□14 緋色の花つ月編開始まで[8p]
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定期試験が迫ってまいりました。
いやー筆記も実技のNARUTO時代の忍者学校では考えられないレベルの高さ。
忍者の需要が落ちた分、なりふり構わず徴兵する必要もなくなって。
これが平和か。
気配と姿を消し、手頃な木の枝に腰かけて、眼前の光景を目に入れる。
「忍術が苦手で特訓しているなんて!君はめちゃくちゃ青春しているじゃあないかーっ!!」
「ぐぎゅぅう……!」
「ああごめんごめん、つい嬉しくて」
リーもほんま……大きくなって……。
NARUTO読者嬉しいよ…!
メタル君の器用だけど緊張しぃなとこは奥さん似なのかな。
そしてリーのライタースーツの袖が何をしたというんだ…。
そんなことを考えながらデンキ君を尾行して物語を見てる影分身の私です。
え、本体?
いま山奥でハオリさんにボッコボコにされながら鉛でも吐き散らかしてるんじゃないですかねぇ。
くわばらくわばら。
ところ変わってそんなことを考えている、イワベエ君を尾行している影分身の私です。
はい、ハンバーガーショップで勉強する少年達を覗く絶賛不審者です。
「駄目だー…全然頭に入ってこねぇ……」
「おい。本気でやる気あんのかよ!」
「うるせえ、わかってるよ!もう一度説明しろ!」
「これはやばそうだね」
「ああ。オレ達の手には負えねーよ」
ボルト、いのじん、シカダイに勉強教えてもらってるようだけど。
天才と毒舌と面倒くさがりって明らかに人選ミスなのでは?
ああでもボルトの根気強いほぼ擬音解説に頭を抱えるイワベエ君超かわいいな。
イワベエ君ホンマかわいい…あれで私に惚れてなけりゃな…めっちゃ構い倒したのに……くそう!振り回したい!かわいい!
そんな感じで翌日。
小テストでコテンパンにされとる隣の席のイワベエ君。
そんなさりげなく私に見えないように隠さんでもいいのに。私も現実の学生時代、苦手科目なんか定期試験0点3連チャンしてたし。
放課後。
本体はすぐに山へ。
そして相変わらず分身にストーカーさせてたらイワベエ君がデンキ君に壁歩き教え始めましたね。
日が傾くまで。
青春か。
その帰り際。
デンキ君はイワベエ君に筆記を教えようかと提案するが、イワベエ君は順調だと嘘をつく。
けれど運よくコテンパンの答案を落としちゃうんですねー。
「――だったらボクが教えるよ!なんでそんな嘘を…!? ……やっぱり、ボクなんかじゃ」
「バーカ違えよ。オレの勉強に付き合わせて、お前の練習の邪魔しちゃ悪ィだろ……。
留年するのはオレ一人で十分だ」
こんな天使をグレさしたままほったらかしてた木ノ葉はやはり民度最低なのでは?
御立派な卑の意思なのでは…?
「ボクは皆と!イワベエ君とも一緒に、忍になりたいんだ!!」
そしてデンキ君まじ覚醒。
主人公じゃん。
「ボクに勉強を教えさせて!?その代わり、ボクに忍術を教えてよ!」
「デンキ……」
「一緒に頑張ろう!一緒に試験をクリアして見せようよ!!」
「……チッ……わーったよ。……しょうがねえな」
真逆な子達の友情いいよね……。
いい……。尊い……。
「…上等だ!もういっちょ足掻いてみるか!」
「イワベエくん……!」
イワベエ君ウィンクしないでかわいいから。
で。
翌日。
なんやかんやで勉強フェイズ。
今日も私、影分身がストーキングします。
本体?また泣いて罰として目ん玉えぐられてんじゃないかな。
くわばらくわばら。流石インドラの嫁志望だぜ。
バーガーショップまでやってきました。
参考書開いて5分で『もう無理』しちゃうイワベエ君ほんまかっっっっわいぃ……。
ニヤニヤが止まらなくて完全に不審者だよ私。
この2人が、よりにもよって外の通りに面したガラスカウンターに座りよるもんだからさ。
もう隠れ蓑の術でかじりつきですよ。はい私が変態です。
そんでもってイワベエ君、天井に貼り付きながら勉強したら余計な思考と肩の力が抜けて頭も回るようになったご様子。
しかしあーお客様そう長時間天井に貼り付かれてはお客様困りますお客様。
だと思うんだけどどうだろうか。
ままええわ。私に関係ないし。
それより、そこからこの2人は、互いの苦手を教え合って、着実に効果も得て、日々を過ごすようになっていた。
そうして日付は進んでいく。
え?鉛分身の進捗どうですかって!?
……わーーーわーーーわーーーん!!!
びええええええんん!!!!!!!!!!ひぃいいいん!!!!!!!!おれわあ!おれであるかぎりぃ!!才能がないんだって!!ゆっっってるのおおおお!!
ああああもうやだあああああ!!!!
そんなこんなで。
試験当日。
ハオリいわく、イワベエ君とデンキ君が登校中に火事に遭遇するとか。
中に取り残された子供達を助けて、試験時間には間に合わないけど、出題範囲を駆使して人命救助を成したからということで合格扱いとなる。
そして吊り橋効果により二人の友情も深まるって寸法よ。
とりあえず私は普通に登校した。
で、実技。
なんかみんな壁歩きできてたのでみんなと同じ調子でトコトコやって合格した。
2人が来ない事についてざわざわしているところ、せっかくなので私は抜け出して様子を見に行こうとし――ませんでした。
というか私が行こうとしたら同じタイミングでかぐや君が立ち上がったのだ。
「號、悪いが少し抜ける。デンキとイワベエが厄介ごとに巻き込まれてないか、通学路を見てくる」
っつって。
……鉛分身に尾行させつつ送り出したところ、デンキ君が火事場に突入するのを目撃し、まさかのかぐや君も火事場に突入。
先に突入していたイワベエ君が、故障したスプリンクラーを直し起動したところで、かぐや君が合流。
取り残されていた三人の女の子達を、一人ずつ背負ってこう…窓から脱出。
で、二人と一緒に走って戻ってきた。
はい、時間切れです。
ボルトがごねてたけど、時間は時間です。
その後の筆記テストについては。
学校に警務部や消防隊や証人やらが来て事情聴取やら何やら忙しそうでデンキ君とイワベエ君の席は空のまま、テストは終わった。
結果?
問題はまあ全部解けたが、それじゃ駄目なので、瞳術でクラス全体をカンニングし所々間違えておよそ平均点を狙いました。
ハオリの言った通り、イワベエ君もデンキ君も合格扱いになっていた。
これといって特に不都合はなく、この出来事は終わった。
それよりも私は、今日鉛分身の最終調整がやっと終わったのでその達成感で万歳三唱を……するほどではない。
こんなもんかって感じ。もともと達成感を感じ辛い性質だ。
ただ、これでもうハオリさんにせっつかれなくて済むと考えれば…やっぱり万歳三唱。
いや、最近、痛みに耐える訓練を重点的にやってるんだけどさ。
それも兼ねてのこととはいえ、きついもんはきついよ……せっつきの度に、砕いたガラス食わされて無理矢理モグモグさせられるのは…。