□18 修学旅行編デンキ誘拐まで[10p]
ドリーム設定
□登場人物名(25文字)□このブックはドリーム機能を使用しています。
名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
室内への道は覚えているので、瞳術や探知を使うまでもなく私は船内へと戻った。
食事の時間までにプレイルーム集合してから、時間指定で貸し切りにしている食堂へ皆で行くって予定だったからね。
こちらは常に貸し切りにしたという、オーシャンビューのプレイルームまで向かう。
到着したところで、チラッと瞳術を使って背後を見たら、いつの間にか奇壊蟲はいなくなっていた。
プレイルームに入れば、既にみんな居た。
「――つまりこれぞ青春です!」
「ダッサ」
「な、なんですって!?」
「時代錯誤甚だしいノリがダサすぎ。青春という言葉の意味辞書で引いたことある?勝手に定義してて恥ずかしくないのでしょって――」
「アッサリーーン!!ドーン!」
「――ウザ。やどりんっていつもそうだよね、急に首突っ込んで何様でしょっていう」
「メタルくんだっけ!?ごめんね!アサリはちょっと照屋さんなんだ!聞き流してくれていいっすからね!」
「い、いいえ!聞き捨てなりません!謝ってください!」
「は?他人の言葉が気に食わないからってすぐ悪と決めつけて謝罪を求めるとかいう害悪になんで謝らなきゃ、ウグッ…!」
「!?」
「あっ」
「……(ニコニコ」
「ちょっ…ルリりん…締まっ締まってるでしょっていう…うぐぐ」
「空気と居心地悪くするヤツは嫌いじゃんね(ニコニコ」
「ヒィッ…ご、ごめんなさい許してルリりん」
「謝る相手が違うじゃんね(ニコニコ」
「ぶはあっ、ゲホッゴホッ…オェッ……あー…ごめんなさい、メタリオン…悪気はなかったんでしょっていう…」
「……メタルです」
あと何故か3人娘もいた。
メタングが絡まれとる。
というかジョウルリさんキェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!お前も口癖持ちだったんかーい!!
って入り口で見てたら、私に気付いたサラダちゃんとスミレちゃんがやってきた。
「やっと来た。どこ行ってたのよ號」
「心配してたんだよ?」
「どこって甲板だけど」
「甲板って…この霧の中ずっとデッキに居たって事!?」
「うん。濃霧もいいよね。これはこれで趣きあって」
考え事も捗るし。
「で、でも…視界も悪いし危ないよ。湿気で滑って転んだり、海に落ちちゃう可能性だって…」
「えー」
「委員長の言う通りよ。霧の出ている間は外に出ちゃ、ダメ!わかった?」
「サラダちゃんがそう言うなら…」
「全く…號はホント危なっかしいんだから」
「そ、そういえば聞いたよ。あそこにいる人達、號ちゃんの知り合いなんだってね?」
「ああうん。なんでここに居てるのかいまいちわかんねーだけども」
「なんでって…あんたのツテで食事の後に演奏会をして貰えることになったんでしょ?」
「あ、もう広まってんの」
「うん、アンコ先生が言ってたよ」
とかなんとか。
そんな話をしつつ、すぐに夕食の時間になった。
やどりさん達は既に食事を済ませていたらしく公演準備で離脱し、私達は食堂へぞろぞろ移動した。
その移動中、
「よっ。機嫌悪そうだねイワベエ君」
「……分かってんなら放っとけよ」
「ふふ」
出発から今までずっと機嫌悪そうにぼっちしてたイワベエ君に絡んだりした。
とりあえず無言で近くに居たれってことで横に並んで歩いたりした。
「……んだよ」
「いや別に」
食堂は自由席だったので、わざと皆と距離置いて座ったイワベエ君の隣にわざと座って飯食ったりした。
特に会話らしい会話はしなかったけども。というかぶっちゃけ会話しなくて楽でしたね。
で。
食後の公演会。
設置されている和太鼓や鳴り物は全てやどりさんの私物のようだ。
いや、彼女は常に和太鼓が封じられた巻物を肌身離さず持っているので…。
その中でも特に目を引くのは、あの、大人の身の丈ほどもある巨大な大太鼓だろうな。
ざわざわしとるよ。
ほんで暫く待機したところで、客席の照明が落とされた。
まず舞台袖から現れたのは和太鼓法被風な黒子衣装の叩き手が数人と、宙に広がり舞う光の粒。
それらが配置について、最後に現れたのは…、
和太鼓法被に着替え、
可動に邪魔な胸をサラシでがっつり潰し、
筋骨隆々な腕の筋肉を惜しげも無く晒しながらも、その顔面は『鬼』を模した面で覆っている…、
一見男にも見える体格をした…やどりさんだ。
「さっきの姉ちゃん達ってどれだ…?」
「あの黒い人達の中のどれかでしょうか…」
というより『変化を解いた』やどりさんだ。
普段は変化して細腕に見せてるだけで、本当は肩腕ムッキムキやぞ。
それから黒子達は、やどりさんの水分身が変化したものだな。
光の粒は舞台装置ではなく、アサリさんの蟲だ。
光の強弱やフラッシュみたいにして舞台を盛り上げるのはもちろん、演奏中の護衛も兼ねている。
なんか投げて妨害しようとしても無駄だ。
舞台袖にはジョウルリさんがチャクラ糸を出してスタンバっている。
笛とか鳴り物とか投げ渡し合うためだ。
これから使う笛が舞台袖から飛んできたのを当然のようにキャッチして使ったり、使い終わった大鼓を舞台袖にポーイと投げ捨てる姿は男らしくダイナミックだからね。
やがて数秒を掛けた予備動作ののち、演奏が始まった。
すぐにこの空間を、音と振動が圧倒した。
お喋りだった客席はいつの間にか静まり返り、舞台上で舞う『鬼』に魅了された。
魅了されていないのは、そこに座るシノ先生の蟲分身だけだ。
そう。
シノ先生は、ここに居ない。
つまりこの場には、『二人』足りないことになる。
一人は、シノ先生。
もう一人は――
――アサリさんだ。