□8 授業
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「我らが寮監のスネイプ先生に迷惑かける前に、さっさと退散してくれよ」
「うん、書いたらすぐ。気にしてくれてありがとう」
ヒサキは自分が日本人だから好奇の目で見られているのだろうと結論付けて、動揺する心を片付けた。
その証拠に、ザビニは一束取ったヒサキの髪に視線をやったまま、その感触を確かめるように手の中ですりつぶしていた。
「今日も昼食には来ないつもり?」
「ああ、まあ」
「来てくれよ。君の髪と肌には日の光が良く似合う」
それだけ言うとザビニはヒサキの髪にキスをする仕草を――当然だが実際に口は付けない――してから手を離し、踵を返した。
(クッッッッッソかよ。面食いなら面食ってていいよどうせ物珍しいイエローモンキーだわ見せもんじゃねーぞボケ)
何となくそれを見送る。
その過程で進行方向である出入口の方へ先に目をやれば、ノットの姿があった。
しかも目が合ったのでびびって目線を逸らせば、彼も踵を返したようで、遠ざかっていく足音が耳に届いた。
それからザビニの足音もそのあたりで聞こえ、目を向ければ教室から出ていったところだった。
ついでに視線を滑らせて教室内を見渡した。
自分以外の生徒は残らず退室したことを確認し、見渡す過程で視界に入ったスネイプを見直した。
「お待たせしました先生」
スネイプは手に名簿を持って、席を回っていた。
ヒサキの言葉に何も返さず、名簿に目を落としている。
ザビニが座っていた席の前で名簿になにか書き込むと、やっと向かってきた。
「同性の友人は居ないのですかな?
男好きという噂が立つのも時間の問題のように見える」
「まじっすか。いやあでも女の子たちったら体裁気にしてか人前で仲良くしてくれないんですよ」
「……忌々しい組み分け帽子め」
スネイプは悪態をつきながらヒサキを手招くように腕を振って踵を返した。
歩き出した黒い背中に、ヒサキはカルガモのように疑問なく着いて歩き始めた。
「いやー、仕方ないですよ。むしろ帽子さんも生徒たちも混乱させちゃって悪いことをしました。
私はこの世界の生き物じゃあないんですから」
「だとしても、その人柄なら、ハッフルパフで構わなかったはずだ。
その寮の名を言いかけてからスリザリンに言い直されたせいで、どうも肩身の狭い思いをしているように見受けられる」
「グリフィ……スリザリン!よりかはずっと素敵ですよ。
それにやっぱり同胞愛の寮ですね。孤立してもいじめとかないので安らげます」
「……我輩の寮だ。当然だ」
「ええ本当に!セブルスパパの寮でよかった!」
「もう英語はマスターしたと?」
「すみませんふざけました野垂れ死にたくないです来週の薬ないと死んじゃう」
スネイプは教室奥の教員用通用口のドアノブを捻って入室した。
後ろのヒサキは敷居を跨いでいいのか分からずスネイプを見つめていればすぐに入室を促された。
見渡せば様々な器具や仕分け前のような魔法薬の材料、専門書が積んであった。
テーブルの上に、見知った薬が置かれている。
目盛りの刻まれたボトル瓶。中には緑茶に瓜二つの液体。
スネイプはまっすぐそれを取って振り返った。
「今週分の薬を」
ヒサキは自分のショルダーバッグから目盛りの刻まれたボトル瓶を既に取り出していた。
スネイプはそれを取り上げて縦に真っ直ぐ持ち、残量を確かめた。
「よろしい」
「ありがとうございます」
正しい量が服用されている事を確認し、スネイプは瓶を返した。
ヒサキはそれを受け取り仕舞い込むのと入れ違いに空の瓶を取り出し、差し出した。
「先週の分です」
「では来週の分だ」
「ありがとうございます」
空の瓶を渡し中身の入った瓶を受け取った。
ヒサキは、手の中にある透明なボトルの中、透き通る緑茶色を一瞥してからショルダーバッグに仕舞い込んだ。