□3 買い出し
ドリーム設定
ドリーム設定□このブックはドリーム機能を使用しています。
名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために名前を記入して下さい。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ノクターン横丁での買い物を終えて漏れ鍋のカウンターに腰かける。
ハグリッドはまだ来ておらず、私はバーテンダーにホットティーを注文し『魔法薬調合法』の教科書を読み時間を潰した。
ノクターン横丁のあの露店で杖を二本と、付属品系は向こうと案内された路地で、手入れ用具と、腰につけるタイプの蓋あり杖ホルダーと、それから杖をストレスなく腕に固定しておけるベルトを買った。
アッ杖ホルダーはその…なんかローブ裏の杖入れだと走った時飛び出そうで不安だから…蓋のあるやつをね…。
あと腕に固定するやつは袖の中に杖を固定して常に隠し持っておきたいと思ったから。
例えばエクスペリアームス受けてサンザシの杖が手を離れた時など。隙を存ぜぬ2段構えというやつができるんじゃないかと。
いや何かと戦う予定はないんだけどね。保険ね。
購入した杖は二本とも製作者不明で、長い事売れ残っていたらしい。
そんなの何故仕入れたと聞けば、酒が入っているときに乗せられたんだと少し不機嫌に言われた。
一本は、
特に短くてみすぼらしくささくれ立っていて、誰も手に取ろうなんてせず、いくら安くしても売れ残っていたという、15センチ、暴れ柳にマンティコアの体毛…どこの毛かはわかんないってなにそれぇ。不安定で脆い。驚きの15シックル。杖腕に左右されないというから、左腕につけることにする。
手に取れば持ちやすく、振れば静かな光を灯して、樹木の良い匂いを漂わせた。
使う前に、使用者の手でささくれを落としてなめらかにしてやる必要がある――これも売れない理由のひとつとのこと――と念を押されたので、後で手入れする予定。
もう一本は、
あのシートの上に並んでいた中で一番高かった9ガリオン、しかしこれでも仕入れ値と今までの管理費から考えて赤字価格だという。
良質なハンノキに、生きたミルメコレオから採取したたてがみ。材料の調達にはものすごい苦労と幸運が必要だったためこの値段。
しかし、珍しいが短命にも程があり、良い逸話がないミルメコレオは縁起が悪い、と買い手がつかなかったという。
そんなハンノキにミルメコレオのたてがみ、25センチ。硬く、しなりにくい。無言呪文に向く。
手に取れば、肌によくなじむ感じがした。振れば、驚くことに、傍らに銀白色のミルメコレオの姿が現れたものだから、周りは騒ぐし、あれ、私いつエクスペクトパトローナム唱えた?ってなったわ。
詐欺じゃないことを祈りつつ、両方とも購入した。
店主は、長年のやっかいものであった杖を一気に消化できてよかったと、とても清々しい顔をしていた。
それから、ダイアゴン横丁に戻ったところでどこ行ってたか聞かれてもいいようカモフラで、何となしに入った魔法道具店で素敵な出会いをしたので購入した。
設置した指定範囲内およびその付近の持ち主に対する、人間からの意識を逸らす、水晶ピラミッドセット。
設置用が、大人の拳サイズの乳白水晶ピラミッド。杖で小突けば4つに分かれ、合わせれば勝手に戻る。これで囲えばいいらしい。
携帯用は、子供の拳サイズの庭園水晶ピラミッド。持ってれば、乳白水晶領域より半径10m圏内で効力を発揮するらしい。
セット価格35ガリオン。
まあ、必要経費だ。心穏やかな寮生活を送るための。
なんて思い出しながら、私は『魔法薬調合法』の、おできを治す薬のページをじっと見つめた。
あへー、ネビルに会うのも楽しみだなー。