□21 修学旅行編収束まで[10p]
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番組の途中ですがまた余談体験を失礼。
鉛分身の私が大混乱のとこ時間巻き戻りまして。
本体の私視点。面白いイベントがあったので。
霧が赤くなる前。
マギレ君に肩の傷を治して貰っている間。
「…!…上でそんなことが…」
「うん。ちゃんと影の記憶行ったみたいだね」
イワベエ君側の私がひとまずマギレ君の影分身をリリースしたようだ。
影分身の記憶を受け取ったらしいマギレ君のつぶやきに私は頷いた。
そのやり取りに疑問符を浮かべた長十郎だったが、
「おーい!」
それが質問となる前に、爆刀・飛沫を肩に担いだ私が、一朗太を二人がかりで抱える釣糸君とイワベエ君を伴って着地してきた。
「!、…。なるほど、助っ人という訳ですか」
仲間である私の分身と共に現れた、敵の一人と一戦交え下してきたという様子の彼ら。
ま、一目瞭然というやつだ。
「!!って、なななんで水影っ…様がここにィ!?」
「あっ言い忘れてた」
「…君は蜂谷下忍ですね、お話は伺っていますよ」
「ひぇ、えと、お…そのっオレあっあわわわ…」
釣糸君は予想だにしなかった長十郎の姿に驚きビビり散らしてた。
「そう慌てなさんなって。はい吸って吐いて吸って止めて吐く」
「すッスー!ハー!すーっ…!はー!」
疚しい事ばかりなのはわかるけども。
とにかく込み入った話は後だと、長十郎は声を上げた。
「…皆!とにかく脱出しましょう。この霧が次の段階に入ったら危険だ」
引率の指示に皆は従う。
燈夜の土遁により岩の枷を嵌められたチンピラたちを連れて、全員で移動することになった。
縫い針は私が持ち、鉛分身は飛沫、兜割りは燈夜、首切り包丁はマギレ君。
八朔と巨峰は自力で走らせて、長十郎は蛇苺、釣糸君とイワベエ君は引き続き一朗太を運んだ。
さなか。
「おいマギレ、いつの間にお前まで影分身使えるようになってたんだよ?」
「え?…ああ…ははは…」
イワベエ君がマギレ君を捕まえていたりする傍ら、
「聞いていいだろうか、水影殿」
「なんでしょう」
「次の段階とはどういう…?」
「この霧がその名の通り紅く染まった時。外傷のあるものは、傷口から常に血とチャクラを外部へと放出し続けてしまうのです」
「……。なら、この霧の術者側を止めに行くのと並行して、もう一人、救助に向かう必要がある」
「わかっています。私も、地下に落ちた彼女が心配です」
燈夜が長十郎とお話していた。
そうしている間にも、私達は濃霧から抜け、ある程度離れた場所まで到着していた。
足を止め、パパッとチンピラ達と忍刀をまとめ置く。
「さて…」
長十郎が目を向けた先は、私であった。実に光栄だ。
「私と回復役と霧に慣れてる方の助っ人と、状況次第で離脱してもいいとして水影様 の四人でサラダちゃんの救助へ。霧外でならば十全に強い残りの二人にはここで見張りを任せるというのは?」
間髪入れず提案を口にしてみれば、
「いい判断です」
と可決の意を頂いた。
「光栄です」
咄嗟についていけなかった様子でポカンとするイワベエ君と釣糸君に燈夜がかみ砕いて伝える。
同時に私は、ワンテンポ遅れて理解したらしい様子のマギレ君に、荒療の術の解除を指示した。
はいと頷いたマギレ君は、解印を組み、返還されてきた残チャクラを受けて膝をついた。
「うぇっ…ング…」
残チャクラが思ったより多かったようだ。
急に溢れるほどのチャクラを返還?逆流?補充?された反動で気分が悪くなるらしいね。
「弟者ァ!イクゾォーー!!」
「へぇ!?あっハイぃ!!」
口元押さえているとこ悪いが私は釣糸君を呼び、マギレ君を小脇に抱えた。
「ヴぇっ」
「おい大丈夫なのかマギレ」
燈夜が突っ込んできた。
「大丈夫大丈夫それよりこの場はひとまず預けたからな燈夜。それにイワベエ君も」
「お、おお…」
長十郎も「頼みましたよ」と二人に声を掛けてから、私達の方を向いた。
「では…行きましょう」
「はっはいっス!」
「すっすー(ウスっすの意」
「ウプッ…」
そして私は
「しっかり見張っててね!サラダちゃん達回収したらすぐ戻るから!」
という捨て台詞と共に。
マギレ君と釣糸君と長十郎を先導する形で濃霧の中へと走り戻った。
てかなんで私先頭なの?
