□21 修学旅行編収束まで[10p]
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ん?
ああ、そうそうそう。言い忘れてたね。
私、ハオリさんのほかにマギレ君とも影口寄せ契約結んでんのよ。
ただ、マギレ君の場合はハオリさんと違って、普通の影分身。
勿論呼び出しには承認を必要とするが。
とはいえ、だ。
この契約を結ぶということは、裏を返せばチャクラを等分に分ける権利をその人に与えるってことでもあるので…怖い術なのです。
それはそれとして。
地下の様子はといえば…
「――私は、あなたが『殺す信念』を持った強い人だと最初思った。けれど違う。……あんたはただ諦めただけ。誰かを殺すことの意味を考えるのもやめて、ただ力を振るうことに走っただけ。
だから私は決めた。『決めない』と決めた。そして誰かを殺すことの意味をずっと考え続ける。考えることを諦めない。そう、私は決めたの!
――『知りたいのは楽な道のりじゃない。険しい道の歩き方だ』!」
「ほざくな、うちはぁぁぁっっ!
殺してやる、殺してやる! あの世で一族の罪を償うがいい、うちはぁぁぁっっ!!」
…てな感じで、サラダちゃんはまだ小説通りに戦闘中。
ならボルトの様子を見に行きましょうかね。
ボルトサイド観測係の私くん!私くーん!
はーい!
ってこのネタもうええわ。なんべんやるっちゅーねん。
えーと、こっちもサラダちゃん監視の私と同様、特に手出しはせず見ているだけー。
もし変な事あったらフォローにまわるつもりでね。
いやー。
チャクラ無しでのヒラメカレイの振り方が完全に鈍器で草なんだ。
ボルトの上着も犠牲になったり。
まあ特に滞りなく。
「お前がアイツに何を吹き込まれたか知らねえけどな、……火影の息子だのやぐらの孫だのそんなくだらねえことオレ達に関係ねえだろ!
オレ達はオレ達だ…!」
ボルト先生の心理フェイズを見守る。
「かぐらァ!!
…お前はやぐらの孫で人斬りだ。この傷がその証しよ」
そうこうしているうちに。
霧の元にミツキが到着…音と声を頼りにボルトたちの元に向かっている。
ああうん。
ミツキにくっつけてた鉛分身の共有から、しっかりと先代水影メイさんの元に寄り道してくれていることも確認済みだ。
なんでってもちろん水月から受け取った巻物を渡すために。
で、ミツキからそれ受け取ったメイさんはすぐに巻物へ バーッと目を通し、控えの暗部数名へ指示を下した。
命を受けた優秀な霧の暗部達はほんの数分足らずで該当要人を残らず引っ張り転がしてきた。
「――あなた方が、波の国と通じていた密約の証拠です。…いったい何をするつもりだったのかしら。他にも隠してること…あるんでしょ?」
んでメイさんの手によりアッという間に自首END。
まあメイさん怒らせたら怖いしな…誰も指先からゆっくり酸で溶かされたくはないだろう。
なお、巻物についてミツキは返却を求めた。
それに対しメイも渋ることはなく応じた。
流し読みで大体把握できたしハッタリは充分可能、詳しくは尋問で確認する…ってことで。
「――正しい未来っていうのは、密約と暗殺で成り立っているのかい?」
「ミツキ!!」
「やあ、ボルト」
「お前なんでここに…」
「ちょっと、そこの人に用があってね…。
ねぇ!…これ何だかわかる?水の国をコソコソ調べてる悪趣味な知り合いからもらったんだけど」
ともともかくかくミツキが乱入し、まだまだ見物。
「ク…クク…クククックアッアッアッアッ!ッハーふァハァハァハァッァッ!イヒッイハー…ッ…その程度で騒ぐな。全部戦争のための仕込みだ」
屍澄真さんの悪さ発覚してー。
「もしかしてオレのことも…利用するために…っ」
「あァ…お前は違う…。お前がここまでついてくるとは計算外だったよ」
「ッ!!」
かぐら君ガーンウエーンソンナー!して。
「嘘…だったのか…?」
「アぁ…?」
「全部ウソだったんですかッ…!っ屍澄真さん…ッ!」
「…そんな顔すんなよぉ。…お前のことはちゃーんと最後まで利用してやるさ」
「そんな…」
屍澄真さん恒例、今週の『近い』。
「ねぇ、なんでそんなに戦争がしたいの?ボクには理解できないんだけど」
「フフェハッ!ハハァハッ…おもしれえからに決まってるだろォ!!」
すーぐ人のお身体に触るそんな屍澄真さんは、仲間殺しを憂いていた鬼鮫などとは似ても似つかぬ俗物っぷりを発揮してまぁ。
「考えてもみろよ。昨日まで仲間ごっこしていた連中が、次の瞬間には殺し合いを始めるんだぜェ!?最高じゃねえか…!」
まあ、生まれついての人格者や異常者でもない限りは……郷土愛も思いやりも、基本的には環境で育つものであるからして。
生まれ持った血によって冷遇されれりゃ育つもんも育たねえよなぁ。
「血霧の里ってのはそういうところだ。絶対に変わらねぇ!」
たとえば。
屍澄真さんのその…良く笑うところ。
「ふざけるな!なにが戦争だ。てめえが暴れたいだけじゃねえか!だったら一人でやれ。他人を巻き込むな!」
「もう遅え!」
うん、笑う。なのに、ちょいちょい目だけが笑ってなかったり…ついでに、引きの混じった歪な笑い方をするところとか…さ。
低い自己肯定感、不安症、自己防衛。『可哀想な人』の片鱗よね。
かつ、含み笑いがちな所から、他人を見下す気持ちも同居している。
なんてねー。…こじつけすぎかしら?
