□4 メタル事件解決まで[6p]
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……それにしても、この里の周りはホント清々しいほどの樹海に囲まれていらっしゃることで。
近代化しているとはいえちょっと郊外に出れば空気の澄み方も段違いだな。
「よし、お前たち。今日から、手裏剣の扱い方の実地訓練が始まる」
午前中の授業は実技のようで、忍術科生徒一同は木ノ葉管轄の森の一区画に存在する広場までやってきていた。
「お前たちの技量は、まだ未熟だ。最初からまともに投げられる者は少ないだろう。だがそれでいい。なぜなら、それがアカデミー生だからだ。
くれぐれも自分の能力を過信してケガをしたり、仲間をケガさせたりすることのないように、十分に注意を払って……うぉわ!?」
いやあ。
先生の言葉を遮って勝手に始めるなんて芸当、考えられないな。
「ったく、聞いてないな……」
私とスミレちゃんは聞いてるよシノ先生ー!
あっでもスミレちゃん聞いてるようで全然聞いてないや。癖の消し方考えてる。
私?…手裏剣なんて初めて触るねえ。
出身の洞隠れは戦闘指導しない里であるからして。
「……先生~」
聞こう聞こう。
「號か。質問か?」
「はいー。手裏剣初めて触るんですけど、安全に扱うコツとか基本的フォームあったら教えてください~」
最低限の扱いが得られるなら最初に得ておくだろう。
後で変な癖が残るかもしれないし。
「よし、いいだろう。まずホルダーからの取り出し方と基本の持ち方だが…」
言葉を聞き、脳内に投影。
とうえっ…
「あ」
あっ
頭痛い!!!!!
ズキンズキンズキンと、脈動と共に痛む、これは、これは…片疼痛と良く似ているが、もっと鋭い、ちがう、
「…どうした?……號?!」
「すんませんほんとすんませんすんませんちがうんです…別に風邪とかじゃないんです万全ですそれに先生の教え方は本当に分かり易いし、ちゃんと話聞いてますから、」
「そんなことはどうでもいい!大丈夫か、頭が痛むのか…?!」
うん。
裂けそう。
「まあ、あの、ちょっとだけ……心配ごめんなさい…本当に少し…じゃあ少し気分悪いんで…すみませんが今日は見学してていいですか…?」
「謝るな。何も怒ってなど居ない。そして具合が悪いのなら無茶をするな。」
「すみません……」
とかやってたら、向こうの方からメタル君の悲鳴と衝突音が聞こえてきた。
「こんな時に…、
號はここで休んでいろ」
「はい…」
何をやっている、と声を上げながらたったかシノ先生が向かう先には、風魔手裏剣とキャラクターたち。
イワベエ君に風魔手裏剣お前のかよ!ってツッコミ入れたかったな……
……視界がかすむ。
いてて。
この頭痛は、疲弊。
使い過ぎか。
身体中だるい、眠い、息苦しい、ぐらつく、何より痛い。
私がひっきりなしにアンテナ巡らせて察知している感情のチャクラは、……輪墓のような、少し別の次元に在るものだ。
それを感知している。
だからわりと体力と集中力使う。
なにせ血の入った一族の中で最も感情のチャクラを探る才能が無い私だ。
くやしいな。
母や兄姉、いや、他の一族のほとんど誰もがこんな苦悩知らないのだろう。
なんでできないんだって、きょとんとする様が目に浮かぶ。
まあ、『勝手に思い込む』のが一生涯ずっとの弱点だったマダラの子なら当然かもな。
義父の母さんがちょうど生前マダラの娘だったらしいんだけど、やっぱり気持ちを察する才能が乏しく一人で突っ走ってたって言ってたし。
ほんで先に死んだ夫を追って、幼い義父残して自死だっけか。どうでもいい。
感情のチャクラ感知は……正直、娯楽だ。
いや、対人が怖いから、察することで安心できる返答をしメンタルを消耗しないようにしていた。
……戦闘に応用できるような心理戦や心の先読みなんて芸当、私にはできない。
それを実現する知識も知能も経験も、まだ全然足りない。
集中力が圧倒的に足りないんだ。
無理に鞭打って、それこそくたくたになって徹夜明けのようにぼうっとし始めた頭で無理矢理集中し続ければ、このざまだ。
炎が消える瞬間、尽きるために激しく燃え上がるその時のような快感と好調が数時間前から続いていたから、そろそろこうなるとは予測していたが。
ああ。いつも限界までやるが、強靭な精神も疲弊に対する耐性もついてくれやしない。
感情を感じ取りながら感想を述べることは出来ても、理詰めに思考し策をめぐらすなどとても出来ない。
そうだね。消耗度とのコスパ考えると悪い。
それでも安心と優越を得たくて使用していた。
けど、
こうして実害が出て成長に支障が出た以上、やめないと。
優先すべきは共感や理解、……友より、強さだ。
くそ。
不器用で、無能な自分が居る。
未然に知っててやめられない自分がいる。
出来ることなんて、せめて敵視されないよう、ヘラヘラすることくらい。
赦しを乞うように許すことくらい。
嫌いだ。
ああ、一度目を閉じてしまったら、もう開けられない。
この身体が今一番やりたがっている事は多分、
気絶だ。