□2 入学[4p]
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兄は視線をイワベエ君へ向け、袖の中で素早く片手印を結んだ。
「ッ!」
印が組み終わった瞬間、イワベエ君のチャクラが揺れた。
イワベエ君自身の挙動も、かくんと動きを止めて、瞳孔は術者のように…つまり兄のように…つまり白ゼツの瞳孔と同じ色とデザインに変わっている。
これは、直前5分間までの記憶を消してしまう術だ。
つまりイワベエ君にはもう、私と接触した記憶はすっかり無い、という事だ。
印は片手で3秒、その間相手の頭部にピントを合わせ続けるだけで発動できるんだからとんでもない。
なんて思っているうちに、さらに兄は印を組み、時空間忍術でイワベエ君をどこかに飛ばしてしまった。
さてこの路地に居るのは私と兄さんだけになってしまった。
「出会った記憶を消して、ちょっと人気の無い公園まで運んだよ」
…ほんと、母さんから産まれた子は軒並み強ぇんだよなぁ。
この私もきっと『この私』のまま産まれていたならその軒中に入っていたのだろうな。
さて、
「……あー
私、なにか不味かったですか?」
「號に特別な菌を取り付けていて、違反しなければそのまま取り去るつもりだったけど、言うよ」
「はい」
この兄さんは糸状菌を扱う。たしか陽をベースに風土水の順に多い比率で混ぜてたはず。
菌糸遁?とでもいうか、いやまあ、私の一族は自己開発術に名を付けないから、呼び名などどうでもいいか。
自分で開発した術は継承してはいけないという決まりがある。だから、必要ないと言えばない。
「ある程度以上目立ってはいけない。
約束」
「え、あ、はい、基準は…?」
「成績や記録に残ること、もしくは、例えば今みたいに、一族特有の術を目撃されること。
それから学校ではクラスの中で一番にならないこと。一番個性的、一番弱い、とかも。」
「なるほど」
ボルトとサラダ越さなけりゃいいってことか。
我がレジェンドは始まる前に終わりを告げたのだった……。
「……強くなりたいのは知ってる」
「…はい」
「この血の及ばない分野で強くなるなら特別。許すよ。理不尽に止めはしない」
なら体術か。大事大事。
お前も舞うかってのできるようにならないと…。
「ありがとうございます」
「うん。それから本体だけど、手続きがまだかかりそう。
退屈なら」
ボンと何かをその手に口寄せした。
兄の手には長方形が四枚。
「…四百両?」
「あげる。お店とかもまわってくると良いよ」
「あっ、ありがとうございます兄さん」
「じゃあ、逃げた方追いかけて記憶消してくるね」
「あぁ、はい、お手間かけさせてすみません」
「またね」
「はい、また」
兄さんに向けて敬語なのはあまり面識なかったからです。
むこうは兄弟の中で自分の下は私一人だけだからか、大事に思ってくれてるみたいだけども。
さて、とりあえず文無しで店なんてとてもはいれない属性の私が金を手にしたならば行くべきところはひとつ。
転転転だ。