「その…彼は大丈夫なのですか?」
「ああはいご覧の通り解術の反動で呼び戻されたチャクラに酔ってるだけなんで、むしろ全快ですよってあったこれか」
なんて雑談が深まるまでもなく、私達はすぐに大穴のそばまでたどり着いた。
あんだけ派手な音と悲鳴上げて崩れたんだから感知するまでもなく場所の目星はつくだろうよな。
「さて」
マギレ君を降ろす。
ぺちゃっと地面に両手をついて、まだ立ち上がれないか。
「行こうか釣糸君」
「へっ?」
私は長十郎を見上げた。
「水影様はマギレ君を見ててください。釣糸君を連れて下へ行き、戦闘中なら収め、上まで連れてきます」
「わかりました」
すんなり許可が出た。
「では行ってきます。 弟者」
「うっス!…て、エエエエー!?そんな無茶な…姉御ーーッ!」
気を取り直した釣糸君を尻目に私はトンと大穴に落ちた。
続く釣糸君は大慌てに、チャクラ吸着で大穴の壁を駆け降りた。
出だしは叫んでいたものの、気配を消しつつ、音も立てないで彼は私を追いかけた。スピードを犠牲に、有事フォローができるようにだろう。
うん。まあ、落ちるとかね。
下で何が起きてるのかわからない上にどれだけの高さがあるのかも不明なのに、何という暴挙よな。
すでに地下に居る監視係の私と共有済んでいなければ私もこんなアホはしないよ。
今回は私サラダちゃん大好き人間ゆえに実は冷静さを欠いていたってことで。
ボチャン、と、浅い水面に真鍮の塊が着水する。
陸へ上がってから人型に戻れば、すぐそこに倒れ伏すお二人さん。
……残念だが。
戦闘は私達が大穴に到着した瞬間に終わったんだよ。
サラダは小説通り麒麟の真似事をし、その余波によるダメージと、写輪眼乱用におけるチャクラ切れにより気絶していた。
文淡は言わずもがな。
「…サラダちゃん!」
とりあえず駆け寄ってゆすってみた。
どうせ起きないだろうが。
「く、うう…!」
…起きないと思っていたのだが。
そこまで深くオチてはいなかったのか、予想外にも彼女の瞼は押し上げられた。
「……號…?」
「………」
じゃあ。
どうすればいいの?
「ねえサラダ…」
「…え?」
釣糸君が到着する前にたった数発も憂さ晴らしできないなんてことある?
たのしみにしてたのに。
監視の私が手を下す前に到着しちゃってから、まあひっそり数発で妥協するかって自己納得はしてたけど、妥協は妥協であって中止ではないんですが。
「誰…?サラダをこんなにしたのは…」
「……號…」
なあ。サスケ。
「あいつか…」
私はサラダちゃんを置いて文淡に目を向ける。
楽しみにしてたんだ。
だからそれをする理由付けとして、多少パクるくらいいいだろ?
ほら、私、サラダちゃんが大好き(大嫌い)で…、いいかげん気持ちが溜まりに溜まりまくってんだから。
テクテクと、横たわる文淡の前に立つ。
雷の鎧と、貫通してきた麒麟もどきで、彼女も焼けている。
が、知った事か。
「!!」
背後のサラダが息を呑む。
だが私は無視してもう一発、強めに彼女を蹴り上げた。
「……グァっ!?」
壁に叩きつけられた衝撃で、彼女も目を覚ましたようだった。
息も絶え絶えで、感嘆符と疑問符を浮かべながら呼吸するのが精一杯のようだが。
何でもいい。
彼女の元に駆け、胸ぐらを掴み上げる。
「…は。なんだ?このお高い売女みてえな化粧は?ずいぶんと余裕なことだな。デート帰りか、お嬢様?」
サラダちゃんには聞こえない声量で吐き出す。
ボコッと彼女の顔面を殴り飛ばす。横に飛んだ。
「……あっ…姉御!?な、な、いったいどういう…」
なんか聞こえてきたが。
無視して距離を詰める。視界に入るは彼女の服装。
「みっじかいスカートに、」
「あぐっ!」
下腹部を踏みつける。
「たっかいヒール」
「ぐぁああっ!!」
彼女の脛を蹴り上げる。ボキッと音がした。
「…なんだこれ?戦争だなんだほざいておきながらチャラチャラ色気づきやがって」
「あぐぅううッ!?」
折れた足をグリグリ踏みにじる。
「呑気なもんだなぁ露出狂さんよ。それとも誘惑や油断を誘う為の小細工か?そうまでしないと負ける自信があるのか?実際アカデミー生以下だもんな、笑えるね」
「グ…ガハッ…うっ!…ブ…ッ!」
彼女をボッコボッコ蹴りながら『くだらないおはなし』を吐く。
合流した釣糸君とサラダちゃんが遠くからなんか言っているが…無視して暴行と呟きを続ける。
「うちはを憎いと言いながら、私の服装にピンと来てない時点であんたはゴミ確定さ」
「えうっ゛!」
いいだろ、これくらい。
私だって拷問訓練のときに何度も何度も、もっと痛くて惨めな思いしてんだから。
「可哀想な文淡ちゃん。恨むなら、無知のくせに浅はかにもうちはを目の敵にし、よりにもよってサラダをターゲッティングした自分の愚かさを恨むんだよ」
「う……うう…」
反応が薄くなってきたな。
と、思ったその時。
「やめて!!」
何かが私にぶつかった。
息も絶え絶えな温もりが、私を拘束するように巻き付いた。
まあ。声で分かるが、目も向けて確認してみる。
「おねがい…やめて…」
それは紛れもなく、瞳に涙を溜めたサラダだった。
……。
いや草。
「……、…スー…ッ…ハァーー…」
出たものは、音にしない舌打ちと、溜息。
「なあサラダ…」
「! なに…」
君までシチュ合わせてくること無かったんやで?
