□17 修学旅行編船上まで[10p]
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なんで?なんで?
原作じゃ一瞬だった移動中に何かしら起こるんだぁ?!
道連れにしたいよ、キ・ミ・を・!(ダイナミック並感)
というのはおいといて。
うーん世界各地に点在する、母の信者。
母が気に入って助力助言とか色々した結果、そのまま母に心酔することになった人間は割といるんだよね。
現在はそのほとんどが洞隠れで義父の手中に居るんだけどさ…。
そんでもって通路で雑談中のこの…
やどり、
――父譲りの毛質と色をしたセミロングの髪に、レモン色のメッシュを入れている(これは母親の髪色だが本人はジョウルリと同じ色を入れたつもりだろう)。顔つきや灰色の瞳は両親に似ないから祖父母辺りに似たのだろうか。
彼女は、コウに心酔する砂隠れの忍へと、コウの手により授けられた。10歳になるまでは砂隠れで育つが、その忍が患い、洞隠れの里で一年間、療養と治療のため暮らしたのち回復、私の義父の提案でジョウルリの養母ブンラクの元へ合流した。そこからは私も知らない――。
アサリ、
――両親の髪色や毛質をミックスしたかのような、暗めの茶髪と癖毛をしていて、瞳の色は母似の水色。顔つきは母似と感じるが、浮かべる表情が真逆すぎて言われないと分からんわ。肩につかないくらいの髪の長さと三つ編みカチューシャは、第二部の母親を思わせるが…。
謎の口癖とドン暗い性格は養父と性格環境の影響かなぁ…。
彼女は、コウに心酔する油女一族の抜け忍、油女テスラが、各地を転々と逃げ隠れ周りながら育てた子。木ノ葉に来る前のスミレちゃんみたいな感じで。
私が木ノ葉に来てからただの好奇心で瞳術を使い見たかぐや君の母親の戦績にテスラ始末成功の旨が記されていたが…。雑談に乗じてそれとなく話を聞く限り、何を察知したのか処刑の数日前ほどに、テスラはすでに、ジョウルリの養母ブンラクの元に託されていたようだ――。
ジョウルリ、
――母譲りのレモン色だが、父親に多少影響されたのかほんの少し癖毛ぎみな長髪を三つ編みにしている。笑顔な糸目の奥には父親と同じ黒目があるはずだ。なにより、彼女が被っている頭巾と、背負っている傀儡(布でグルグル巻かれ上部からは毛が出ている)は、第一部の父親を思わせた。はみ出てる毛はカラスのそれと違い白く長めだが。
そんな彼女は、今は波の国の外れに隠れ住む、傀儡使いの元くノ一、ブンラクに預け育てられた――。
そんな感じの、通路でばったり会ったこの三人娘ですが。
「――ところで、なんで霧隠れ?お目当てでも?」
「いや、近場だしノープランすね。路上演奏でも出来りゃ嬉しいかなーくらい」
「なるほど。じゃ完全に偶然なのか」
「演奏?やどりさんは何か演奏されるんですか?」
「ん、ああ。この人、和太鼓演舞が生きがいなんだよね」
「和太鼓演舞?」
というやり取りを経て。
何故かシノが食い付いて、やどりとシノでアレコレ話が進んで……気が付いた時には夕食後に船のコンサートホールを借りて、うちのクラスメート達を対象に和太鼓演舞を披露していただくみたいな流れになってきた。
どうしてこうなった。
まあそんなんで、アンコ先生とかも交えて話をまとめるためとかで解散というか。
三人娘とシノはアンコ先生の待機している部屋の方へと歩いて行った。
そして私達は、当初の目的のため、マギレ君達に割り当てられた共同寝室へと向かったのだった。
ちなみに基本は団体用8人部屋を6人ずつで使っている。
6人部屋はなかったらしい。
……つまり原作では8人部屋だった?イレギュラーである私とマギレ君とかぐや君を除けば女子は計11人としても、男子は計16人だからピッタリ8人2部屋でOKだったもんな…。
