□21 修学旅行編収束まで[10p]
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「何度やったって同じだァ。お前はなんッッにもできねェ!
弱ぇくせにオレのもんに手出してんじゃねえよォ!」
私もマギレ君を私物化してる自覚はあるけど、もし寝取られてもそこまでカックイイムーブできるかわからんよ。
にしても、ンー…。
鮫肌、ずっとワサワサしてんのね。
見届け見届け。
「…勝ってやるよ。ゲームみてえに簡単に!お前に勝つ!」
……。
啖呵を切ったボルトは、ミツキとの連携や、風遁・烈風掌の重ね掛けというか二次点火(これがボルトストリームだそうです)などを駆使し、目覚ましい活躍と底力を見せた。
屍澄真のお腹にロケットパンチならぬロケット掌底な。
モロに入った屍澄真さん、さすがに凄い顔して吹っ飛んでいった。
「てめえらぁ……ブッ殺してやる!」
完全にプッツンした屍澄真の斬撃を今度はかぐらが受け止めた。
「もうやめてください!オレたちの負けです」
「かぐらァ…!てめェ道具のくせに逆らうんじゃねえよォ…!!」
「屍澄真さんには感謝しています…っ」
「はァ゙ッ?!!」
「でもボルトを見てください!オレを何度も友と呼んでくれた!ッあなたをここまで追い詰めた!!」
鍔迫り合いすると心理フェイズが始まる法則。
「こんな自分が…、弱い…オレが…!ッ変われると思わせてくれたっ!!あなただって…」
「…ッ黙れェ!」
今からでも正しく変われる。…そんなかぐらの意図を屍澄真は叩き割る。
「てめェ上からモノ言ってんじゃねぇよ…!!」
何とも言えない。
彼自身意地になっているというのもあるが。
もはや屍澄真の影を踏むものはひとつではなく、罪という名のおびただしい血の手形は、その腰まで登ってきているのだ。
彼の足跡は赤く塗れ、ぬかるんだ沼など以外を歩く権利を失った。
それを、…知らないくせに、無垢な手を伸ばして引き上げようとしやがって、と。
この沼地を歩いているオレが、今更お綺麗な花畑を歩けるとでも本気で思っているのか?と。
待っているのは孤立と排除、それ以外ありえない。
知らないくせに!オレがなぜここを歩いているのか!ああお前の影はさぞ軽い事だろうな、お前の足跡は綺麗なんだろうな、そちら様はさぞ快適な道なのだろうよ、なんて。
花道を夢見てその道を選択し、進んで来たのは自分なのだろうが。
棚上げして嘆く。そうせざるをえなかったのだと。
…理解可能な感情でもあるが。
そこに冷静さはなく、ただただみじめだ。
「勝ったつもりかぁ?…まだ終わってないんだよぉ!
オレはまだ――ッ、!?」
負傷、疲弊、動揺、思考力低下。
このままじゃ完全に負ける感じだ。
「どうなってんだ…これは…、鮫肌ァ何してる!?…おいィ!なァ!?」
ゆえに、滞りなく。
「鮫肌ァ…オレを、食ってんのか…?…ハハ…へ…ハハ…。なァ…オレ、どうなってる…っ?…なあァッ!?」
屍澄真さんは鮫肌に食われて、半魚人化し暴走状態となった。
その点 水牢鮫踊りの術ってすごいよな。
本来ならば暴走状態にあたる形態を意図的に身にまとうなんて…暴走の克服かよ主人公じゃん(飛躍)
「ハァァーッ……ゥウゥァア゙アァァーーッッ!」
…。
あー…。
みてよあれ。ステキな個人的に好みです付き合ってくださいって感じのサハギン?シャーカン?
はい。
本当に有難う御座います大好物ですヨダレがじゅるる黙祷合掌。
スゴコーンッとがむしゃらな攻撃がボルト達の居た場所に向かう。
直線的な攻撃故彼らは難なく避け、暴走屍澄真の鉤爪は大地へと叩き込まれた。
地面は割れ、地中の岩や砂埃が巻き上がった。
そのとき。
「時間稼ぎを」
「うっす」
あっ。長十郎きた。同時に私の水分身も。
ちょっと遅かったんちゃう?
