□19 修学旅行編ボルト気絶まで[10p] ※単独行動禁止というのは捏造です
ドリーム設定
□登場人物名(25文字)□このブックはドリーム機能を使用しています。
名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ハイ加勢中の鉛分身です!
「ダイナミック・エントリー!!」
「ピァァアーー!?」
「! 號か!?」
頭に血がガン昇りして注意力の鈍ったイワベエ君の背後に奇襲を仕掛けた下忍にカンフーキックかましたところです!
その下忍は蹴り飛ばされながら水となって弾けました!
はい!
「そういう君は我が友 結乃イワベエ君!」
ドン、とこちらから背中を合わせつつ私はなんか色々と混ざった脊椎返答をした。
「怒ってくれんのは嬉しいけど、落ち着いてくれなきゃ困るぜ」
「そんな簡単に割り切れたら苦労しねえ、よ!」
ドゴッと前方の下忍の顔面に鉄棒が沈んだ。
「惚れた女の顔面ボコされて平気でいられるかってんだ!」
「ワーオ情熱的、と」
ちなみにこれ周りに聞こえてるらしく、
「ん?!」
「今なんて…!?」
「えええ!?」
イワベエ君の唐突な告白に味方一同びっくらこいてる反応が聞こえてきた。
「うおっ!?悪ィ燈夜!」
「隙を作るな」
それでできちゃったボルトの隙を燈夜がカバーしてんのも聞こえた。
私はといえばイワベエ君に返答しつつ……、目前に迫ってた両手短刀使いらしい下忍の背中へ回り込む。そんで両肩コキャンと外してやってから蹴り飛ばしたりしていた。
…今のやつスピードも肉付きもセンスもアカデミーでちょっと話したあの子以下やんけ鍛錬サボって鈍ってんと違うか。
「ふぅ」
とか思いながらイワベエ君の背中にドンと戻った。
……接触の度にドキッとすんなってイワベエ君。
とか言わず、息つくふりをしてから、さっき下忍のポーチから奪った千本を投げた。
「…でも今回は私が自分から煽って殴られたわけだし、平気だっつってんだから早く切り替えなね」
千本はいのじん君の横へ迫っていた下忍の額充てに当たり、キーンという音を響かせその場所を知らせた。
「!」
ついでに横から殴りかかってきた下忍の腕をクルンと回して喉仏に手刀。
怯んだとこ地面にこめかみ叩きつけて顎関節症つまり口を開けると痛む状態にしてからブンと投げ捨てた。
「……號、お前…なんか、つっ…強くないか…?アカデミーの授業ではそんな動き…」
「イワベエ君には負けるよ。ホイ前」
「! ッラ!」
「お見事」
無傷の顔した元気な私とお話してだいぶ落ち着いてきたかな。
下忍達は確実に数を減らしていく。
燈夜は水分身の術者を探す意味合いもかねて走り回りながら、スポポポーンと体術のみでお掃除中。
ほぼ見えてない様子だけど全員ザコだし、むしろ手加減大変そうだなー。私と組手もどきした時と違ってつまんなそう。
マギレ君は……めっちゃ能動的な燈夜とは対照的に、受動的。
視界不良の中で無暗に動かず体力温存し迎撃に徹している。
その場から一歩も動くことなく奇襲全て確実にさばいてキッチリ意識奪ってるのは地味にすごい。
そうこうしている間に、潜んでいた水分身の術者も燈夜に轢かれた。
結果、未だ残る下忍の過半数が水塊となって弾け、敵の数は激減し、戦闘音もほとんど止んだ。
「相っ変わらずその刀は飾りかァ?」
かぐら君と釣糸君が接触したようだ。
この静寂が劣勢によるものだと、おそらく気付いていない様子で。
「てめえみてえな腰抜けが忍刀七人衆になれんのかYO!血霧の里の恥だぜ!」
「かぐら!」
ボルトもその声に気付き、向かおうとする気配がしたが。
かぐらは「来るな!」と一蹴した。
「なんだよ?そいつも一緒に切っちまえばいいのに。あン時みてぇにヨぉ~?」
「うるさい…!」
精神攻撃は基本。
しっかし、ひと段落ついたとはいえ、よくもまあ乱闘中にベラベラ喋る。
「いいこと教えてやるYO。こいつは刀を持つと人が変わっちまうんだァ」
「……」
そのワードに燈夜が反応した。
その心は。
――人が変わる。一緒に切った?刀を持つと変わる。刀を使いたがらない素振り。不本意の暴走。共通点。無断で暴露される。自己投影。愚弄される屈辱。軽視。軽口。侮辱。怒り…――。
あ。もしやマズいな。
「アカデミー時代に、同期が血の海に沈められてんだぜぇ?」
「デタラメ言ってんじゃねえ!」
会話には参加するボルト。
濃霧のせいで、燈夜の様子に誰も気づくことはなく、話が進む。
「またあとで」
「あっおい!?」
動く以外の選択肢もなく、私はイワベエ君から離れた。
「嘘じゃねえよ~。なにしろこいつは、四代目水影…やぐらの孫なんだからな!」
関係無くない?
