の生徒たちの流れから一瞬離れた隙を狙う。
ミツキに接近し、トンと小突くように肩をぶつけた。
「何?」
互いに歩みは止めないまま、声だけ潜めた。
「いや。朝頼んだ事の返事、ちゃんと聞けてなかったからさ」
「ああ。他言無用のね」
「うん」
「別に構わないよ、君の一族ってそういうものなんでしょ?」
「それを聞いて安心した、ありがとうよろしく」
「うん」
話が済んだらもう近くに居る理由はない。
特に合図したわけでもないが、お互い同時にスルッと。
さりげなく離れて互いの距離を伸ばした。
知ってたけどミツキお前やっぱボルトのとこ行くやんな。
さて始まった実技訓練の内容は二人一組で体術のみの組手。
そして私の手にはノートとペン。
いやー、参考になるなー。
「また無駄にそんなもの書いて」
「また無駄に人の手元なんか見に来て」
「……書くことに気を取られてよそ見しないよう、せいぜい気を付けることだね」
「忠告ありがとう。いのじん君の言葉はいつもながら本当に参考になるよ」
なんて言葉を交わしていれば、ボルトとイワベエ君の組手が終幕した。
続いてミツキ君が「ねえ、次は僕とやろうよ」とイワベエ君に声かけた。
なら私は足早に立ち上がっていのじん君と距離を取った。
「どこ行くのさ」
「お手洗い」
「よりによって今?」
場内の様子を伺いつつ、さっさと観戦席出入口に潜る。
人目がなくなったところで瞼を下ろし、瞳術を発動させた。
聴覚にも集中する。
ミツキの動きは瞳術ごしに確認したかったから。
目を閉じてても怪しまれないここまで移動したという事だ。
本気で来い、との言葉を受け、合図も待たず攻撃に出たミツキの遠慮ない動きを観察する。
フーン、
手刀背刀貫手、蹴り、走りも、なるほど?
力を加える位置、方向、運びを工夫している。
たとえば、振りの勢い…慣性力を利用した円運動で次の攻撃にそのまま乗せ…いや、曲線状に転がすイメージか?とにかく流れを全然妨げていない。
蛇がモチーフなだけあって、滑らかかつ曲線的。バネの強弱も上手い。
地面を這う時の動きも、なんだろ、這い慣れてるっていうか。ギリギリまで高度を落としつつも方向の切り替えがスムーズで……とにかく面白い動きをする。
異常に特出した、素晴らしい動きだ。
歯がゆい。
この私も、人外だろうが遺伝子歪められようが構わないから、最初から完成していればよかったのに…。前の世界の私みたいに。