やっぱ周りの進行が早まってる事態に現実が引っ張られて 無関与なこっちまで展開が早まっていたのだろうか。
パァンッ!と不意に手拍子のような音が響き、思考が戻される。
音の出所をたどれば…、私の水分身が、暴走屍澄真の前方へと躍り出ていたところで。
そして ヨダレがじゅるる黙祷合掌をしていた。
お前は私か。私だったわ。
「――鮫肌は扱いの難しい刀です。未熟な力で使うから…刀に飲み込まれたんだ」
そんな私に気付かず長十郎がボルト達に合流し、話すべきことを告げている。
あそこの私はその為の時間稼ぎ。
合掌がてら手を打ち鳴らした音と、紅霧に浮かぶ人影を、暴走屍澄真の瞳がぎろりと睨む。
緊張感なく合掌してっけど。
「グオオオッ」
秒後、理性なき狂暴が、鋭い鉤爪を携え高速特攻による猛撃を繰り出す。
「いくよ」
合掌を解き瞼を上げた私がそれを迎え撃つ。
黙祷しているように見えて、がっつり瞳術で舐めるように観察済みだ。
例えば、その変質した皮膚構造。
「楯鱗(じゅんりん)の肌。なんて素敵な神秘」
突進を寸でかわし、その体流に沿って、すべるように乗り越える。
だが彼も木偶ではない。大人しくすれ違ってはくれないらしい。
「おっと」
すれ違いきる前に素早く動いた剛腕が、私を捕らえるべく弧をえがく。
しかし私はその腕をこそ踏み台にして、より高く飛び上がる。
「ギシャアアッ」
暴走屍澄真は癇癪をおこした獣のように唸る。
「おお!」
空振り踏み台にされた剛腕を、素早く地に付け…強力たる四足をばねに、空中の私めがけて跳躍した。
暴走屍澄真の大口が目前に迫る。
「よいしょ」
その鼻先に、風遁で出力を増した踵落とし、ダメ押しに鉛を帯びた拳を脳天に叩き付けた。
必然、地面に叩きつけられる暴走屍澄真。
「ガッ…グアアアゥッ!!」
「おぅっとぅっとぅっとぅw」
すぐに起き上がり体勢を立て直そうとするので、その背中に着地し、肘から肩関節を捻り上げる。
拳に纏った鉛は消しつつね。
「グゥッ!?」
「私の手袋は丈夫にできてるんだ」
この程度の楯鱗、逆なでしようが掴もうが、破れはしない。
「しっかし見れば見るほどナイスマーマンやな屍澄真さん…かっこいい素晴らしい」
「ガアアーーッ!!!」
「ぬぉ!」
だが所詮『アカデミー生』の私の腕力だ。
理性も痛覚も薄まっているだろう暴走屍澄真は、力ずくで私の拘束を振りほどいた。
「うぇっと、アっブねえなオメー!秘花散らされてーかコラァ!!」
吹き飛ばされた私がなんか下品な悪態ついとる。
可愛がりたいのに存分に可愛がれなくてイラつくからってそんななる?
「オメーの菊を薔薇にしてやろうかァ!?オ゛ーん?!!」
お前サイテーか。
叫んだからあっちに聞こえちゃったし、意味がわかってしまった長十郎なんて顔ひきつらせちゃったぞ。
「ウァア゙アァァーーッッ!」
なんて感想が出るのは意味の通じる人だけだからまあいいとして。
「あームリムリムリえっちすぎます」
再び声量を抑えてパパパッと猛攻をいなしたり、たまにドゴゴッと受けてみたり。
メチャクチャ言いながら、充分に渡り合ってるように見えて、……暴走屍澄真に対して決定的となるようなダメージは全く与えられていない。
何度も言うが、ここに居るのは『アカデミー生』の私だからね。
「グッ…くは、……はあーまるで闘牛士にでもなったようだ。良いなぁ、是非ともその姿おをモノにしてほしいところだがねぇ屍澄真さん」
ま、不利になりつつも、笑顔でね。
言動と現場の状況が噛み合っていないっピ。
その間。
「――ヒラメカレイをボクに。その刀を解放すれば、鮫肌を止められる」
「…長十郎様、ここはオレに任せてください。
過去はもう変えられないけど…未来はオレたちが作っていくんです…!」
そろそろ終わるか…。私の水分身も、徐々に攻撃を多く受けるようにして劣勢へと移り始める。
「!、…。 いいでしょう」
うんうん。
聞いた通りシナリオ通り。
「これ以上は無理ですッ!!」
紅霧に声が響く。
暴走屍澄真の相手をしつつ瞳術を光らせ、彼らの様子を見計らっていた水分身の私のことだ。
かぐらの参戦を待たずに退場するタイミングを、ここに見出したようだ。
注意を引くように声を張り上げた私は、息を上げ、明らかな疲労を滲ませている。
その様子をわざとボルトらに目撃されてから、私は暴走屍澄真の懐に飛び込んで、そのまま――抱きしめた。
「負けるなよ」
どちらに対しての言葉でもある。
自分に負けるな屍澄真さん。屍澄真さんに負けるなボルト一行。
「!? グルア゛ァァアッ」
攻撃ではない私の行動に多少、不意をつかれたようで。
とっさに目を見開く暴走屍澄真だったが、そこまで。
三秒と持たずに狂った雄たけびを上げた彼の鉤爪が、私の背中を切り裂いた。
「號!!」
「!!」
「落ち着きなさい。見ての通り彼女は水分身…本体は安全なところに居ます」
水塊となって弾け消えた水分身の私に、彼らはそのような反応をくれた。
それはそれとして、
腹を決めたかぐらが、きちんとチャクラを纏ったヒラメカレイを振るい、きちっとした太刀筋でぶん回す。
対する暴走屍澄真、一歩も引かず。
二人はひとしきりやり合ったのち距離をとり、体勢を立て直すに至る。
一見互角。
だが、そうでもない。
「くッ……こんなにチャクラを消費するなんて…」
まだ余裕の屍澄真と違い、かぐらは切り合い1ラウンドでバテかけちゃう。
そんな彼の横に、影が一つ。
「、!」
ふらつきかけたかぐらの手に、ボルトの手が重なった。
「ひとりでやろうとすんじゃねぇ。…ダチを頼れよ。へへっ」
「…うん!」
よかったねぇ、かぐら君。
「行くぞッ!!」
「応ッ!!」
んで。
かぐらとボルトでヒラメカレイを仲良くパピコしてー……
て。
はァッ!?
ぼっボルト達見てる暇とちゃうやんけェ!?
いまこの、すごい勢いで海中から近づいてくる、知らないけど記憶にあるチャクラ…。
うわなんで気付かなかったんや。
このチャクラは。
っいや。
それよりボルトの方も気にしろ私!
切り離された鮫肌の様子が、聞いていたのと違――アッ、アッ!?
それ目がけてきてるのかもしや。
アーッ!うっそ!初めまして!!(大混乱)