□18 修学旅行編デンキ誘拐まで[10p]
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翌朝。
船は昨日の深夜の内に国境を越え、水の国を進んでいた。
日が登ってすぐ霧も晴れて、目的地が見えた。
木ノ葉以上に近代化が進んでいる、霧隠れの里が甲板からはっきりと見えた。
荷物朝食の時間を済ませたところで、船は錨を降ろした。
そうして、興奮冷めやらぬクラスメート達とともに、港へと降り立ったのだった。
全員揃うまで待っている間、
「なんで昨日プレイルーム来てくれなかったんすか號さん!」
「なんで行く必要なんかあるんですか」
「そりゃあ上達したか聞きたかったからっすけど?!」
「もちろんすごかったよ。まあやどりさんの情熱からして上達してなきゃおかしいけども」
「えへへー」
「ところで出来ること増えたのはいいけど、ベタ打ちはまだ出来ないの?」
「ハうッ…!?痛いトコつく…形にはなってるけどまだ不安定なんすよねー…知らん人の前だと緊張でミスりそうで」
「さよか。まあ技術は申し分ないし、高度な演目伝承してもらえればもっと輝くと思うんだよなぁ。以前も言ったけど太鼓で食っていきたいならどっか良質な劇団?団体?でも探して入ったら?」
「そうしたいのはやまやまなんすけどねー…」
「なんか問題あったっけ?」
「心配じゃないっすかー。おとうさんとママ上……ガガク養父(とう)さんとブンラク養母(かあ)さんもこれから老いていくわけだし」
「いや養親(おや)離れせえや。ガガクさん難病してたから心配なのはわかるけど」
なんかやどりさんが絡んできたりした。
「あっそういえば!アンコールのやつどうでした!?弦との併せ!あれ実は切り取り版で、フルだと15分くらいある曲なんすよ!」
「三味線でやれば?とは思った」
「あ、わかります?本来は三味線の曲なんすよアレ。けどジョウルリは琴しか弾かなくって。手広くより手狭く深く、選択肢は少なく行きたいからって分野増やしたくないってんで」
「へー」
「でも養母さんはどうしても三味線伝授したかったらしくて、色々奮闘したらしいっす。もちろん、ジョウルリはそれが本当に嫌だったらしく…」
「ほー」
「ほぼ三味線な音を琴で出せるようにして、三味線の曲も琴で弾けるようになるって力技で養母さん黙らせたんすよ」
「いやその展開はおかしい」
「自分もそう思ったっす」
なんて立ち話の間。
アサリさんとジョウルリさんも各自、昨晩仲良くなったらしいクラスメートと話してた。
…あの二人あの性格で子供と仲良くなれたんか…(失礼)。
ジョウルリさんはハコちゃんと傀儡使かつ口数少なくクリティカルな言葉を吐く者同士、話がかみ合うらしいし。
アサリさんはライン君とあひるちゃんという謎面子と何故か料理の話してた。船で出された料理の調味料の話とかなんなんや。
そうこうしているうちにクラスメートが全員船から降り、点呼を取り終える。
案内人の到着まで待機となった間にも、何故かしれっと三人とも横にいるし。
「何で散らないんスか」
「ん?いや、案内人って他国の旅行生を預かる程度の人じゃないっすか。路上演奏出来るのかとか公演できそうなとこあったら聞きたいなーと」
「小賢しいですね」
「ふははは」
「ふははじゃないが」
で。
「ようこそ霧隠れの里へ。今日から皆さんを案内する枸橘かぐらです」
ようやく本編に戻れた。
「よろしく。かぐら殿」
「こちらこそ、皆さんを案内できること、光栄に思います」
「…水影の側近、枸橘かぐら。あの子、あんたたちとあんまり歳変わらないのよ」
「ええーっ」
「うちの男子と全然違う~…!」
やぐらそっくりなかぐらの顔面にキャピる女子たちとか見ると、いやー…やぐらも相当イケメンな部類だったんやなぁって。
「七代目火影、あの伝説のうずまきナルト様のご子息とそのご学友を迎え入れられること、嬉しく思います」
「や、やめてくれよ!…親父のことなんか関係ねえってばさ。オレはうずまきボルト。ボルトって呼び捨てにしてくれよな」
「…わかった。じゃあ自分のこともかぐらと」
「ああ。よろしくな、かぐら」
そしてボルトのコミュ力ほんとおかしい。
もう仲良くなってる…。
そしてなんやかんや案内され、里の大通りの中心にある広場で、自由解散となった。
大通りから外れない事、必ず二人以上で行動する事、問題ごとは起こさない事…とシノ先生が言い終わるのを待たず、クラスメートはわーっとそれぞれ仲良しグループを組んで散っていった。
まあ注意事項は移動中や点呼の際にも聞いたことだし皆聞き飽きてるのはわかるけどさ。
「――なぜなら…って、お、お前達!……全く…」
もうシノ先生の傍に私とマギレ君と燈夜しかいねえ。
「落ち着きがあるのは三人だけとは…仕方ない…お前達も行っていいぞ」
「はーい」
ってことで許可が出たところでシノ先生はサラダちゃんたちのグループに呼ばれて行った。
噴水の前で記念写真撮らせとる。
なお先生は写れません。
「一枚くらい先生とも写真撮ったれや…」
「あ、あはは…」
「撮りに行くか?」
そんな風に燈夜がシノ先生を指差したところで、やどりさん達が近づいてきた。
やぐらから色々聞き出せたようだ。
「いやー、皆行動が早いっすねー。もう散り散りっすか」
「っすね。どうしました?」
「自分たちもそろそろ行こうと思ってたんすけど、残った子達…初めてのお客さん達と一緒に写真でも撮ろうかなーって。記念に」
「私達とシノ先生ならおるで」
「つまり全部で7人か。オッケーオッケーみんなで撮ろう」
「…は?あの先生とも撮るんでしょって?」
シノと、という言葉にアサリが反応した。
「私あの人苦手でしょっていう…女みたいな名前しやがってっていう…」
「すみませーん!油女さーん、ちょっといいっすかー!?」
「無視するとかやどりんひどいでしょっていう…」
「……(ニコニコ」
なんてやり取りの末。
「お、オレも一緒に写っていいのか…?」
「何言ってるんすか!油女さんこそ、自分の太鼓に一番に興味示してくれた大事なお客さんじゃないっすか!」
「……そ、それは…」
とかなんとかしつつ。
カメラはジョウルリが担当して、噴水前で一枚撮った。
私とマギレ君と燈夜とシノ先生、そして三人娘で。
もちろんジョウルリも写ったよ。
いい位置見つけたらあとはチャクラ糸でカメラを空中固定からの、配置に戻ってから落ち着いてシャッターオンできるし。
「それじゃあ自分らはこれで。油女さんも、昨晩から色々とありがとうございましたっす」
「こちらこそ感謝する。昨晩の素晴らしい演奏に、生徒達の見分も広がった事だろう。
なぜなら、太鼓や琴を初めて聞く生徒もいたからだ。それに、穏やかなイメージのある琴でも使い手によりあのように雄々しい演奏が可能なことなど、世間のイメージだけで判断せず、実際にやってみてから判断すべきという教訓にもなったことだろう。その機会を与えてくれた事、本当に感謝する」
「それならよかったっす。それじゃ…機会があれば、またいずれ」
「ああ、是非とも」
「號さん達もバイバーイ」
「はいどうもー」
やどりさんは手を振りながら、アサリさんとジョウルリさんはペコと無言の会釈の後、三人娘は人混みの中へと去って行ったのであった。