□16 緋色の花つ月編終了まで[10p]
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水月の背中にポジション戻しつつ、大蛇丸の研究室。
相対的にグロくないお部屋。
培養途中のクローン的なのが円筒水槽にinしてるけど。
そこで大蛇丸はうちはシンとクローンそして遺伝子についてを語る。
ダンゾウが付けていたあの右腕の持ち主がシン、うちはの人間ではない、拒絶反応を示さないアルティメットO型的な特異体質の男。
クローンとはつまり、消えることの無い分身、殺すしか消す手段はない。あれ……思ったけど、母さんの入魂影分身の下位互換なのでは?
「…思ったより人間とは単純なものよ。人間は遺伝子の奴隷みたいなもの……個人もその繋がりも全て証明できる」
「クローンじゃなくて、…普通の親子や兄弟でも…?」
「………」
「もちろんよ。なんなら鑑定してみる、お嬢ちゃん?」
うーん。ただの科学者。
「遊んでいる時間はない。そのシンがどこに居るかも分かってるな…アンタなら。教えろ」
「いいわ…あのやっかいなシンを木ノ葉で捕えてくれるならこちらも助かるしねェ…」
やっぱ、時空間忍術って厄介よねえ。
私も、例えばあの駮を敵に回したらと思うとゾッとしない。
じゃあなーんで大蛇丸はその目障りなシンを野放しにしてたって、そりゃあ……深追いしないことこそが大蛇丸の長生きの秘訣だし。
「くわしく説明するからモニターのある部屋へ…また移動してくれるかしら?」
結局この研究室に来た意味とは?…説得力のためか。
再び大人数で、陰気な通路をスタスタ歩く。
水月はもう諦めたようでおんぶ的に重心を据えてるし。
支えは相変わらずないが、余裕余裕。
そんな道中、サラダちゃんが水月の服の裾を引いた。
「…?」
今度は何だと若干面倒そうに水月は足を止めてサラダちゃんに目を向けた。
「號」
そのまま話題に入るかと思ったが、サラダちゃんは次に私の服をつまんで引いた。
降りろってさ。
「……」
ま、いいか。
私はサラダちゃんに向けていた顔をニコッとさせ、彼女が私の服から手を放したのを合図に水月を手放した。
タッと着地した私に、水月はフー、と安堵の息を隠しもせず吐いていた。
「どうもありがと…助かったよ」
「……それより、この女の人はどの部屋にいますか?」
礼を言う水月に、サラダちゃんは例の写真を見せていた。
「ああ…香燐ね…。別アジト…ここには居ないよ」
ていうか何の目的で撮ったんだソレ蛇の時だか鷹の時だか知らんが。
「……そうですか…。な、なら…もう一つだけお願いしたいことがあります……いいですか?」
ひとまず遺伝子を調べることの出来る部屋に案内して欲しいという言葉に対し、水月はこれといって拒むでもなく承諾した。
ここの水月、別に子供に優しいってわけじゃなくて。
サスケの娘に対して冷たくする理由も無いから融通利かせてくれてるだけなんだよな。
ところでみんなの列から外れた私達にナルトはすぐ気付いたが、向こうに影分身つくってこっちついてくるだけで、ひとまず泳がせてくれるようだ。
いやぁ姿や気配を完全に消せたとしても、そこに存在する以上この瞳術には丸見えなので。
たとえ物質のない意識だけでもね。
で。しれっと付いていく私はとりあえずサラダちゃんに腕を掴まれ、大人しくしててって言われたので静かにしてますね。
移動中にふと、私の腕を掴むその手が強張り震え始めた時も。
部屋に付き、サラダちゃんが水月へ『お願い』と、その理由を打ち明けた時も。
「えェ!!?」
あぁ^~
水月のびっくら顔かわええ^~
変態糞親父になっちまうぜ。…すまんやっぱあのレベルは私にゃ無理だぜ。
「ま…まさか…サスケがそこまでのクズ野郎だとは!」
「…今はまだその可能性があるかもってことです。だから私のママが誰なのか…鑑定して欲しいんです!」
変態糞親父の投稿は読んでて疲れるが文才がすごいのよな。
『ああ^~』や『申し訳ないが昼はNG』から始まり、『えもう大変だ』とか『突うずるっ込んで』なんて語感と衝撃を両立させた言語そうそうでないぞ。
「繋がり…調べてもらえますか!?」
「別に…いいけど…」
サラダちゃんがキュ…と私の手を握ってきた。その手は数秒でス…と離れていったが。
水月の了承の言葉に、いよいよ真実が明らかになる事への恐怖が、実感として湧いてしまったのだろう。