か弱い疲弊しきった身体を引きずってここまて来て。
グ…と、私を止めるように頑張って抱きしめているサラダちゃんよ。
そして遠巻きにハラハラしてる釣糸君よ。
「しんどそうだけど…動いて大丈夫なの?」
「…ッ…大丈夫だから!もう全然こんな、カスリ傷よ…!」
免じてあげるとしよう。
「嘘だね。…ごめん、もう大丈夫」
「……!」
「全快のマギレ君が上で待ってる。治療しに行こう」
サラダちゃん、といつも通りに笑って見せれば。
数秒後、私に巻き付いていたサラダちゃんの手がスルッと落ち、彼女はそのまま私の足元に崩れ落ちた。
「あ……違っ、こ、これはちょっと…安心して…」
そんな彼女を横に抱く。
そして様子を伺っていた釣糸君に顔を向ける。
「感情的で恥ずかしいトコ見せたね、幻滅していいよ」
「あっえ、イエ…そんな」
「戻ろうか」
「…ッス」
そうして釣糸君に文淡の方を頼み、ついでに釘でも刺すかと文淡に再び目を向けたところ…。
「ーー……、…」
彼女はいつの間にかまた気絶していた。
のでそのまま手渡した。
「いろいろしたけどまー全部マギレ君が治してくれるさ」
「あ、足…折れてるんスけど…」
「余裕余裕」
そして跳躍とチャクラ吸着による壁走りを駆使して、私達は無事に大穴の上へと戻ったのだった。
「早かったですね」
「あ、お待ちしてました…」
変わりない長十郎と、回復したらしいマギレ君が出迎えてくれた。
「すでに終わってました。怪我はしてますが…、っと」
と言っていたところ、空気が急に変わった。
「まずい!」
「うわぁっ!?」
長十郎が弾かれたようにマギレの腕を持って走り出した。
とっさにつられて、私と釣糸君もその後を追った。
背後からは、…赤の迫る気配、といったところか。
私はサラダちゃんを抱っこしたまま、長十郎の横へ追いついて、報告だけすることにした。
「急患も命に別状もないので、治療は霧を出たところでやりましょうか」
「お願いします」
まあ急患だろうと霧の外に出るんだけどね。
そんな話しているうちに霧も抜けた。
そして最後尾の釣糸君が続いて抜けるのと同時に、濃霧は真っ赤なそれへと変化した。
「ただいま!!」
「號!サラダ!!」
「滑り込みだったな。……こちらは異常なしだ」
イワベエ君と燈夜が迎えてくれた。
それからはひとまず。
長十郎から改めて紅霧結界について聞き、無効化された時のアクション…つまり合流の予兆を教えられたり。
霧の暗部らしき二人組が、先代に遣わされたとか言って合流してきたり(みんなビビってた)。
治療を開始したマギレ君から、なーんか文淡側の傷が新しすぎませんかね?みたいな無言の視線寄越されたり。
治療がある程度進んだ時点で、長十郎はこちらのひと段落を判断し、後は任せますと言って紅霧結界の中へ突入していったり。
その際に目の前で作ってみせた私の水分身を同行させたり。
なんで水遁まで使えてんの?って問い詰められたり。
すべての傷を完治させた後は、服の破れや焦げを私が修復したり。
完全にいつも通りな私の様子に、サラダちゃんが人知れず胸をなでおろしていたり。
暇を持て余した私は、先ほど長十郎と合流してからちょっと離れた場所にずっといる暗部の二人組にちょこちょこ近寄って話しかけにいったり(三回追い払われた(根負けされた(その装束はやめた方がいいって言われた(戦争経験者でした(頭は撫でられた)。
そんなことをして、この赤い霧が晴れるまでの残り時間を過ごしていました。