□9 ハグリッドの小屋(2p目から一人称視点)
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メタると一人称視点だ。
現在時刻二時半頃。
ホグミスのタルボットのようにふくろう小屋に入り浸ろうって寸法さ。
20cmほどのちっっっちゃいふくろうと一緒に首をかしげて見つめ合ってるところです。
そのまま鳴き真似すれば、パチクリと目を瞬かせた。
かーわいー。
「コホン」
ファッ!?
あまりの驚きに全身がはねた。
振り向けば、スリザリンの女の子が立っていた。
あっそうかぁ、ここはふくろう達の気配がたくさんあるから、足音さえ殺してしまえば全くわかんないんだ。
タルボットは耳が良いからそれに当てはまらないだけで。
今気が付いた。
「ごきげんよう、エート、ハッフル…おっと失礼、――劣等生さん?」
「ごきげんよう!優等生さん」
私の笑顔と切り返しに、彼女はムッと唇を尖らせた。
あれー?ご機嫌を損ねてしまったようだ。
「あ、お邪魔ですよね!ごめんなさい。失礼しますね」
こういう時はとっとと退散するに限る。
一礼をして彼女とすれ違おうとしたが、「待ちなさいよ」と呼び止められた。
「何ですか?」
「なんであんたみたいのがドラコと親し気にしてるの?」
「はえ?」
「そうでしょ?ヒカサキ家なんて聞いたこともないわ」
「はあまあそうでしょうね」
「それとも、外国では有名な家だったりするのかしら?
そうでなきゃ、ありえないわよね?」
「うーんと、釣り合わないからドラコに近付くなってやつですか?」
「あら、わかってるじゃない!」
わざわざ構ってくれるのは嬉しいんだけど。
そのお手々のお手紙ふくろうに渡さなくていいの?
「そうよ、あんなにハンサムな聖28一族の男の子に憧れる気持ちはよーくわかるけど、自分の立場を弁えるべきだわ」
「はあ」
「ドラコはハンサムなうえ優しいから、あんたみたいなのとも分け隔てなく接してくれるけどね。
勘違いしないでよね、ドラコは皆に優しいの」
「そうですか」
「私も意地悪で言っているわけじゃないのよ。
聖28一族の男の子なら、ほら!今日あんたが助けたあのロングボトムとか、面汚しのウィーズリーとか、あんたに相応しいと思うわ?」
「そうですねえ」
「……聞いてんの!?」
「聞いてますよ。
グリフィンドールに配属された聖28一族は低俗だから私にはそっちがお似合いってことですよね」
「フン!わかってるないいわ」
「それじゃあ私はこれで」
「待ちなさいよ」
「まだ続きが?」
「……私はパンジー。パーキンソン家のパンジーよ。
なってないわね。名乗らずに別れるなんて、同じ寮なのに失礼だわ!」
「ああ、申し訳ありません。そうですよねたとえご存じでも本人が名乗って初めて……と、失礼。
ヒサキ・ヒカサキと申します。パンジー様」
「あなた慇懃無礼って言葉調べたほうがいいわよ。Ms.なんていらないわ」
へー、様つけてるときってそういうふうに聞こえてるんだ。
「そうですか、よろしくパンジー」
「ええ。どうぞよろしく?劣等生さん」
「え、なにその返しカッコイイ。痺れる憧れる」
「は?」
じゃあ私Mr.ドラコとかMr.ビンセントとか呼んでたんやなって。
ってか、君がパンジーだったのかと今更思う。
言われてみればパグ…パグ顔?……ごめん私頭固いんだ…。
ツンと上向きの丸い鼻に、骨格からくるほうれい線。まー少し強面な印象だなとは思うけど、それも第一印象でなめられない程度のものだ。
よく見るほど、どこか愛嬌を感じさせる。
もっと崩れた顔なんて吐いて捨てるほどいるし。
うん。
醜すぎるわけでも美しすぎる訳でもないから、見てて不快にならない。
これぐらいが可愛いもんだ。
授業で散々点とってた私を惜しげもなく劣等扱いする度胸も素晴らしいし。
「…よくわかんないけど。人の顔ジロジロ見ないでくれる?
私とあなたも本来釣り合わないってわかってる?」
「ああすみません。あなたも聖28一族なんですものね。
お声を掛けてくださりありがとうございます。お話しできて光栄でした。それでは私はこれで」
深くお辞儀をしてふくろう小屋を出た。
今度は呼び止められなかった。
え、なに。
身分高ーいって知らしめたかったから私のこと呼び止めたの?
おいおい子供の自己顕示欲はかわいいな。
とりあえず全身にスコージファイをかけてから、ハグリッドの小屋へと足を向けた。
多少早かろうが、構わんだろうて。