□6 転校生と最後の授業事件終了まで[6p]
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そういえばメタル君の仕込みについて聞いたら、私のお見舞いの帰りにメタル君の家に寄って「大丈夫?」とだけ声かけに行ったんだと。
で、別れのときに取り付けたそうで。
なーる。
スミレちゃんは、とても簡単だった。
心優しい子が、孤独と恐怖に押しつぶされそうになっている、端的に言えば一番付け入りやすい精神状態だった。
チャクラを返したときだって、他でもない私に奪われてカラカラに干からびた鵺だというのに。
疑問なく私の言葉通りにチャクラ注入という動作を行ってくれた。
いや、逆噴射の術式は問題なく発動し、全てのチャクラを返却したわけだが。
信頼を得ることができたと確信したのは、余分にチャクラを取っていかなかったことだ。
少しくらい余分に取っていくかと思ったが、そんなこともなく。
根が真面目で優しい子なんやなって。
感情のチャクラをちらっと覗いてみたら、私に嫌われたくないという想いが強く出ていた。
一人だけの、誰にも言えない、しかし一人で抱えるにはあまりにも恐ろしい秘め事。
強く渇望していたのだろう、それを共有する相手を。
事が終わった後も、スミレちゃんの感情のチャクラは私ともっと話したがっていた。
なので私から切り出して、しばらく他愛ないおしゃべりをし、
お互いの家族や秘め事については一切他言無用と約束を交わし、また明日学校でと別れた。
帰宅したのは日が沈んだ後だった。
「兄さんただいまー」
「おかえりなさい」
「おかえり。遅かったな、號」
「あれ、テン兄様。いらしてたんですね」
「明日には帰るよ」
一番上の兄が来てた。
居間に時空間忍術式が施してあるからそれ使ってたまにこっち来るんだけど、木ノ葉のセキュリティ上大丈夫なのかと聞いたら条件付きで許可貰ってるらしかった。
ちなみに彼は、母とうちはイタチの息子だ。つまりサラダちゃんの従兄妹にあたる。
…母さんの何がすごいって、5人中4人が違う父親なんだよなあ。
そして彼こそが、本日活躍してくれた逆噴射の術式が施された、この首飾りの作り手でもある。
「それより何故敬語なんだ?」
「いやァ…久しぶりだし…兄さんが兄さんなら兄様にも…みたいな」
「?…まあ、號がそうしたいなら気にしないでおくよ」
木ノ葉に出発する直前、お守りとしてくれたものだ。
ちなみにイタン兄さんも同じものを持っている。
これ独学で作ったんだぜテン兄様。まだ十代半ばだろ天才の血かよ。
ちなみにスミレちゃんには逆噴射の術式がこの首飾りによるものということは伏せておいた。
普段から服の下に付けてるし、こんなパワーアイテムの存在を知られたくないというのが本音だ。
「あっそうだ兄様。
兄様の作った首飾りに今日助けられたんですよ。ありがとうございます」
「聞いている。だから来たんだ」
「え」
「ま、その日のうちに元凶と接触し和解したのだから、ひとまず口を出す必要はなくなったな」
「……イタン兄さん…また私に菌付けてましたね?」
「號は大切な妹だから」
つまり筒抜けってことですよね!!
イタン兄さんがいつも見ている!!
「じゃあ鵺のことも聞いてました?」
「うん。全部聞いてた。木ノ葉が滅ぶなら、それも時代。関与しない」
「じゃあ他言無用でお願いします」
「うん」
歴史に関与したり、目立つのを良しとしない里。
難儀だが、だからこそ禍根を持ち込まず、細々と存続している。
今日の夕飯は、兄様が作ったようだった。
献立は、五目飯、きのこの味噌汁、肉じゃが、山菜のおひたし。
うん。さすが兄様だ。