□4 メタル事件解決まで[6p]
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あれからまだほんの数日。
昼休みに職員室に行って不明点聞きに行くのがほぼ日課になりつつある。
「今日もすみません。ありがとうございました」
「気にするな。また不明点が出来たらいつでも来るといい。なぜなら、教師とは教える師と書く。教え子に知識を授け、先へと導き、高めてやる師であること。それこそが教師のあるべき姿であり、そのためにオレ達教師が居るのだから」
「はい!ありがとうございます。失礼しましたー」
今日もお辞儀をして職員室の戸を静かに閉めて教室へ戻る。
道中、
「よお、號」
「おお、イワベエ君」
「さっきわかんねぇつってた問題…聞いてきたんだよな?どうだった?」
「うん?うーん…なんて言ったらいいだろ、紙に書くと分かり易いんだけど…」
「なら……その、つっ、ついでに昼メシ一緒に食わねえか?」
「いいよ。 あ、イワベエ君て分数の割り算は暗算出来るっけ。それ使うと楽なんだけど、まず簡単な前提設定としてあの文章難しく書いてるけど結局兵糧を1/3要人に回して残りを4人で分けるってだけの奴ね。これの公式が2/3÷4/1でしょ?つまり問⑥の二個目の公式には1/6を入れれば良かったみたいで……あれ、ここまで大丈夫?」
「……。 悪ィ、やっぱボルトたちと食うわ」
「そっかー
いいよいいよ、また今度ご飯しようね」
毎度首ひねりっぱなしで座学の授業受けるイワベエ君かわいいんあ。
あと恐怖ゼロで接してるから向こうも話しやすいのか、わりと懐いてくれてもっとかわいい。
ていうか私の事恋愛対象として気にし出してる。
かわいいけどこればっかりはおちつけ考えなおせ、と声を大にして言ってやりたい。
接触が減れば落ち着くだろうか。と、避けられてると悟られない程度に避けている。
じゃなくて。
転入から数日。
イワベエ君以外にももちろんまんべんなくヘラヘラと愛想振り撒いて、
接し方に迷っている子には軽く頼みごとして達成したら頼って良かったとかおだてて持ち上げたりしてれば、
まあそれなりにクラスの一員として溶け込めたように思える。
誰かに呼ばれたら好意的に口角を上げて、常に好意的な声色で返事をする癖は三次元に居た時からとっくについている。
工夫としては、接するテンションくらいは一人一人変えている。
相手の心地を変えないよう、そして向こうが同調しやすいように真似する感じ。
あ、あと
「あ!サラダちゃん!今日もスカーフバッチリキュートだね!!」
「あーはいはいどうもありがとう」
ちょくちょくサラダちゃんにアピッてたら軽くあしらわれる程度には慣れてもらえた。
チョウチョウちゃんには「まさかあんた…ソッチ系!?あ、あちしはノーマルだかんね!」とか言われたりしたけど。
それからなんか割とごく普通に生活してたと思うんだけど、真面目な子で通るようになっていた。
いや、
掃除なら壁の隅や目につかないところまで拭いたり掃いたりするとか、
掲示物の角が剥がれてるの気付いたら報告するかその場で付け直したりとか、
黒板の消し忘れや消し跡が目立ってたら休み時間にクリーナーかけて綺麗に消し直しておくとか、
先生の話は最後まで聞いて、
授業態度もきちんとするし指示にも素直に従う。
ごく普通のことだと思うんだけど几帳面とか真面目とか言われた。
冗談で副委員長とか言われたり。
勉強についても、大嫌いだけど頑張っている。
いや鷹狩りが趣味なマダラの娘たるもの多少は頭回らないとダメかと思って。
わからなければノートに質問箇条書きして、休み時間中に先生を訪ねて聞きに行ったり…
え?先生の休み時間?知るか私は学ばなけりゃいけないんだ。
ほら、鷹狩りって獲物を逃がさず仕留めるために、少人数を自分の意のままに素早く動かして対処するやん。
鷹狩は遊娯の為のみにあらず。
どのように号令を出すか、隊をどのように動かせば最も効率的か、動きを封じるための効率的な配陣は何か……と。
獲物を敵に見立てて地形や地面の状態を見ながら瞬時に判断を下す実践的な訓練として江戸時代日本の武士たちの間で流行ったとかなんとか。
徳川家康が鷹狩りを独占したせいですっかり廃れてしまったがね。
つまり兵法だ。
そして兵法を心得るならば純粋な知識も必要不可欠であるからして。
マダラはあれで忍界最強のひとつに数えられた一族の族長であるし、そりゃあ知識はあるだろう。
ならば、娘の私も、知識を蓄え持って然るべきだ。
勉強はホントに連呼するほど大嫌いだが、きっとマダラは低能を自分の子として認めはしないだろう。
言葉を覚えろ、獣。などと言われてしまうだろう。
だから、真面目に勉強をすることにした。
わからないことだらけだけど、理解しなきゃいけないから聞きに行く。
誘われでもしない限り昼休みにメシは食わない。
職員室から戻り、残った昼休み時間は図書室で過ごす。
放課後スムーズに練習できるように森の地図や目星付けた術の印と発動条件の暗記や、昨日練習した術の復習に専念する。
座学の間は、空気椅子のように腰を浮かせて足腰の筋肉も忘れずに鍛えて。
放課後は日が沈むまで修行。
でも足りない。
ああ。
全然足りない。
もっと成長しなければならないのに。
睡眠がもったいない。
でも眠らないとパフォーマンスが落ちる。
全く以て、人の身体は不便だ。
前の世界では少し我慢する充電だけで全部いらなかったから、余計に。