□14 ハロウィン翌日
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皮切りにして、本当に大変なのはここからだった。
(数日かけてパラパラ来るならまだしも一日のうちにそんな一気に来る?)
ノットとの朝学習を切り上げ、朝食を摂るべく二人で大広間へと向かったときから――いや、今朝ノットの方から声をかけられたのが始まりだったのだろう。
まず大広間に辿り着く前にクィレルと遭遇した。
「ひいっ!こ、これはこれは、お、おおはようござい、ございます」
「あ!先生!!おはようございます!」
「おはようございます、クィレル先生」
相変わらず巧みに肩を縮こめているクィレルは、ヒサキに対し「そういえば」となにか言いかけたが、その横に立つノットの存在をわずかに一瞥した。
そして続けることには、闇の魔術に対する防衛術の教室で忘れ物を預かっているため授業が終わったらなるべく早く取りに来るようにとの言いつけだった。
恐ろしげに頼み込むような口調で紡がれた申し出はなんとも面白そうで嫌な予感がしたものだが、ヒサキは二つ返事でこれを了承した。
クィレルは恐々頷くと、大広間とは別の方向へそそくさと歩き去っていった。
大広間に足を踏み入れれば、弾かれたようにハリーとロンとハーマイオニーがやってきて、昨日のお礼を言ってきた。
無論それだけでは終わらず、以前断ったにもかかわらずグリフィンドールのテーブルで一緒に朝食をと誘ってきたり――もちろんやんわり断れば、次は授業の遅れを教えるとハーマイオニーに言われたり。
復習相手にも先約があると柔らかく断ってみれば、スリザリンへの明らかな敵意を感じさせる同情の言葉を吐かれ――その間、少し後ろで大人しく立って待っていたノットは、これに対し言及することはついぞなかったが、しかし明らかにこのとき機嫌を悪くしていた。
そこから当たり障りなくハリー達と別れ、ようやくスリザリンのテーブルに到着すれば、今度はドラコとダフネが真っ先にやってきた。
どっちが先に勉強を教えるかでもめていた様子で、ハリー達との接触には気付いていなさそうで安心を一つ。
勉強に関しては、まずクィレルに呼ばれていることをワンクッションに、コイントスで順番を決めたりした。
朝食と少しの自由時間ののち一人で魔法薬学の教室へと足を踏み入れれば、着席する前にネビルが話しかけてきた。
「えっと、退院おめでとう…」
「おお、フフ!ありがとうネビル」
「でも…その聞いたよ、昨日は大変だったって…それでこのあと、良かったら…あ!ごめん、何でもない!またね!」
昨日ハリー達からヒサキの退院を知らされたらしかった。
しかし一言二言交わしたところで、他のスリザリン生が教室に入ってくるなり一目散に離れて行った。
「またねぇ(このあとなんだったんだよ)」
余談だがヒサキの入院中にも一度だけネビルは医務室に運ばれてきていた。
魔法薬学の授業が始まり、前半にみっちりとした講義、後半に時間だけはそれほど要さない薬を一人一つずつの鍋で作った。
至って普通に立ち歩いているところを見るに、スネイプは痛み止めか何かを使用しているに違いなく、痛み止め欲しいなぁ、などと思いながらヒサキは慎重にかき混ぜ棒を動かした。
そんな授業が終わり、毎週恒例の翻訳薬受け渡しの際には、なかなかに鋭利な言葉を与えられた。
案の定、寮監でもあるスネイプはヒサキの体調不良における詳細を知らされていたようだった。
楽しく捻られた実りのある忠告をフルで聞きたい気持ちは大いにもあったが、あまり長引くのは良くない気がして、ヒサキは隙を見て、その理由であるクィレルに呼び出されている旨を伝えることで、ほぼ追い出されるように切り上げられてみた。
そうしてヒサキが地下の階段を登りきる手前。
「恐れ多くもピーキーがご主人様の行く手に現れるのです。ご主人様にお伝えすることがあるのです」
丁度地上からは死角になるような地点に片耳の屋敷しもべが姿現しで出現した。
「どうしたの、ピーキー」と聞くところによれば、
「お父様が、ご主人様をお呼びなのです。今ではなく、夕食の後に、ピーキーをお呼びください。ピーキーがお連れするのです」
「ほぁん」
ダンブルドアからの呼び出しだった。
早めに来ても問題なく、そこまで時間は取らないとのことで、ならば食後すぐに行くと伝えてヒサキはピーキーを返した。
――先駆けて言うなら、この後の夕食時には大広間出入り口に出待ちしてた双子とリーに快気祝いに食後のイタズラに誘われたところでテレンスが割り込んで来て、食後すぐに勉強の約束をねじ込まれそうになったりもした――。
(ブッキングブッキングブッキングーーー!!ブーーーッ!渋滞です渋滞です!はァー!なんなんですかみなさんヒマなんですか!!!)
ことさらに今日はヒサキにとって、昨日以上に非常で面倒な日であった。