□8 授業
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渡した空の瓶がテーブルに置かれた音とともに「ところで」と声を掛けられ、ヒサキは顔をあげた。
「先程作った薬だが、教科書通り作らなかったようだな?」
「すみません。なんか先の手順見てたらなんとなーくこうした方が良いんじゃないかなーと……もうしません」
「行き当たりで手順を変えたと?結果として成功したが、浅はかと言う他ありませんな。
数度成功させ、失敗しないと確信した上でならば何も言うことはなかったが」
「すみませんもうしません」
「求めているのは謝罪ではない。
教室は開放されている。事前に言えば、もしくは余程間が良ければ、面倒を見ることも出来よう」
「ん?」デレか?とヒサキは首を傾げかけた。
「何か?」
「いえ。お気遣い本当にありがとうございます。
でも今回目立ってしまったので、もう手順を変えることはしないと思います。生半可な気持ちで薬品を扱うことの恐ろしさは、ヤマアラシの彼を見てよくわかりましたし。
ただ、不明点が出たら伺ってもよろしいでしょうか」
「好きにすると良い」
「……あ、ならこの薬の調合を教えていただいてもよろしいでしょうか」
「それはまだ早い」
「うーん、そうですか」
その後、スネイプは先程は調合にどのような変更を加えて作ったか確認した。
ヒサキは素直に全て教えた。
そうすればスネイプは「着眼点は悪くない」と鼻を鳴らした。
「ところで、何故グリフィンドールに気を遣った?
スリザリンの自覚を持ちたまえ。義理など無いはずだ」
「でも許してくれたのは先生でしょう」
「理由までつけて食い下がったのは君だ。だからこそ顔を立てて行いを評価し点でも与えなければ、ただでさえ悪い立場が悪化するのが目に見えていた」
「なんと。
お気遣いありがとうございます。案じていただけていたなんて死ぬほどうれしいです。
でもすみません。実は特急列車で…スリザリンになる前から彼とは友でした」
「向こうは微塵も思っていないように見えたが?」
「あー、まあ寮が変わって話す機会無かったですからねー。だから合同授業嬉しかったです」
「健気なものだ。
その言葉が心からのものであるならば、ハッフルパフに在籍していないのが不思議でならない」
「私が嘘つきだと?買い被り過ぎですよ先生。
私馬鹿ですから、思わないことは浮かびもしません」
「……どちらにせよ、君の立場が悪くなるのは好ましくない。
君が今、誰の娘であるか忘れたわけではあるまい。Ms.ダンブルドア?」
「先生、生まれて10年ちょいのガキにそんなこと言ったってわかんないですよ」
「そうは思えないがね」
「ははは!買い被り過ぎですよ。外ツラばかり取り繕ってハッタリばかり練習して…肝心の中身は空っぽなんですから」
「…………」
「お薬、ありがとうございました!次回の受け渡しもこの時間でよろしかったでしょうか」
「……特に何もなければ」
「では今回のようにさせていただきます。
長居してしまい申し訳ありませんでした。失礼いたします」