□20 修学旅行編新七人衆のザコ組撃破まで[10p] ※霧が干柿一族を管理したというのは推測捏造です
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さて。
「――水影!」
「んだと……!?」
「一人か。ナメられたもんだな。あんた一人でオレたちの相手をしてくれんのか?」
「ええ。ボルト君の言う通り、これは子供同士の小さな諍い(いさかい)…。たまたま居合わせたボクが、止めに入るだけです」
「バカにして!!」
「屍澄真!これは水影の首を獲る、またとない機会」
「そうだな。……やるか!!」
ごめん。
自分、大笑いいっすか?
「……ッ」
「なに震えてるんだ?」
ごめんな燈夜。
いま口開けたらあかんのや。
「紅霧結界!」
屍澄真が例の濃霧を発生させる。
「これって…蜂谷のと同じ…!」
「あんなオママゴトと一緒にしてもらっちゃあ困るな…」
うん。
とりあえず手筈通りな。
「妖刀縫い針は全てを繋ぎ留めまーす♡ヴッフハハハハッ」
蛇苺のワイヤー攻撃でまず長十郎が切り離され、
「爆刀飛沫は、大地すら分断する。一人ずつ…確実に餌食となってもらおう」
一朗太の起こした爆発によってサラダちゃんが地下洞窟へ落ちる。
私とマギレ君と燈夜は、その爆風に巻き込まれて遠方へと散り散り吹き飛ばされた――
――つもり。…ね。
傍らで、ふう、と息をつき、
ロングケープの中で組んでいた印を下ろす衣擦れの音。
「ご苦労様」
「はい」
マギレ君の幻術は、無事この場の全員に作用しているようだった。
つまり私達三人は、立ち位置も変えず立っているだけだ。
「水影まで引き込むとは…やるな。マギレ」
「ありがとうございます。ほら…ボク、本当は医療忍術より、こっちの方が得意だから…」
幻術タイプだしな。
手腕はハオリのお墨付き。
…あのハオリが合格を出してるってことは、その年齢における到達点に、その手の平で触れたということだ。
私以上の実力であることは確定ね。
などと考えている間にも、戦いは進んでいる。
「さてと、それじゃ行きますか。予定通りに」
「あ、はい」
「ああ」
子供の喧嘩なので…。
引率の手を煩わせずカタを付ける。
つまり長十郎に向かう三人の相手をするということだ。
再発防止のため、『無力の痛感』『弱者の気持ち』そして『傷付けられると痛い』んだってことを、わからせとくのもを忘れずにね。
な。
三対三でちょうどよかろ?
「二度と戦争を起こすなんて言えないようにしてやろう」
スタスタスタ、と。二人を引き連れて長十郎の傍らに立つ。
「んま、その前に言い分くらいは聞いてガス抜いてあげないとね」
まだ幻術は解かない。
マギレ君に『待て』の合図を上げて彼らの問答を聞く。
「ずいぶんとボクに恨みがあるようですね」
「当然よオ!あんたはこの里に何をしてくれた?他里の客に媚びるチャラついた観光地…ッヘドが出るぜ!」
長十郎の問いに、八朔が噛みつく。
「冷遇されている己と厚くもてなされている他里の客。その対比に僻んでるだけだろ」
「ですよね。物品以外のものを売っているだけで…媚びてはないと思うんだけど…」
「無謀に、傲慢に振る舞うことが誇り高いとでも思っているんだろう」
なんか後ろでツッコミ大会開かれとる。
「私達は忍ッ!……親から受け継いだ術は何のために使えばいい!?……忍刀も宝の持ち腐れというものですわ」
「忍を殺し屋か何かと勘違いしてないか」
「ええと…護衛、治安維持、お金(任務)、整地や建築とかの土木系に、利器の発展に…何事も応用すればいくらでもありますよね使い所…」
「忍刀にしてもかぐらには継承されようとしていたことだし、単に見合うほどの強さと技術のある使い手が出ていないだけだろ」
聞こえていないとはいえボッコボコで草。
「だが屍澄真は違うぜ。里と一緒に腐っていくだけだったオレたちに居場所をくれた」
「革命ッだァーっ!!」
ドゴーン!と巨峰が長十郎の目前を鈍刀で叩きつけ、砂埃が巻き起こる。
「フー…。ただの自惚れと甘えだな」
「腐るって…単に適応も前進もできなかった自分の心の弱さを、周りのせいにしてるだけじゃ…」
や、やめたげてよぉ…。
後ろの二人は土ぼこりを軽く手で遮りながらメッチャ雑談してる。
