□15 緋色の花つ月編途中まで[8p]
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「……なるほどなぁ…。万華鏡写輪眼まで…。
なら、ガキだって手抜きはできねーぞ」
うそつけや。
と、ナルトの発言に内心ツッコミつつ、大人しく蹲っておく。
そうしていれば、私の方にも飛んできたシンの忍具を、九尾のチャクラが掴み止めた。
「武器の遠隔操作…それが、お前の力か」
九喇嘛モードになったナルトに目を剥くサラダちゃんとチョウチョウちゃん。
九尾の尾のように伸びたチャクラの先は人の手のかたちをして、シンを捕えるべく稼働する。
今のうちに鉛分身作っとくか。
ズルッと音もなく私のチャクラから鉛分身が生まれ、落ちたシンの忍具を警戒するような素振りで待機させる。
本体の私は引き続き弁当を抱えたまま蹲って様子を見る。
サラダちゃんもチョウチョウちゃんもナルトもシンから目を離さない。
シンはナルトの猛攻から逃げ切り、既に古びた鳥居の上に退避している。
ゆるキャラも姿を現し、ナルトはそれにほんの警戒を灯して様子を伺っている。
「いったん退くぞシン。こいつはお前だけでは相手にできん」
空間が歪んだ。
「ダァッシャラァ!!!」
「!?」
そして私はそんなゆるキャラの時空間忍術に、鉛分身を射出した。
説明すると、蹲っていた本体の肩の上にズンと飛び乗った鉛分身の次の跳躍と合わせて本体も身体を突き上げ、ジャンプ台の要領で射出したってわけだ。
「はっ!?」
「誰ッ號!?」
突然の乱入者に、シンは勿論この場の全員が驚愕している。
そりゃな。
急に投げ込まれた鉛分身は見事、不意をつかれたゆるキャラとシンを掴み、そのまま共連れ時空間忍術を成したのだった。
「號ーッ!!」
サラダちゃんが叫ぶ。
「はーい!」
「はあ!?……!!」
返事してみたら勢いよく振り返られ、そして息を呑まれた。
せやな、今の私ちょっとボサって粗めのタジマおじいちゃまヘアーだから。
「ただの分身だから。何か掴んでこれればと思って射出してみたけど……駄ー目だ、もう切られちゃったわハハハ」
弁当を抱え散らばった髪を払いながら笑って見せるが、当然サラダちゃんの顔は晴れない。
振り返ったナルトとチョウチョウちゃんの顔も。
「號……!あんた、その髪…」
「ああ。私ってやっぱり二人と違ってどんくさいからね」
震える手で指差してきたサラダちゃんに私はへらへらと対応した。
「大丈夫大丈夫。くっつけられる人知ってるから全部拾って帰ればすぐに元通り元通り。今日が風の無い日で良かったよ」
「く、くっつけられるの…?」
「んん」
「本当に…?」
「全部拾えばね」
全く気にしてないよーって笑いながら、私はサラダちゃんに弁当を手渡した。
ほぼ無意識に受け取ってくれたのでオッケーとして私は踵を返し、髪の毛の回収にあたった。
ちなみに髪は後日ちゃんと生やします。くっつけるとかはしない。
全部集めるって言ったのは、髪の毛にチャクラがそりゃあまーかなり溜まってるからですね。
もちろん感知などで悟られないよう術式組んである。頭皮の下に術式ワシャワシャあって、髪一本一本にそれは適用されている。切り離されようと一定範囲内であれば適用条件を満たす。
現にこうして切られたが、ナルトもシンも、ここに内包されている特大のチャクラに気付いた様子はない。
だがしかし、明らかなチャクラ爆弾であることに変わりはないのだが。
瞳術使って一本一片残らず回収します。
ついでに手裏剣ホルスターに手を入れた状態でちょちょっとトワニの技術で一枚の手裏剣を握り鋏状に変形させてから取り出した。
それで頭部の気になる部位や刈上げ部分の長さを整えた。
瞳術使えば己の後頭部だろうとよく見えるので、一人でパパッと終わらせられた。
集めた髪の山と髪紐は到底手裏剣ホルスターに入りきらない量だから、ひとまとめにして腕にでも封印しておいた。
その間、ひとまず私を置いておいてくれた背後では話が進んでいた。
私の刈上げ後頭部に話しかけるのが気まずいとか、少し一人にした方が良いかもと判断したりとか、たぶんそんな感じだろう。
「おまたせ!」
作業を終えて、髪もシッカリとタジマヘアーにして、三人の元へ戻った時には話しもまとまっていた。
弁当もナルトの手に渡っている。
「あ……號、ごめん、その」
「悪いな、號。その髪……すぐにでも元通りにしたいだろうが、またいつ襲われるかわからねー以上、お前達をこのまま里に返す訳にはいかねーからさ…」
サラダちゃんが気まずそうにしているのを見かねてナルトが言った。
「あっオッケーっすオッケーっす。着いていきますよ何日でも。この髪型も私の敬愛する祖父君とそっくりなんで気に入りましたし」
「おじぎみ?あー……そ、そっか、それならよかった…」
私の発言に引っかかりを覚えつつもナルトは承知してくれたようだ。
たぶん私の血族上の誰かではなくて、私の里の誰かのことだろうと思ったクチですねこれ。
ままそう勘違いしてくれると思ってたので、その解釈で助かるわ。
さて、ご飯の時間だ。
少し先いったところの見晴らしのいい丘で。
そちらへ向かう道中、チョウチョウちゃんも私の髪を見て『レディの命でもある髪をこんなバッサリやるなんて…あいつ~!』って腹立ててくれた。
あと分身についても聞かれた。
「あれは…何分身だったんだ?何か見たものとか、あったりするか?」
「あー…実は移動の瞬間両目閉じちゃっててですね。硬い地面に一瞬降り立ったと思ったら、目を開ける前にすぐ途切れちゃいました。着地した地面が硬かったくらいしか収穫ないですね…。申し訳ございません」
「そっか。いや、オレも動けなかったんだし。號は充分よくやったってばよ」
「ありがとうございます」
「そーいえば!あちしも驚いちゃった!號が分身術を使えたなんて聞いてなかったしー!あちし!」
「アハハ、言ってなかったからね」
適当に誤魔化しておいた。