□4 メタル事件解決まで[6p]
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「イワベエ君はタイミングよく来ちゃっただけだよ
誰にも言わないでね」
涙をぬぐって、しぃと人差し指を立てれば、
ボルトもイワベエ君も何も聞かず頷いて承知してくれた。
「ありがとう」
さあ気を取り直してマスクについた水滴も染み込む前にピッと払う。
イワベエ君も手を離してくれたことだし、改めて自分の手で起き上がる。
「あれ、私のサンダルどこだ?」
「ベッドの下にあるってばさ」
「ほらよ」
「おーう、ありがとう
死角に置くなよ先生~、フフッおっちょこちょいだな~」
「もう体調の方は大丈夫なのか?」
「ん? うーん…ははは」
「すげーしんどそうだったから、みんな心配してんたんだぜ!?」
「心配させてごめんね。
一応まだ頭痛と疲労感が残ってるけど、随分良くなったから、きっと明日にはいつも通りだよ」
「まだ症状引きずってんのか?!んならまだ横になってろってば――」
なんて話してたら。
「お前たち。」
ボルトとイワベエ君が「げっ」と声を漏らした。
「火影岩の修復作業後は速やかに直帰するようにと言ったはずだ。
たとえ学校であろうとも、寄り道は感心しない。
それから、許可が出るまで號は面会謝絶と、確かに伝えたはずだが?」
丁度サンダルを履き終え立ち上がろうかと思ったところで、シノ先生が到着したようだ。
先生の後ろには火影岩修復組……あ、でもメタル君いないわ。
じゃあシカダイ君のクソムカツク言葉を耳に入れずに済んだな。良かった、キレるか泣く自信あったから。
ははーん。
秘密でお見舞い来たんやなお前ら。暇人か。
ていうか
「面会謝絶って大げさすぎません?」
返事をするように、シノは手に持っていたバインダーの資料をパラとめくった。
「――過労。
眼精疲労、睡眠不足、貧血、発熱、栄養失調、それから…筋肉の酷使、各所の擦り傷および打撲跡と…口周りに軽い火傷か」
羅列された言葉…ワイのことやな?
全部自覚あるわ。
「はわわ?!そんなに……?!」
「それ、號のこと言ってんのか…!?」
そうだよー。委員長は置いてイワベエ君が察しいいのは驚いたな。
とりあえず肯定の意を伝えるため、白々しく視線をずらして焦ったような笑みを浮かべてみた。
シノは足元に向かってフーッとため息を吐くと、顔を上げた。
「眠っている間に医者を招き、診察させてもらった」
「全く気付きませんでした」
「なぜなら死んだようにぐったりとしていたからだ。
おまけになんだ。あの重りは。まだ骨の出来上がっていない子供が付けていい重さではない」
そう発言しつつシノはボルトとイワベエをかき分けて私の手を取った。
そして二の腕あたりを服の上から――ちょうど重りを巻いていた場所の――筋肉を確かめるように、グッグッと掴んだ。
その間、
保健室の入り口にまだいた少年少女らの、
「へえ、重りなんか付けてたんだ。
以外だね、女の子なのに」
「大して意味もねー事、よくやるなあ。
あーゆーのは筋力増す修行ん時だけ付けてりゃいいのによ」
「お、女の子だからっていうのは関係ないんじゃないかな…、いのじんくん…」
「そう?少なくともうちのクラスにはそういうタイプの女子なんて居ないと思うけど。
それとも、委員長も実は重り付けてたりするの?」
「はわわ?!え、えーと…」
なんて雑談が聞こえてくる。
帰らないの?
「気付いているだろうが、取り付けていた場所が痕になっていた。
號、あの重りを付けるべきではない。なぜなら、今は痕で済んでいるが、そのうち疲労骨折や内出血を起こし、そのまま痣となりかねないからだ」
「あっはあ」
「シノ先生、それセクハラだってばさ」
「セクッ……!?」
ビシッ…とシノ先生が硬直した。
面白いな。
とりあえずシノ先生は手を開いて強張ったため、ちょっとずれてから何となく今触られたところを私もグッグと握ってみた。
シノの手ェ大きかったなあ、と感慨深くなりつつ「そんなことないよー」と言っといた。
「あっ、そうだ、重り。どこやりました?見当たらないんですけけど」
「あ、ああ。
重りは預からせてもらった。
これからお前を送り、そして保護者に直接重りを返却し、注意しに行く」
「えっ、いや、家の人は関係ないじゃないですか」
「大いにあるからこそ、お前は倒れた」
「……でも、私がほっといててくれって言ったんです。だから家の人は何も悪くありません」
「ならば今後無茶をしないよう見張るように頼みに行く」
「私、少しでも一歩でも早く、強くなりたいんです」
「……號の勤勉さと向上心は、高く評価している。
尊重するのも教師の務めだが、エンジンの掛け過ぎで故障してしまう前に止めてやるのも、教師としての仕事だ」
「……。わかりました」
わかってないけど。
とりあえず重り軽くすればええんやろ。
この身体は、まだまだこんなものではないはずだ。
子供体格だといくら筋肉付けてもウェイトに限界あるから、重りで盛るんです。
あー体重200kgくらい欲しい。
……土遁加重岩の術でも調べようかね。