いや…うん、待機させられて暇なのはわかるけどォ…。
しっかし気付かれんもんやなぁ…。
「キャハハハ…ッ!肉が裂けるこの感触…っ♡ 糸から伝わってきますわぁ…!!」
前方で蛇苺が歓声を上げる。
ピンと張るワイヤーに拘束された長十郎の目前に叩きつけられた鈍刀。
衝撃派による振動で、ワイヤーが肉に食い込み、彼はその痛みにより呻く。
実際には、その長十郎は、紅霧結界の中で新しく出した私の水分身だし、
長十郎本人はその背後に無傷で立ってるだけだ。
幻術により、痛いと錯覚しているだけ。
「號さん。まだ様子を見るんですか?」
「うん。もう少ーし我慢してね、マギレ君」
…まあ、認識のすげ替え、というやつか。
それにしても。
「…確かに、君達の不満にも一理あります。その歪みを消しきれなかったのは…水影としてのボクの落ち度でしょうね」
「ヘッそうかよ。ならおとなしく死んで償ってもらおうか。あの慰霊碑の前でな!」
困ったな。全部見届けてから幻術解いて参戦する手はずだったのだが…。
釣糸君監視役からの情報共有内容がこれぇ…。
「知らねえとは言わせねえぜ。戦没者を祀るこの場所に…並んで眠ることを許されなかった連中がいることをな!」
「四代目やぐら様とその一党…。忌まわしき過去の亡霊として、彼らの存在はなかったものにされた」
「ううぅー…」
仕方ないか。
「マギレ君、準備」
「あ、はい」
「オレ達は!あんたたちが忘れようとしてきた連中の代表なんだよ!」
「そのような者たちの不満を束ねてクーデターを起こすことが屍澄真の狙いというわけですか」
「そうさ!」
マギレ君側へ張っていた手を降ろす。
「屍澄真はあんたとは違―――なッ!?」
私は彼の言葉を引き継ぐように口を開く。
「現水影と違い、屍澄真さんは影に隠れた皆に目を向けてくれた――」
幻術が解け、彼らは真実を視認する。
「うぁ!?」
「幻術ッ…いったいいつから?!」
「これは…」
長十郎も目を見張る。
「――屍澄真さんは君達の怒りを理解して、手を差し伸べてくれたと。うんうん」
驚きに言葉が切れてしまった彼らの言葉を引き継ぎ終わった私に視線が集まる。
「しっ…知ったような口を!」
「今あなたが言った事ですけど」
とりあえず噛みついてきた八朔の言葉に返しつつ、指パッチンと共に水分身を消した。
手袋だから音鳴らなかったわ恥ずかしっ!誰も気にしてないようだけども。
「水分身ッ…! くっ…!」
拘束していた獲物がバシャと弾け、蛇苺は悔し気にワイヤーを巻き取った。
「驚きました。まさかボクまで術中にはめるとは…」
「…どうぞ沢山見くびってください。術中の展開に疑問がなくなるぶん、かけやすくなりますから」
長十郎が私に向けてかけてきた言葉に、ちょっとスネたようにマギレ君が返した。
私も無言でマギレ君を手で差しておいた。
それで術者を察した長十郎は、驚いた眼でマギレ君を見た。
「…よそ見とは呑気なもんだな!」
「一本取られたことは事実。けれど、ずっと維持していればいいものを、途中で解いたということは、」
「幻術はもう限界ってことだ!」
「おぉー!」
「オレ達はピンピンしてるぜ!つまり、お前らもうオシマイよ!」
前方の三人は、わざわざペチャクチャとご丁寧に襲撃を知らせてから、それぞれの得物を掲げ襲い掛かってきた。
大刀、大槌、大針が迫り来る。
「…ようやくか」
コキ、と燈夜が肩を鳴らした。
ので、今度は彼の方に手を張った。
「は?」
とか言ってる彼を無視して私は長十郎に呼びかけた。
「水影様!」
「任せて」
既に刀を抜いていた長十郎は、相槌と共に素晴らしい剣技と体術でもってチンピラどもを全員はじき返した。
はじき返したというか、
まあ受け流すなり受け止めて油断される瞬間使ったり回り込んで遮るなりで隙を作って蹴り飛ばしたり 水遁で打ち込んで吹き飛ばしたってのが正しいか。
あっ私も棒立ちではなく素手の中で急造した鉛の手裏剣数個で援護くらいはしたよもちろん。
「おい」
分かったって燈夜。
そんな真顔で不満げにせんでええやろ。
「……!、號さん…今」
ああうんごめんねマギレ君。
今『向こう』で君を影口寄せした分のチャクラはちゃんと渡すから。
予定がわりと早まっててさ。