「戦争は止められねぇ…!!」
それはそれとして。
屍澄真の長たらしいスピーチとともに、鮫肌の休眠解除と、紅霧結界のサポート忍術がようやく発動する。
ただの濃霧が赤く染まっていく。
出血が、チャクラを奪って蒸発していくようにする術だっけ?
まるで水が熱を奪って蒸発するように。
んで、漂うチャクラは、鮫肌が勝手に吸うと。
「見ろよ!赤く染まる血霧をよォッ!」
燈夜が喜びそうな術だなぁ。
…いや。濃度が薄いとか言うかも。
そんな彼ら…長十郎とかその他皆様は…多少触りかけはしたものの霧の外にセーフ済みのようですね。
シナリオ上ではまだ霧の中だったっけ…どうだっけ。
「これは修学旅行のケンカだ!オレが大ごとになんかさせねえってばさ!」
「ハ!」
とりあえずバトルバトル。
楽し気に、そして鮫肌をより刺激するためにブンブン振り回す屍澄真さん。
やがて鮫肌が起床。
トゲによる初見殺しの奇襲でミツキが怪我をしたね。
天下のミツキ様が一本取られるとは珍しいね。
「――そうさぁ…!鮫肌で削ったチャクラはオレのモンになるんだ。鮫肌とこの霧があれば、無敵ってわけさ…」
「この霧の中にいる限り…傷口からチャクラが吸い取られるのか…」
鮫肌は、落ち着かなげに、探し物をするように、ピクピクワサワサしてるね。
喜んでいる感じはない。
「へへっ…まだチャクラが足りないか?…まったく食いしん坊だなァ、オイ!!」
屍澄真が改めて鮫肌をぶん回す。
今度はしっかりとした太刀筋で。
うん…でももっと危機感持った方がいいんだよなぁ。
良質なチャクラヤッターとか明確な喜怒哀楽でもなければ、使い手の指示とかでもなしで、あーんなに微妙にピクピクゴソゴソ動き続けてるの…。
安定してよこせっていうか…、
一体化の前触れみたいな挙動だよねアレ。
戦闘という名のチャクラ供給ちょろっとやめたり、不利と判断されたなら『つかれたならぼくがしゅるー』つって屍澄真さん食うぞあれ。
鮫肌が落ち着くまで休むことなく戦わないと。
うん、ガンバ。
――とはいえ、だ。
地の利があるとはいえ、屍澄真さんはまだ、そこそこ動けるようで。
まさかミツキを地に下すとは。
リーダー格は伊達じゃないね。
「さぁ!次はお前の番だ!だが…かぐら、せっかくだァ。お前がとどめを刺すか?」
「ッ! …もう、やめてください…っ」
「ハァーァ…。せっかく受け継いだやぐらの血がもったいねぇ…」
屍澄真さんお目々閉じると可愛いな…。
「かぐらが望んだわけじゃねえ」
「望もうがそうじゃなかろうが、こいつはやぐらの呪縛から逃れられねえ運命だ。お前も同じくなァ!火影の息子」
あっ屍澄真さんこの世界で『運命』は打破フラグだぞ。
「やぐらの孫が慰霊碑の前で火影の息子を殺すゥ!それが革命の狼煙(のろし)だ…!
そうすりゃ隠れて様子見している奴らも出てくる。どォうだ、最高だろォ?!…かぐらはそのための道具だったんだ」
隠れて見てるやつら、ねぇ。
確かに、変な奴らと、暗部数名が遠ーくから覗いてる。
それこそボルトが死ねば内乱勃発でしょうな。
「かぐらは水影のおっちゃんに憧れて!シノビバウトが好きな、オレの友達だ!お前の道具じゃねえ!」
「あいつはオレんだよォッ!」
やだ屍澄真さんカッコイイ。