□4 特急列車
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昨日ロンがスキャバーズにかけようとした呪文を見せてくれるらしく、ロンはトランクを開けた。
そこで私は杖を取り出す。
せっかく収まっているトランクの中身を滅茶苦茶に引っ掻き回すくらいならこっちのが早いだろう。
私は「ストップ」とロンの手を制してみた。
「アクシオ、ウィーズリーの杖」
疑問符を浮かべるロンとハリーの視線がこちらに向いて、私の握るサンザシの杖に気付くが先か後か。
ロンのトランクからくたびれた棒がポーンと飛んできた。
私はそれを掴んでサンザシの杖を仕舞った。
「ヒサキすごい!」
「おったまげー…」
手の中に来てくれたロンの杖を撫でる。
暴れ柳の杖ほどみすぼらしくささくれてはなかったが、しかし、端からぴょこりと顔をのぞかせる――誰かを求めるように伸ばされた手のように見える――白いキラキラからは儚く脆い印象を受けた。
「素敵な杖だね」
と言ってロンに渡せば、ロンは「どこが」と睨んできた。
またも皮肉に取られてしまったようでちがうちがうそうじゃない正直な感想だよと伝えてもロンは鼻を鳴らすだけだった。ああん。
「まあ、いいよ別に。とにかく見ててハリー」
ロンが気を取り直して杖を振り上げたそのとき、コンパートメントの戸が開いた。
「誰かヒキガエルを見なかった? ネビルのがいなくなったの」
ノックもなく――つまりもし何か、例えばヒキガエルなどを隠し立てする暇もなく――開けたのは、何を隠そうロンの嫁だ。まだ前歯が大きいのはご愛嬌。
さてその後ろには、申し訳なさそうにハーマイオニー足元をじっと見つめるネビル。
ロンとハーマイオニーの、見なかったとさっき言った、魔法を見せて、などといったやり取りにしっかり耳を傾けつつ、
その間、私はネビルの視界に入る位置に手を持って行き、振った。
目が合ったので微笑みを送った。
「君の名前、ネビルって言うの?」
「あ、うん…」
「私はヒサキって言うの。ホグワーツでこれから7年、よろしくね」
「う、うん」
「彼女とは同じコンパートメントだったの?」
「えーと。ごめん。また来ちゃって怒ってるよね…」
「とんでもない。ダブルチェックはいいことだよ。ヒキガエル、見つかると良いね」
「ありがとう」