□4 特急列車
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目くらまし解かなきゃよかった…。
ボディタッチなんて同性とも滅多にしないから、ものすごく緊張する。
ああ、情けなくなる。嫌だ嫌だ。
フレッドが嫌なわけではなく、緊張してしまう自分が嫌だ。
ジョージがハリーとロンのいるコンパートメントの戸を開けた。
「おい、ロン。まだ座れるよな?もう一人入れてくれ」
ジョージが言い終わるか言い終わらないか、フレッドが私の両肩を掴んだ。
ほんで、まるで服を当てるように私を前に固定した姿勢になって、私達はコンパートメントに顔を出した。
「ヒサキ!」
声が上がった。
「やあハリー、お久しぶり」
手を上げてあいさつ。
ハリーと私の反応に、背後でアレッと声が上がった。
「知り合い?」
「お知り合い?」
輪唱する後ろの声に私が口を開く前に、ハリーが「友達だよ!」と答えた。
「コンパートメントがいっぱいなの?」
「まだ全部見たわけじゃないけど」
「ここにしなよ!」
ハリーはそう言うとロンに向かって「いいだろ?」と言った。
ロンは「うん」と目をパチクリさせながら頷いた。
「決まった」
「決まりだな」
私の肩もパッと解放されたので一応振り返って「席探し手伝ってくれてありがとう」と言っておいた。
「礼には及ばないさ」とジョージの方が紳士的に手を振った。
間髪入れずにフレッドが「あ、そうそう!」となにか思い出したように切り出した。
なので邪魔にならないようとっさに座った。ロンの隣側だった。
「ロン。俺たち、真ん中の車両あたりまで行くぜ……リー・ジョーダンがでっかいタランチュラを持ってるんだ」
アッ見たい。
そんな思いを乗せてソワッとしてみた。
「わかった」ロンが恐れるようにモゴモゴ言った。あっ全く気付かれてない?知ってた!
「ところで」
ジョージが私とハリーを交互に見た。
「自己紹介したっけ?僕たち、フレッドとジョージ・ウィーズリーだ。こいつは弟のロン」
アッ名乗ってないの私だけやん。
「よろしく!私はヒサキ・ヒカサキだよ!」と短い自己紹介をし、それに付け加えて「ところで私もタランチュラ見たい行きたい連れてって!」とまくし立てた。
「ええっ」ハリーが声を上げた。
それと一緒にロンも「うそ?!」と口にした。
「タランチュラを見たいなんて言う女の子が目の前にいるぞジョージ!」
「本当に平気?タランチュラって言うのは毛むくじゃらの蜘蛛のことだけど」
「アシダカグモも好きです!」威勢よく返せば、フレッドが「ワオ!」と手を叩いた。
ジョージも「今年は楽しくなりそうだ!」とサムズアップしていた。
「ロン、ハリー!早速で悪いがヒサキをしばらく借りるぜ!」
フレッドが私の手の甲を掴んで引っ張った。
従うように立ち上がってもまだぐいぐい引っ張ってくるから私は慌てて「あとでねハリーとロン!」と声を上げた。
言い終わる頃にはもう通路に出てフレッドがずんずん進むから二人の反応も分からなかった。
「じゃ、またな」後ろからというジョージの声が聞こえてくると、彼も速足で追いついてきた。
で。
リー・ジョーダンとあいさつして、タランチュラ見せてもらっンアアアアアアアアアアアアアアアアかわいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!
撫でさせてもらったぬおおおおおおおおおぐああああああああああああんひぃいいいいいいいいい!!!!!かわいいのだ…この地上に舞い降りた天使なのだ…ウッくるしいのだ…。
と内心で叫びながら、朗らかで大人しく振る舞った。
あぁ蜘蛛タソ…。