ってのは、真相すら知らない彼らに言っても仕方がない。
たぶんナルトもやぐらのことは話したのだろうが、およそ信じない、信じたくないと…やぐらを恨まずにはいられない人間が多すぎたのだろう。
それこそ里の内外を問わず。広まらず消えたか、もしくはこれ以上過去を背負った人間を刺激しないよう、非公式とせざるを得ないほどに。
あと単純に、水影が長年操られてたのに気付けませんでしたーじゃ霧隠れの面子というか水の国からの信用も丸潰れだろうし。
そしてうちはを抱える木ノ葉に要らんイチャモンや不信感が生まれて同盟どころじゃ無くなっちまうよ。
よって橘は、一族郎党慰霊碑に名を刻む権利を奪われ、改姓を強いられるなどといった濡れ衣の迫害を受けて生きる羽目になった…犠牲の一族よ。
そう、彼らは犠牲になったのだ……マダラ(オビト)が始めた、長きに渡る計画…その犠牲にな。
とかいう私のおふざけはさておき。
「――それが今ではこのザマだぁ~♪」
血霧の代名詞であるやぐらの孫、というワードへの驚愕と不信感。
そんな周囲に走る衝撃と反した意味で、燈夜が眉を顰めている。
隣に立った私に気付きもしないで手加減の忘れた蹴りをお見舞いしてくるほどに。
やめてほしいんでいったん離れた。
「人を斬るのが怖くて刀が振れなくなっちまったんだとよ。情けねえ~…!」
パギギ…と、こもった異音が耳をついた。
瞳術でその元を見たら、燈夜の拳の皮膚の下が、強化骨格で覆われていた。
…おいおいおおい、それだめなやつ。
「てめぇ!やぐらの孫ならそれらしく振る舞えってんだ!」
「オレは…やぐらとは違う」
「あぁそうだな。てめえはやぐらとは違う…ただのボンクラ、だ!」
ようやくスピーチを終えた釣糸が、仕掛けた。
ワイヤーがかぐら君を襲う。
「かぐら!」
ボルトが声を上げる。瞬間、ここまで生き残ってたそこそこの下忍に捕まったが。
同時に。
「…」
思わずと振り上げられた拳。
踏み出し、それが振り下ろされる前に再び駆け付けた私は燈夜の手首をパシッと強く掴み止めた。
「落ち着け燈夜。ソレはだめだ」
「…邪魔するな」
だが、籠る力も皮膚の下もそのまま、ジロリと目を向けられた。
感情の見えないゾッとするような殺気やめろ。
「睨むなよ」
私は彼の耳を無理矢理引っ張って、言いつけるようにもう一声囁いた。
落ち着け、と。
たかがドラ猫一匹の煽動に惑わされるな、と。
「気持ちはわかるが、変に自己を重ねて冷静さを欠くな、みっともない」
「……」
「自己投影は初めてか?力抜けよ」
その超硬質・重量化された強化骨格を仕込んだ拳で殴ったら、それこそグロ展開だ。喧嘩じゃ済まなくなる。
「彼はお前じゃない」
「…!」
ゆっくりと言い聞かせる。
「あっちは橘のかぐらで、お前はかぐやの燈夜だ」
「……橘?」
「疑問を持てたのならもう正気ってことでいいな、燈夜」
「……。……ああ、すまない」
流石に忍耐の子。正気に戻るのが早い。
私は引き寄せていた彼の耳を突き放すように解放し、寄せていた口が離れたことで、ひそめていた声量を元に戻した。
「初めてのことに動揺した?」
「頭にきていた」
「見ればわかるってばよ」
「何だその語尾」
メキキ、と。
燈夜の拳の中身が元の形に戻っていく。
きちんと普通の拳に戻りきったことを確認して、私は彼の腕を放した。
なお、私が燈夜を宥める一方で、実はこちらにも私達の声を聞きつけたそこそこの下忍がやってきていたのだが。
まあ背後に新しく生成した鉛分身の私がすぐ首根っこひっつかんでマギレ君の方に投げ、そして速やかにマギレ君に受け止められ、流れ作業と化した首トンでお休みになられたよ。その鉛分身もちゃんと消しました。
向こうは向こうで。
「かぐらァ!!」
「!」
ボルトの呼びかけにはっと気合を入れたかぐら君が一閃。
釣糸君の皮膚ではなく、ライズ(ズボンの股上)を両断した。
釣糸君のパンツは緑でした。
「あっ!?…ちょっ、ちょっ、ちょ…ってか…。!…グッはァアアー!」
「ギャーギャーうるせえんだよ」
ほんでズボン押さえながら動揺と羞恥で慌てた釣糸君の背後を取ったイワベエ君がガンパン一発。
それで解放…あれ、しないの?
引き寄せるように胸ぐらがっつりいかれてもう一発、もう二発と、ボッコボコやんけ…。
私と同じぐらい顔面めちゃくちゃにされたのち、ラスト渾身の一発で空中へ。
まー表彰ものの三下加減で無様に殴り飛ばされた釣糸君なのだった。
はい。
水分身消えてたから暇してた本体の私が、デンキ君の傍でバッチェ見てましたよー。
「霧が…」
術者が維持できない状態になったため、濃霧も晴れた。
ドラねこちゃん顔グチャグチャの緑パンツ丸見えでみじめかわいい。