□5 男女対抗案件終了まで[6p]
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解散後。
校門出てしばらく歩き、他のクラスメートがそれぞれの道に散ってきたところで、私はスミレちゃんの肩を叩いた。
「號ちゃん?どうしたの?」
私が鵺に食われたとき、私の名前を叫んでくれた一人であるスミレちゃんは、きょとんとした顔で振り返った。
「委員長に相談したいことがあるんだけど、いい?このあとって暇?」
「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
「外ではちょっと…。私の家、ここから少し遠いけど来れる?」
「あの、なら私の家、もうすぐだから。良かったら…」
「いいの?ありがとう!」
という事でスミレちゃんの私室。
マギレ君にストーキングされた回の時何も無かっただけあって、ちゃんと片付いていて、怪しげなものはなかった。
少し殺風景な女の子の部屋。
スミレちゃんはわざわざ温かい麦茶を出してくれた。
「それで、相談事って?」
「うん。取っちゃったチャクラ、返却しようと思って」
「……?」
「いや、今日私を甘噛みした奴。持ち主委員長でしょ?」
ガタン。
と、スミレちゃんが目を見開いて立ち上がった。
予想したより大人しい反応だったが。
「私、いざという時のため髪にチャクラ溜めてるんだけど、多分それに誘われたんだね。
弱ったアレは、回復するためのチャクラを求めて私を襲ったんだと思う」
「……」
スミレちゃんの手が震え出した。
「特殊な仕掛けがあってさ。逆噴射の術式って言ったらいいのかな。
つまり私からチャクラ吸引しようとすると、逆に私へチャクラを注ぐことになる」
「……」
気にせずに続ければ、
スミレちゃんはまるで捕食者から目が離せない小雛のような眼差しで私を見つめ続けている。
「かなりの量のチャクラが入ってきたからさ、その分返さないと可哀想かと思って。
折角デンキやメタルから集めたチャクラだもん」
「なんで…」
「ん?」
「何で知ってるの…?」
「秘め事を持つ生徒は、委員長だけではないってことだよ。
ただ言うとしたら、私は人の心とチャクラを読む秘術を持っている、とだけ」
「も…目的は、何なの?私をどうするつもり?」
スミレちゃんの震えは全身に広がっていた。
細い崖っぷちに追い込まれたような顔、哀れな声。
思ってた反応と違うな。もっとこう、刀とか突き付けてくると思ってたんだけど。
「木ノ葉を壊したいならすればいい。手伝うことはしないが、言いふらしたりもしない。
邪魔をする気はないよ」
「そこまで知ってるというなら、なおさらっ…
邪魔しないなんて言葉、何をもって信じろと…!?」
「私情かなあ。
私も、死んだ父様のためだけに生きているから」
「!! え…?」
おー、利いてる利いてる。
そのまま私は手袋を取って、手袋の下の包帯も取って見せた。
修行で傷だらけの手を。
「この前倒れた時、心配してくれてありがとう。
…詳しくは言えないけど、私、父様の娘だから。
成さねばならないことがある。
だから強くならなきゃいけない、まだまだまだ、全然足りない」
「あなたも…、お父さんのために…傷付いてるの…?」
「ん、うん」
スミレちゃんは震える手で、私の傷だらけの素手に触れてきた。
「倒れるほど…?」
「うん。痛いし苦しいけど、それは辛くて嫌だけど、それでも、それでいいんだ。
父様のことを、世界で一番愛しているから」
「……」
「そう、父様に認められるためなら…」
つまり、三次元に還らずに済むのなら、
「…私はなんだってするし、なんにでもなれる、そのためならどんな痛みにだって耐えてやる。
友達をすべて失おうと、全ての人に憎まれようと耐えてやる。
糞だろうが喜んで食らってやるし、利き腕を差し出せと言うならすぐにでも切ってやるさ」
「……號ちゃんの、お父さんって?」
「秘密。あえて言うなら木ノ葉の抜け忍で、とんでもない大罪人だよ。もう死んだけど」
「……お母さんは?」
「木ノ葉の元忍。抜け忍…にあたると思うんだけど、まず存在自体抹消されてる。
生きてはいるけど…生まれてから…1、2…そうだね、生まれてから3度しか会ったことないや」
「じゃあ、今の家族は…?」
「んまあ義理の家族だね」
「そう、なんだ。
…そうなんだ…號ちゃんも…抜け忍の…亡くなったお父さんのために…」
「スミレちゃん。
私が父様のためにやっている事…それは誰にも言えないし、そのことで忙しいから協力はできない。
でも、それの達成に木ノ葉の存続は関係無いことだから、邪魔もしない。」
「……うん」
「だからチャクラを返しに来たの。簡単だよ、逆噴射の術式だから。
つまり私にチャクラを注ごうとすればいい。そうすれば、逆に私からチャクラを奪える」
「うんっ…!」
あ。スミレちゃんの震え止まってら。
ちょっと純粋すぎひん?