□2 森スタートからの待遇決め
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ア゛ーーーッすっきりした!!
尿意も服についた土も寝起きボサ頭とモサ顔も蹴散らしてやったわ!
なんでもこいや!
ああん!?禁じられた森で拾われるとはなあ!
王道展開か!どんとこい!!
オラ!誰が私のパパかおじいちゃんだ!?
ガキの姿をいいことに超媚び売ってすり寄っちゃるわ!
ガキの頃からやってたし!まかしとき!
なんて心の声を顔には出さずにトイレをカツカツ歩く。
靴借してくれたんだわ!
はだしで便所歩く羽目にならずに済んでよかったわ!
っていうか服だって私に合わせてサイズが小さくなっただけの寝間着なんだよクッソ恥ずかしいわ!
なんて心に蓋をして。
気を取り直し、校長室に戻ってきて対面する。
「気が利かなくてすまんのう」
「いいえ、とんでもございません。こちらこそご配慮有難うございます」
ダンブルドアは終始話しかけやすい、人のよさそうな笑みを浮かべている。
「そういえば確認なんですが、今日って何年何月何日ですか?」
「今日は1991年7月30日じゃよ」
「フッwwwwww」
「何かおかしいかね?」
「ああ、いいえちっとも。そうですか、教えてくれてありがとうございます」
「そうかの。
では、君のことを教えて欲しい。
そうじゃな、簡単な自己紹介はできるかの?」
ダンブルドアが改めて問うてきた。
私は目の前の笑みにつられたような笑顔で答えた。
「名前は先程もお伝えした通りです。国籍は日本、のはずなんですが、普通に就寝して起きたら屋外で囲まれてました」
「そしたら、何が起こったかわからねえのか?
全く?どうやったら禁じられた森の奥地で寝こけてられたのかも?」
降ってきたハグリッドの言葉を愛想よく肯定すれば、うーんと唸られた。
「……朽ちぬ7年がやって来る。って知っとるか?」
「え、知りません」
「ロナンもベインも、お前さんの事を朽ちぬ7年と言っとった。心当たりねえか?」
「わかりません」
朽ちぬ7年なるほどなあ。経過した時点で朽ちるけど。
ていうかケンタウルスと仲良くしたい。
あの赤毛と黒毛……ロナンとベインだったってことかウォおン!かっこよかったぞ!
「彼らがそんなことを?」
今知った、という顔でダンブルドアがハグリッドに尋ねた。
ハグリッドは「ああ」と頷いていた。
「そもそも俺は何も知らねえ。
突然ロナンがやってきて、朽ちぬ7年を連れて行けと言ったんだ。
どこから来たなんて聞けば、水の無い波がどうたら…」
サッパリだ、とハグリッドは大きな肩をすくめた。
水の無い波。
なるほど?
私を波という事象に例えるとして、水は世界というなら説明がつく。
その波の居場所であり存在を置き示す水はこの世界ではないということか。
しかし水がないからと言って波という事象が消えるわけではきっとない。
「ということのようじゃ、本当に何も知らんか。ヒサキ」
「え?ええと……私、何も本当に知らないです」
コツコツと、聞えてきた足音に気付き視線を向ければ、こちらを伺っていたスネイプがやっと近付いてきてくれていた。
「Ms.ヒカサキ」
「はい。」
嬉しそうな愛想を向けても、その険しい表情は少しも緩まない。
「歳は幾つかね?」
「11歳です」
何故それを聞く。
とりあえず嘘で即答!まあ身体は11歳だし。
「に、しては……いささか言葉を知りすぎ、そして落ち着き過ぎているように見受けられる」
威圧するように見下してくる真っ黒な大人。
確かに、11歳で無かろうとハリポタを知らんかったならもっと怖がるだろうね。
適当に言い逃れるか。
ついでに養っちくり~ってそれとなく伝えとこう。
笑みは崩さず。
「……勤勉と言ってください。
落ち着いているのは……だってもうどうせ私死ぬんでしょう?死ぬほど怖いけど、逆に言えば死が見えているからこそ心が荒れるように静まっている感じです」
「荒れるように静まる?お前さんもケンタウルスみてえに独特な表現をするんだな」
スネイプが口を開く前にハグリッドが反応した。
ケンタウルスみたいなんて褒めてもらったらもっとそうしたくなってしまうのでそうさせてもらおう。
「どこにもないものはどこにでもあるものですよ。借りる労力がずっと少ないからそれを使ってるだけ。私を水の無い波とするとして、その波が水ありきの波であるなら、おそらく今時点での私の理解者はそのロナン様とベイン様でいらっしゃいますね。」
「?」
抽象的に伝えてみればハグリッドはぐいーっと首を捻って疑問符を浮かべた。
うん。わかるよ。こういうのは言葉にするほど意味わかんなくなってくるもんだ。