□19 修学旅行編ボルト気絶まで[10p] ※単独行動禁止というのは捏造です
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本体の私はトタタと釣糸君の元へ。
「あっ號さん!?」
呼び止めてくるデンキ君無視して、彼の元へ駆け寄るボルトとはすれ違った。
「デンキ!大丈夫か!?」
「うん!隙を見てと思ってたんだ。それに、號さんが居てくれたから…」
「あの號の分身がか。オレも負けてらんねえな!」
「え、あの號さん、分身だったの!?」
そんなやり取りを背に、私は仰向けでピクピクしてる釣糸君の正面で片膝をついた。
「號っ?」
それにイワベエ君が疑問符を浮かべたが、
「無茶苦茶やったねーイワベエ君」
「うお!?…まあな。分身だろーと、最低限ケジメって奴は付けとかないとな」
すぐに鉛分身の方の私が気を逸らしに行った。
その間、本体の私はずり下がっていた釣糸君のズボンを上げた。
いや、流石にこのまま返すの無様すぎて共感性羞恥がさ……。
「うっ…?」
急に股間触られたことでか釣糸君はほんの少し意識を取り戻して薄目を開けたが、抵抗はないようだし気にしないことにした。
適当にパッパッパッと印を組むふりをしてから、この広くゆとりのある袖元をかけ置くようにして手元と箇所を隠し、トワニの技術でヒュパッと一瞬で縫い合わせた。
まあ、伊達に服飾生成が生業の一族してねえっすわ。
「な…、…!」
何でって聞いてきたけど答えるの面倒なので、まあ顔面ボコボコだけどちゃんと笑顔とわかる笑顔だけ向けてやれば、涙目で息を呑まれた。
お?バケモン顔で悪かったなお前がやったんやぞ。とか思った刹那、
「め…女神様…っ!」
は?
「は?」
私にしか聞こえないくらいの僅かな掠れ声でそれだけ言い残して、釣糸君は再び意識を失った。
いや頭イカれたかこいつ。
ブス専か?
「ひぃいっ!」
「蜂谷ぁ…!」
とりあえず向こうの方でミツキが「君たち本当に下忍なの?」って脅かすから、まだ動ける下忍が逃げるようにやってくる気配がしたんで腰上げてタタッと離れましたけども。
「クソッ…覚えてやがれ!」
「ずらかれぇ…!」
「うう…痛ぇ…」
そんでそのうちの一人が意識の無い釣糸君に肩を回すように運びつつ、テンプレチンピラモンドセレクション賞授賞ものの捨て台詞吐くし。
「お前達こそ、一昨日来やがれ!」
ボルトはボルトで模範返答返すし。
とにかく下忍一同はそれぞれ身体を引きずるようにして去っていったのだった。
「ふう」
なら私も分身を解いた。
ボフと消えたのはもちろん、顔が綺麗な鉛分身の方。
「は!?」
「なんでこっちの號が消えんだよ!?」
「え、本体ってそっちのはずじゃ…!」
いやーいい反応するぅ。
「いや、途中で消えて逆上させる恐れのある分身をデンキ君トコに置くわけないでしょ」
「いやいやいやお前っ話が全然違うじゃねーか!じゃあその顔面マジで…」
ってところで。
「誰かいるのか!?」
タイミングよく見張りのおっちゃんらしき大人の声が聞こえてきた。
「ゲッ!?とにかく話はあとだっ!」
ということでとりあえず四の五の言わずに、私達は口を閉じてこの場所から走り出したのだった。
ホテル目指して。
で。
ある程度離れたところで。
「マーギレ君ー。なーおして」
「はぁ…お顔、触りますね」
いったん止まってボコボコの顔面を治してもらった。
「はい。もういいですよ」
「Foo↑気持ちぃ~」
そして再びホテルに向かう。
その道中もちろん声はかかる。
「それにしても、號のメガネってダテだったんだ」
「そうだよ」
「スペアあるの」
「あるよ荷物に」
という、いのじん君の問いかけから始まり。
「なあ號、お前以前も似たような無茶しやがったよな…、」
「ごめろん」
「いくら本番に強いからって…。サラダじゃねーけど、危なっかしい真似すんなってばさ」
ボルトからは鵺の時のこと蒸し返すようなボヤキもらったりとか。
「本番に強いと言えば…あの時の號さん、本当にすごかったよね…」
「そう?」
「うん。なんていうか、スピードやパワーが上がったって感じではないんだけど、無駄がなくなったというか…授業の時と全然動きが違ったよ」
などとデンキ君に褒められたり。
「つか、イワベエと號って付き合ってたのか?」
「は!?な、何言ってやがるシカダイ!」
「いやお前、あんな堂々と惚れた発言しといて突っ込まれないと思ってたのか?」
「確かに…!どうなんだよ、イワベエ」
「おま…ボルトまで……」
めんどくさいことになったりな。
答えをせがむ彼等から逃げるように、動揺で顔を赤くしたイワベエ君から窺うような視線を受けた。
いや相変わらず反応が可愛いなお前…。
「付き合ってはないです。友達友達」
私が答えれば、反応は三種三様。
イワベエ君はほんの物悲しそうな笑みを浮かべていた。
「それって、友達から始めましょうってやつ?え、つまり、すでに告ってたの?いつの間に?」
「……」
興味津々に聞いてくるいのじんとかな。
「付き合ってないってことは、號はイワベエのこと、フッたんだよね?全然気付かなかった」
「そんな目に見えて態度変わったりしないでしょ。てかそういうのに突っ込むな首を」
「だって気になるし」
「女子か」
「そんなこと言う君は全然女子らしくないよね」
「どうもでーす」
適当にあしらっておいた。
周りの奴らも興味津々に聞き耳立ててんじゃないよ。
「そもそも私はサラダちゃんが好きなので」
「えー…じゃあ何?號ってマジにソッチだったってこと?」
「わははー」
「……里外に惚れた男いるだろ。大人の…」
「え?」
「そうなのか!?」
「ばらさないでー」
なんて話しているすみで、かぐら君は一人浮かない表情のままだったけど。
そしてそれを気にしてる燈夜とか。