□3 イワベエ案件解決まで[6p]
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うーん。
やっぱり身体が軽いと重いの打てないよね。
パンチもキックの通りも悪そう。
って書いた。
イワベエ君がそのよく通る声を張り上げ、筆記がダメで卒業できないってなんやねんと喚いてる。
確かにナルトの時代卒業試験に筆記あったらナルトずっとアカデミーだっただろうな。
戦争中で兵不足ならおつむ選んでる場合でもなかったから分身だけできりゃよかったんだろうて。
まあ。時代だなとしか。
とりあえず座って感想や気付いた点を箇条書きしてた。
皆目の前のバトルに夢中で何書いてんのとか聞かれず気楽なもんだ。
でもいのじんさっきからチラチラ見てただろ。
ゆるさん。
うわ寄ってきた。
無遠慮に手元見てきた。やめろ見るな。
「ふーん。大してまとめるの上手いわけでもないのに…ご苦労様なことだね」
「学校には学びに来ているので」
マダラが名付けた里で、柱間が考えた制度の学校やぞ。
忍者学校も任務割り振りシステムだって柱間が考えたんだぞ(突然の半ギレ)
「へえ、授業すっぽかしてるその口でそんなこと言うんだ?」
「単独行動して悪目立ちだけはしたくないので」
「なんだ。言い訳のつもりでノート取ってるだけか」
「フッ、よく知ってるね。
君の分析力と発想は生まれつき?傍にいて欲しいや」
「悪いけど、それは死んでも嫌かな」
「はは、そうこなくちゃ逆に心配するよ。不用心って」
サイにそっくりな素敵な口調と笑顔。
楽しく雑談していれば、
「だから!
てめぇの勝手で人の行く道、ジャマすんじゃねぇってばさ!」
「う……うおおおおおおッッ!!」
ボルトに説教されたイワベエが逆ギレし始めた。
ように見えるが、まあなあ、
昔は通れた行く道を今、世間様にジャマされてるってのに、そんなこと言われたらねえ。
適正年齢越す留年なんて考えただけできついよ。可哀想に。
「ざけんなよ、クソがぁぁぁぁっっ!! うおぉぉぉぉッッ!!」
イワベエの雄叫びと土遁に いのじん君の関心が向こうに移ってくれた。
うわなんか絵筆取り出し始めた。
ならば私はちょっと移動して彼から距離を取って記録を再開した。
超獣戯画。陽遁の気がとても強い忍術。
ああ。つらいな。素晴らしいよ。
彼らははたしてどれだけの鍛錬をしてきたというのか。
才能の無い私とは全然違う。頭抱えて苦悩したくなってきた。今はまだしないけど。
「オレはな……火影様みてぇになりてーんだよ!
火影様みてぇに、戦いの中で英雄になりてーんだよ!
それがオレの行く道……こんなとこで、終わるわけにはいかねぇんだよォ!!」
な…、オイ泣くなよぉ。
可愛いだけだぞぁ。
火影様みたいになりたいと喚く。
椅子ではなく、人を目指しているのか。
師の跡を求めず、師の求めたるところを求めよ、なんていう言葉があるが。
他人なのだから同じようになんてなれやしないだろうに。
誰かの歩んだ道を自分も、なんて不可能だ。
知ったうえで目標としているというなら全然構わないが。
果たして、その決して届きやしない志で、どれほど強くなれるのか見ものだ。
感情に呑まれてあっさり横槍を許す今はまだ、まだまだのようだが。
イワベエの得物をかすめ取った超獣戯画がひゅると舞う。
機を逃さず、目を瞑り瞳術の発動を隠しつつ瞼を透視した。その鳥に籠められたチャクラがどう流動しているのか、ああ、へえ、そうなってんのか。
その鳥が向かった先。
術者いのじん君に場の視線が一斉に集まっている様子に、離れてよかったと息が出た。
瞳術を解き、瞼を開ける。
「武器は使わない……最初にはっきり、そう言ったよね。それとも自分が言い出したルールを破るのが、君の目指す忍者なのかい!?」
「う……」
自分で定めたルールを違反し始めたのダメくね?と、
いのじん君がイワベエ君を窘める。
「確かに、オレ……ダセェ、な……」
へえ。
指摘されたイワベエ君は大人しく戦意を喪失したか。
拍手と共に、一件落着ムードが流れる。
イワベエ君なんか説教されてばっかだな。
よく意地にならずここで膝を折ることができたな。
『うるせえたとえどれだけ汚れても勝つことこそが全てだ』みたいに叫んで暴走しても良かったのに。
間違っている醜い自分を恥と認めて、抑える。
難しいものだが、イワベエ君はそれを手にしていたようだ。
だから、残念だったねスミレちゃん。
彼に闇はできなかったね。
胸のうちで揺れる感情エネルギーが、とてもよく目に付いた。
そんなの息をするように見えるのは私の一族くらいだからいいんだけど。
舌打ちせんばかりに悔しがっている心と、餌食にしなくて済んだ安堵が渦巻いている。
解離性障害かミ?
さてそんなことより。
画材から生物に、か。
あの流れを作り出すにはどうすればいいのか、法則は?質感は?初動のパワーは?籠める濃度の程度は?
ノートの空いている場所にペン先を伸ばす。
籠められていたチャクラの流れを思い出し、法則を想像し、その動きを模倣するようにぐりぐりと落書きしながら頭をひねる。
……母さんならパッと見た時点でもう勘で再現出来るんだろうなあ。
ね、シノ先生。
「こ……これは一体……? ボルト……!?」
教師は大変だね。