□4 特急列車
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コンパートメント室の戸を音なく閉める。
通路は、先ほどフレッドとジョージとリーの元へ行ったときも歩いたが、情景を落ち着いて味わうならば一人に限る。
後方車両側に、他のコンパートメント室にトレバーの行方を尋ねてるハーマイオニーとネビルの姿がある。
こちらに気がつかれる前にそそくさと前部車両へ移動した。
床、壁、天井。
コンパートメント車両なんてはじめてだからこう、カメラがあったら撮りまくってただろうと。
さらに前方車両へと続く列車の繋ぎ目まで来た。
駅のホームへの出入り口があるので通路より少し広い。
これからの混雑や押し合い圧し合いに備えてショルダーバッグをローブの中に斜めがけしようと、一度ローブを脱ぎバッグの紐をくぐって肩掛けしたところで、前方車両に続く戸が開く音がした。
背を向けていたので特にあちらも目に止めず通過していくだろうと思ったが
「あ…君!」
「へあ?」
肩を掴まれた。
振り向けば。
「やあ。僕の事、当然覚えているだろう?」
「ああ、もちろん!こんにちは」
フォイ。
なんで接触して来たフォイ?
身体ごと振り返って、嬉しそうに手を合わせて笑って見せた。
「お久しぶりです、丈合わせの時、目が合いましたね」
「ああ、僕の居た場所からは少しだけしか見えなかったけどね。それでもわかるほど、とてもスマートな買い物をしていたね。印象的だったよ」
「いや、あれはその、急いでいて……お恥ずかしい限りです」
視線を泳がせながら丁寧にお辞儀をすれば、
「僕の名前はドラコ・マルフォイ。君は?」
と、声をかけられた。
喜ばせてみるかー、と、私はさも驚いたように「マルフォイ!?」勢い良く顔をあげた。
「マルフォイ様と言えば、聖28一族の、あの?!」
「もちろんだ」
私の反応に案の定気を良くしたらしいマルフォイは、上機嫌にふんぞり返った。
後ろに従えたクラッブとゴイルにまで得意気な視線を送っている。
その隙に私は腕にかけていたままだったローブを着直し、片膝を折ってみた。
「光栄です。
申し遅れました、私はヒサキ・ヒカサキ。
故郷は東洋、無名の一家です」
「へえ。無名のわりには礼儀をわきまえているじゃないか。褒めてやる」
「ありがとうございます」
「特別に、僕のことをファーストネームで呼ぶ許可をやろう。
それから、こっちはビンセント・クラッブ、こいつはグレゴリー・ゴイルだ。覚えておくといい」
やさしい。
「お優しいのですね。ありがとうございます、ドラコ様。
ビンセント様、グレゴリー様、ヒサキ・ヒカサキと申します。よろしくお願いします」
「よろしく」
「うん」
頭悪そうな声と発音してんなおい。
そのあとなにしてんのって聞かれて散歩と答えたり、
後ろの車両にハリー・ポッターが居るらしいから見に行くかだとかいう誘いを丁重にお断りしたりして別れた。
出入り口にもたれ掛かり、しばらく外の風景を楽しんでいたら足早に引き返してきた三人とまたこんにちは。
「グレゴリー様?」
目が合いドラコが口を開く前に、スキャバーズに噛まれた指を押さえているゴイルに駆け寄ってみた。
いやあ、取り入りたいし。
「手を押さえているようですが、いかがなさいました?」と早口に聞いてみれば、ゴイルは怒りで元々赤くなっていた顔を歪めて声をあげた。
おう梅干しみてえな顔しやがって。
「噛まれた!薄汚い醜いやつが、この指を噛んだ!」
付き出された指に血が流れていた。
あーあー、痛そうな……。
「失礼します」と言ってその大きな手を持って杖を取り出し「エピスキー」をかけてやれば、傷は跡形もなく治癒した。
手を離して杖を仕舞い、見上げたときには三人とも目を見開いてゴイルの傷口を確かめていた。
みろよみろよこの優越感。
ピーターも突然こんなとこで死喰い人3人の名前を聞いてそらビビッたろうなあ。
こんなでかいやつ相手に噛みつくだなんて勇敢だこと。