□16 緋色の花つ月編終了まで[10p]
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さて大蛇丸のアジトまであと少しかなと休憩してたところで。
「あーー!!七ちゃん!スケスケぇ!!」
なんで無事に到着せんの?
原作じゃ移動なんて一瞬だったじゃん。
「お前は…」
「あーそういえば、ここ通り道だったか」
「七…ちゃん?」
「スケスケ…?」
右手の方からやってくる気配と声。
そしてその特徴的な呼び方に、チョウチョウちゃんとサラダちゃんは首をかしげていた。
うーんこの母の記憶にガッチリある声。
サスケは面倒そうに眉をしかめて、ナルトは思い出したようにそちらへと手を振った。
「おろろ?子連れ?なにしてるの?お出かけ?」
タッと着地してきた、その人物を見上げる。
母の元チームメイトを。
かぐや君の母親ではない方を。
「まあ……当たらずとも遠からず…?」
「違う」
「へー?」
「そっちの任務はどうなった?」
「完了で相棒はもう里に着いてる頃だよ。結界石が悪くなってたからキレイにしてきた」
「そりゃよかったってばよ。寄り道は終わったか?」
「これから!」
「そっか、毎月大変だな。あれも木ノ葉で栽培できりゃあな…」
「いいのいいの!仕方ないもん」
薄絹のようなレモン色の髪。
淡く透き通る水色の瞳。
オブラート包んで言うなら、なににつけて若々しい振る舞い。
……思えば初見か。
「あれ、キミ…!」
「どうも」
「わ!もしかしてもしかしてトワニ號ちゃんだよね!忙しくて挨拶できなかったけど、一度会いたかったんだー!」
目前にしゃがんで勝手に人の両手を掴んで握手してきた。
「誰?」
「號を知ってるみたいだけど…親戚とか?」
「の、わりには似てないし…」
「もしかして…七代目だから、七ちゃん…?」
とかなんとか。
彼女と挨拶を交わしている間に後ろで色々ひそひそ聞こえてきた。
それは彼女にも聞こえたらしいが、意外にも私の母の元チームメイトですなんて話題は出すことなく無視していた。
軽そうに見えて、取り決めた秘密ごとに関する口は固いというのは知ってたが。
「私が見た写真とは髪型違うね!ひとつ結びも可愛かったけど、今のも似合ってるよ!カッコいい!」
「本当ですか?ありがとうございます」
ぱやぱや笑顔で見上げてくる彼女の肌は、歳のわりには瑞々しく見えた。
「で!キミはスケスケとサクちゃんとこのうちはサラダちゃんだよね!そっくりでかっこ可愛いね!」
「は、はあ…どうも」
「それからチョージとカルルんとこの秋道チョウチョウちゃんかな!ふくよかさとクールビューティーが同居しててすごい素敵だね!」
「いや…どういうあだ名?てかあんた誰?」
「んーふふ!幻術とか結界関係で割と忙しくしてるしがない外回り上忍さ!名前は知らない方がオトクだよっ!」
彼女は私の手を握ったまま、サラダちゃんとチョウチョウちゃんにも声を掛けていたが…。
やがて、そのパッチリとした目がふとかしげられた。
「でも、皆が向いてる方って、白蛇の巣があって危ないよ?」
ぱっと手を離されたと思えば、彼女はくるんと立ち上がってナルトの方を向いた。
「その蛇の巣に用があるんだ」
「そうなの?」
質問にはサスケが答えていた。
彼女は今度は腰元に固定された鞄から巾着を取り出してナルトに渡していた。
「だったらハイ!これ」
「なんだってばよ?」
「クルミ!」
「クルミ?」
「あと、干しりんごとかハッカ飴とか個包装羊羮とか!おろちーの見張り小隊に!」
パシりなの?
答え、パシり。
私とサラダちゃんとチョウチョウちゃんに飴玉一個ずつくれてから、彼女は来た道を引き返していった。
「変な人ー…」
「さて、オレ達も先を急ぐってばよ」
「あ、はい」
私達も再出発した。
余談だが。
彼女の寄り道というのは、ある木の、新鮮な樹皮と樹液を採ってくることである。
それは、かぐや君の母親が作る秘薬の材料。
特定の一族にしか薬効はなく、需要はほぼ皆無。しかも条件の揃った土壌でないと薬効が消えるらしい。
……え?なんで知ってるって?母の記憶と、かぐや君が雑談中チョロッと話してた情報からそう推理できたからです。
忙しいから頼んでるんだと言ってたけど、多分一番の理由って大蛇丸のアジトの近場だから、定期的に近付くの気まずいからやなとは今思った。重吾に黙って子供こさえてるし、話しを聞く限り、合わせる顔なさげだし。
それはそれとして。
ヤマト隊長?テンゾウ?甲?とりあえず大蛇丸の見張りが彼だけじゃないってトコはアニメ寄りか…。
「よしてくれ……。火影に隊長なんて呼ばれたくないよ」
「なんか…、やっぱつい…、オレにとってはヤマト隊長だからさ」
いやー相変わらずいい声だなヤマト隊長。
フルパワー忍伝のアニメ 大人の事情で最終回まで喋れなかっただけあるわ。人気声優あてられたばっかりに…。
「…話は先代から大体聞いてるよ。悪いがボクはここを離れられない。何かあった時、大蛇丸の行方を追う必要があるからね……」
「分かってる……」
「今回はサスケが味方にいる。……前よりはカンタンなハズだよ」
台詞は原作寄りかーい。
「あ!それからコレ……」
「その巾着は…また彼女か。すまない、有難く貰っておくよ」
あとお届け物。
聞くに、交代員含めた監視隊員1人1人の好物詰め合わせなんだとか。
なにも返せないし気を使わなくていいって毎回言っているのに、近場通る度に意地でも渡してくるから、もう断るの諦めたとか。
差し入れに関しては、何故か大蛇丸の監視を任命されて少ししてから…頻度は高くないにしてもかれこれ十数年間、何故か飽きもせず、ずっと貰ってるとか。
…何故ってそりゃあ……、彼女の意図を瞳術で見たり母さんの記憶あったりする私だから言えるんだけど。
ヤマト隊長に気があるからですよ。
としか。
あの人あんな性格しといて恋愛奥手なんだよ……記憶見れば母さんからの血妊娠提案についても全力で断ってたし、そのせいで母さん変な秘術開発しちゃ…って。今そこまで関係ないな。
んまあ…複数男性に気がある恋多き人でもあるから一途とは言えないが……むしろ奥手だからこそ保たれた平和。
誰かに惚れてる間に別の人に同じ熱量で惚れ、さらにまた別の人にまた惚れてって感じで、すげー人だよ。器用というかマルチタスク得意というか。
母の記憶の中では三人に惚れてたけど…、今 増減してるんかな。
あ……その三人てのが、アカデミー時代からシノ、下忍時代からカンクロウ、中忍時代からヤマト隊長なんですよね。
驚きの独身率十割。原作知らなかったら『何か変なことして阻止とかしてないよね?』って疑うレベル。
「潜入するぞ。中はオレが知ってる」
おっとサスケから出発の号令が出た。
やっと水月に会えるぜフィーヒヒヒ!