……。
なんか…ごめん…。シリアスしてる横ですげえしょうもないこと考えてて…。
でも変態糞親父の怪文書は一見の価値……一見して気分悪くなっても俺は一切責任を負わないのでおすすめしないぜ。
それはそれとして。
「おっかしいな、確かこの辺に…」
機材の準備を終えたらしい水月が、香燐の遺伝子を取りに行くよってまた別の部屋に移動し、そこの机をガサゴソ漁り始めたり。
それあれの間に。
「號…」
「ん!なんだいサラダちゃん!」
『お困りかい、子猫ちゃん?』と水月の手伝いをしようかと思った矢先、サラダちゃんが声をかけてきた。
笑顔を向けて返事すれば、彼女は例の写真を私に向けて見せてきた。
そこに写る若かりし水月を指差して。
「どうして、なにも言ってくれなかったの?」
「なにもってなにがだい?ああ!好きだって伝え足りなかった!?それなら――」
「いつもそうやってはぐらかすのね、號は」
「はぐらかす?!まさか、サラダちゃんの美貌を前にそんな器用なこと」
「じゃあ答えて!」
「おうっ?」
まいったな。
「この写真を見せたとき……ううん。それよりも前……私がパパのことを調べていたときも……どうして、言ってくれなかったの?写真の人を知ってるって……!號の親…コウって人が、私のパパや仲間の人達と知り合いだって……!」
「あやや、落ち着いてサラダちゃーん!謝るからさ!ね?」
「謝らなくていい。質問に答えて」
「そんなこと言われてもなあ……。んー、」
ナルト聞いてるしなぁ
「黙ってたのは、サラダちゃんに欲しい情報あげられないから、としか」
「どういうこと?」
「…コウって、母さんの名前なんだけどさ。気軽に会えるような人じゃないんだ」
「…手紙で連絡も取れないの?」
「取れないねえ」
「! ……ママなのに?」
「ママなのに。だからサスケさんのこと聞いたりとかできないん」
「あった! まさに繋がりの一部から遺伝子を採取っと! それじゃ、…アレ?」
「……」
「ンアア水月たん!気まずくてごめんねぇ!やだねぇ!遺伝子みっけできてえらいでしゅねえええ!!」
「ヒぃッ!?」
「號!!」
「グェッ、ゴメンナサイ」
ワンブレス長文してる時に襟引っ張らないでサラダちゃん。
ここまで来て水月にへそ曲げられたらいけないのはわかってるけどさ。
「えと…鑑定…大丈夫?」
「はい。早くお願いします」
「……じ、じゃあ戻ろうか…」
ってまたお部屋に戻る道中。
香燐の机から持ち出してきた臍帯箱を手に先導する水月の歩く姿をじっと見て歩いてたら、横を歩くサラダちゃんが恨めし気にボソッと言ってきた。
「…それでも、そんなに好きなら写真見たとき言うでしょ…普通」
「あっ違う」
「え?」
違う違う。私が好きなのはこの時代の水月なので…。
「私が教えられて知ってた水月はまさにその写真の姿だけで、その時点じゃ全くどうも思ってなかったんだよ」
「どういうこと?」
「つまり一目惚れですね」
「…うん?」
「こんなエッティな歳の取り方してる人、他に居る…?」
「なんて?」
「色気と愛嬌がすごくて嗜虐心がドンドコドン」
「…なんて?」
「この地上に舞い降りたマイエンジェル」
「……!!! ソッチで枯れ専で変態で浮気とか救いようがもはやない……!」
「いやあそんなァえへへ」
ドン引きで草。シリアスな気持ちぶっとんじゃってるやんもう。
そんな話しながら、明らかに会話聞こえて冷や汗してる水月のお耳からお尻へと視線をシフトしたところ、それに気付いたサラダちゃんが呆れ顔で私の目元をベシッと覆った。
「うおわっふ!」
「號、セクハラ」
「はァッ!?」
手はすぐに離れたが、ついに水月が振り向いてズザッと距離をとったりした。
メガネに付いたサラダちゃんの指紋を袖で拭いてる私をこう、全裸おじさんを見る幼女のような目で。
「え!?オレ今度はそいつに何されることだったの…!?」
「號にお尻触られそうになってました」
「ヒッ!?」
「えっ?!ごっ誤解だ!誤解だよサラダちゃん!!まだそんな大胆な」
「まだってなに!?待って無理無理無理怖い怖い怖いもうなんなの今更鬼鮫先輩の苦労とか知りたくなかったんだけどォ!!」
「…?」
「そういうとこが可愛いんだよなぁ!」
空いた手で尻押さえて構えてくる水月お前そんなかんわいいことするから私の嗜虐心はそら鰻登りよ。