□9 ハグリッドの小屋(2p目から一人称視点)
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「目も合ってないのに?」
ロンが言った。
「一緒の授業を同じ部屋で受けたじゃーん。
私はハリーとロンとハーマイオニーとネビル達と一緒に同じこと出来て嬉しかったぞ!!」
「ハーマイオニーは君のこと、けなしてたけどね」
「クソォォォオオオ!!!」
顔を覆って天を仰いで見せれば、
「うわっ?!びっくりした」
ロンが引いた。
あとの二人も気圧されたような表情……買い物の時にもされたなその顔。
「どうせ点数稼ぎしか頭にない狡猾なスリザリンだよ!薬草学のときレイブンクローの男の子がこっち指差してゆってたもん!!」
「そ、そう」
「大変そうだね……なんか……」
「心配ありがとうハリー。そういえば夏休み中に調べたんだけどハリーってハルって愛称出来るんだってね?」
「あ、ええと、そうみたいだね……」
「おーしーえーてーよー!最初のときー!」
テーブル越しにハリーの裾をつまんでヘドバンしてみた。
「おらぁハリーと会うぅつい前日までぇ母国で生きてだがらぁ、イギリスのこつ全然わがんねえだよ~」
「そうだったの?ごめん……僕てっきり、わざとかなって……」
「そ、そんな!?不快にしてごめん!言葉足らなかった私が悪いから!」
「いや、謝らなくていいよ!僕は気にしてないから」
「じゃあ人目気にしなくていいときはハルって呼んでいい?」
「もちろん」
「わーい!ありがとう!」
手を離して両手をあげて喜べば、ハリーもつられたように笑ってくれた。
ロンは私を見てホケッとしていた。
「スリザリン……」
「ん?なにロン?どした?」
「いや、どうして君がスリザリンに組分けされたのかなって……」
「おーうローン、ロンロン!代々勇気の寮生な君がスリザリン不信になる気持ちはわかるぞ!
スリザリンである前に私なのか、私である前にスリザリンなのかってお悩みだな?!」
ぴしりと指差せば、ロンはギクリとしたように視線を外した。
私の好意的な態度が演技であると疑われてるのな。
うーん。
「私が信じられないならそれでもいいよお」
「え?」
「ロンにもハリーにも自分の気持ちを大事にしてほしいよ、それがもし私への不信感だとしてもね。
ハーマイオニーの事だって残念だけど、だからって彼女に不快感なんかこれっぼっちも持ってないよ。」
「どうして?」
「人も食べ物の好き嫌いも同じだよ。味がいやとかこの産地は信じられないとか、それこそ個人の自由なんだから別に非難するつもりなんかないよー」
「……」
どっちでもいいよ別に。
ってのをヘラヘラとオブラートに包んで申したらなんかロンは考え込んでしまった。
「自分の知らないところでけなされて、腹が立ったりしないの?」
「ないよ全然。誰にも悪口言われない人なんてごく一部の特別な存在だけだし、私はそうじゃないってだけ」
「ヒサキは心が広ぇな。俺はどうしてお前さんがあのままハッフルパフに行かなかったのか、不思議でならねえや」
「褒めてくれてありがとうハグリッド、嬉しいよ」
「僕も本当に驚いたよ、まさかマルフォイと同じ寮に行っちゃうなんて…
その、大丈夫?」
「え、なにが?」
「最近はディナーの時しか大広間に来ないじゃないか。
そのときに……よくマルフォイに絡まれたり、上級生にいじめられてるみたいだったし……あんなに肩をちぢこめて……」
「あー」
グリフィンドール側のテーブルに背を向けて座ってるから表情みえんもんね。
肩をちぢこめてってか、口元に片手を持ってってもう片手をその腕に添えつつ媚びるようにクスクス笑ってただけなんだけど。
フリントに気に入られたんだよね何故か。
背中叩きに来るんだよ。
「全然大丈夫だよ」
「本当に?僕、ヒサキが変わり無くて安心してるんだ……、もしヒサキさえよかったら次から僕たちの席で食べない?」
「やさしいなー。ありがとう、でも大丈夫だよ
ハッフルパフもどきの次はグリフィンドールのテーブルだって、変に刺激して睨まれたくないから」
「あ、……ごめん」
「気ーにすんなって」
安心させるようにからから笑いを飛ばせば、ハリーは一度下げた視線を戻してくれた。
そこで「まあ、」とハグリッドが声を漏らした。
「全く友達がいねえって訳じゃねえようだしな」
「そうなの?」
それをハリーが拾った。
ハグリッドは思い出すように顎を触っていた。
「今朝、お前さんの変わりにふくろうを受け取ったのが居たろう。ヒサキ?」
「ああ」
ノットか。
「友達というより顔見知りみたいなやつだよ彼は。
顔合わせたり授業とかで物の受け渡しはするけど、無口なのかまだ会話したことないし」
「そ、そうだったんか。ちゃんと返事が来たから、俺はてっきり……」
「まあ、スリザリンは身内への意地悪少ないから。刺激さえしなければ」
そんな感じで軽い質問攻めを受けた。
そして私の性格も接し方も変わってなかったとわかったらそれなりに馴染んでくれた。
「…あ、そうだ、ネビルは?ちゃんとお昼ご飯間に合った?」
「ああ、うん。ネビルならちゃんとおできも治ってたよ」
「それはよかった」
そこから概ね原作通り、初めての授業の感想を始めに取るに足らない雑談を交わした。
原作通り、スネイプの話題からハグリッドがチャーリーの話題に切り替えたりして。
チャーリーなあ。
「ホグワーツの在学歴が長くなるほど、知り合うウィーズリーの数が増えるよ」は名言だな。
そう言えばホグミスでチャーリーたらドラゴンの話をしにちょくちょくこの小屋を訪ねてたってハグリッドの小屋の探索パートで言ってたっけ。
だからファング嬉しそうにロンの方へ飛び掛かってったのかな。同じ匂いがするって。
あー、ホグミス面白かったなぁ。
まあいい。
そんな感じで解散となった。
いくつかのロックケーキをおみやげに。
そうさなあ。
一口サイズに砕いて自習の時にでも口に入れておこうかね。