まあそれはそれとして。
この部屋には、かぐや君、マギレ君、サユウ君、ゲン君、ドウシュ君、レンガ君という比較的お行儀の良い男子たちが割り当てられていたはずだ。
「どうぞ、號さん」
「おじゃましまーすっと」
招かれて入れば、まあ特に女子達に振り分けられた部屋と何ら変わりない殺風景な部屋だ。
マットレス等が隅に積まれていて、内装にあわせたモダンな座卓が中央にポツンとね。
違いがあるとすれば、置いてある荷物が彼らの物であることくらいだ。
「…同室の奴等もそうだが、今なら他の部屋の皆も寝室に荷物を置いて遊びに出てる」
「だから隣室にも人のいない今のうちに内緒話がしたいと」
「ああ」
「いつでもどうぞ」
そう言って促せば、かぐや君はおもむろに拳を握り、私に繰り出した。
「いや何」
私が裏拳でそれを受け流せば、それを想定していたように掴みが来たので身を屈めた。
それも想定していたのか次には足払いがやってきたので、私はしゃがむ様に飛び上がってからかぐや君の膝に足をつき跳躍した。
天井に手をついて、ばねのようにして追撃…はできたがそれをせず、ぶら下がって見下ろせば跳躍して追撃に迫るかぐや君。
面倒くさくなってきたので、それが届く前に彼の各四肢関節の表皮を中心として、覆うように鉛結晶生成しまくった。
彼の広い袖の中が鉛色に覆われていくのがちらと見える。
「ッ!?」
唐突な重みに拘束された彼は、跳躍の勢いも消えて床へズドンと落ちた。
四肢関節も表皮より上だけとはいえ、しっかり固めてるので思うようには動けないだろう。
復活はない筈だ。常人なら。
「お前……印はどうした…」
「お好きな解釈でどうぞ」
「そうか」
ゴギンッと音が響く。
バゴッ、ガーン、ギィン…と。
「へ!?な、何の音ですか!?」
「気にするなマギレ」
かぐや君のゆったりした服の中で、金属を叩く音と、その衝撃で割れているらしい金属音が聞こえる。
まるで己の表皮にへばりつく鉛の塊を、体内から硬いもので殴りつけて砕いているような音だ。
「……!、號さんの鉛が…砕けてる…!?」
ガラン、ゴロン、と砕けた鉛を袖や裾から落としながら、かぐや君はことも無さげに立ち上がった。
そして未だ天井に手をついたままぶら下がっている私を見上げた。
「やるな」
まあ。屍骨脈やろな。
皮膚の内側から硬質化した骨でカンカンバキバキやったんだろう。
「君は回りくどいことするね」
「回りくどい?」
「砕くほどの硬さが作れるならわざわざトンテンカンせずに、バーッて皮膚の外に飛び出させれば枷の破壊くらい一瞬じゃん」
「全く以て、その通りだな。同意する」
「か、硬さ?飛び出させる…?」
「ときにかぐや君、マギレ君が全然邪魔してこないってことは、これは何のテスト?」
「……マギレとは連休中に手合わせしたが、お前とはまだだったからな」
「やだっつったんですけど」
「だから、室内で手短に済ませることにした。そして、今の身のこなしと術で充分だ」
「こいつ…」
「降りてきてくれ。マギレの言う通り、お前は確かにマギレ以上だ」
私は溜息を吐いて着地した。
「テストありき、かつ、どーーうしても話したいことらしいね。それは」
「そうだ。これについては完全に俺の我儘だと認める、悪い…、…悪いが、譲りたくない。號の気持ちを尊重しなかったこと、許してくれ」
そう言ってかぐや君は、深く頭を下げた。
「あーいいよいいよ、支障なく過ぎたことだしもうどうでもいい」
とりあえず私はかぐや君の額をすくい上げるように頭を上げさせた。
「それで、何を打ち明けたいって?」
そう言って私は腕を組みながら、かぐや君を見上げた。
同時に、彼の足元に落ちてる砕けた鉛結晶を消した。