□13 ハロウィン
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「ありがとうハル」
トロールの臭いが届かなくなったところで、ヒサキは長く息を吐いてからハリーに掴まれていた手を軽く持ち上げた。
ハリーはそれに気付いて手を離した。
「もういいの?」
「うん、もう一人で大丈夫」放された手をふらつかせながらヒサキは微笑んだ「言いそびれたけど、二人とも本当にありがとう」
ハリーとロンは少しだけ顔を見合わせた。
「あのさ…僕達、ハーマイオニーしかいないと思ってたんだけど、ヒサキはどうしてあそこに居たの?」
ロンが呟くように発した。
ヒサキはああ、と快く同じ言葉を返した。
先ほどハリーがした質問だが、あの時のロンはほとんど放心状態だったのでまったく構わなかった。
ヒサキが話し終えたところで、ハリーがそういえばと思い出したように声をかけた。
「ハーマイオニーが言ってた、トロールを食い止めたっていうのは?庇ってるところは見たけど…」
「ああまあ、簡単な目つぶしだよ。目元に包帯巻いただけ。すぐ取られちゃったし。フェルーラでさ」
「それ、まだ習ってない呪文じゃないか!」
「でも教科書に書いてあったからさ」
受け答えをしながら、ヒサキはおもむろに鞄からキャンディを4つ取り出した。
その一つの封を開け、自分の口に含めば、想像通りのイチゴ味が舌に広がった。
それがわかれば良かったので、ヒサキはすぐに飴玉を口の端へ追いやってゴミをローブのポケットに仕舞った。
ヒサキは改めて、飴玉が乗った手の平をハリーとロンの方に突き出した。
「ね、今日はありがとう。これ、よかったら、二人とハーマイオニーに…」
ヒサキの突然の挙動にきょとんとしていたハリーとロンは、そこで彼女の手の中を見下げた。
透明な個包装の中で、シュガーがまぶされたピンク色の飴玉がキラキラしている。
「キャンディだよ。以前キッチンに顔出した時に貰ったんだけど、たまたまその時、個包装のお菓子は何の変哲もないイチゴ味キャンディしかなくて……、苦手じゃなかったらよかったんだけど……」
「苦手なんかじゃないよ!ありがとうヒサキ」
窺うように続けたヒサキの不安げな表情に、はっとしたハリーはお礼を言ってその飴玉を3つとも取り、一つをロンに渡した。
ロンは少しそれを見つめて、ヒサキに小さく「ありがとう」と呟いた。
ヒサキは嬉しそうに笑って頷いた。
「ハーマイオニーによろしくね。
それじゃ、実はある程度一緒に歩いてきちゃったけどさっき通り過ぎた道を行ったほうが私の寮への近道だから、……ここでおやすみなさい、二人とも!」
親愛の笑顔を絶やさずに、来た道を指差しながらヒサキが言った。
「もう一人になっていいの?」
ロンが聞いた。
「おかげさまで。心配ありがとうロン」
ヒサキは微笑んだまま頷いた。
「それじゃあ、その、気を付けてね」
「あー、夜の地下はほんと暗いもんね。ありがとう」
続けてロンの口から歯切れ悪くも発された気遣いの言葉に、ヒサキはそれは嬉しそうに感謝した。
横からハリーも同じように「気を付けて」と足しつければ、
「ハルもありがとう、気を付けるよ」
ヒサキはそんなハリーの言葉にもニコニコと上機嫌に答え、そうしてゆっくりと踵を返した。
「それじゃ、今日は二人とも本当に格好良かったよ。ハーマイオニーにも、かばってくれてありがとうってよかったら伝えてね……」ヒサキは一呼吸おいて、軽く手を挙げた「またね!」
「うん、また明日ね、ヒサキ!」
「バイバイ」
ハリーとロンもそれぞれ手を振り返して、ヒサキの小さな背中を見送った。