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「サンザシに不死鳥の風切羽!
この羽根はとにかく美しく、力強く、良質で…そう、持ち主であった不死鳥もまたこれは臆病でシャイで頑なで警戒心が強く…だからこそ今まで見た不死鳥の中で最も美しかったが……ついに諦めて帰ろうとしたときの道中死ぬほどに危ない目に遭ってね……、でもそのときになんと、やって来てくれて助けてくれた!こっそり見守ってくれていた!怪我を心配するように安全なところまで送ってくれて、別れ際にはすり寄って羽根を二枚くれた。
ああ、思いやりがあって、人らしい複雑な感情を秘めた、でも優しい不死鳥でした!」
優しいってか普通に罪悪感植え付けてんじゃねーよ。
てかサンザシってドラコの杖と同じ木じゃんフォイ。芯は一角獣だったけども。
「さあ、これも28センチ。よく曲がり、僅かに弾力がある。どうぞ」
差し出された持ち手を掴む。
指先が暖かくなるとかそういうのは一切無かったが、この杖は今まで試した杖のなかで最もちょうどよい太さと形状をしていた。
取り落とすこともそうないだろう、手に馴染んで持ちやすい。
確かめるようにヒュッと振れば、杖の先から黄と黒の不思議な火花が、花火のように流れ出し、蛍のような淡い緑の光がその場に漂った。
ハリーが「わあ…!」っと声を上げて近くを漂う蛍のような光を掴もうとしたが、触れたとたんそれは儚く消えた。
「エクセレント!」
オリバンダーがハリーの時のように叫んだ。
「これじゃ!嘘もついてない!君にはこの杖がピッタリ!」
いやあ長かった。ハリーよりは短かったけど。
「おめでとうヒサキ!」
「おめでとさん!」
ハリーとハグリッドはなどと言ってパチパチと手を叩いてくれた。恥ずかしいからやめてそれ。
「ありがとう!二人とも!」
でもそんなこと言えるわけないので私は嬉しそうな笑顔を作って返事した。
「いや、よかった、よかった。ヒカサキさん、君はきっと、この芯の持ち主である不死鳥のように警戒心が強く、しかし人好きで、思慮深く、複雑で、優しい人なのじゃろうて。
素直になれず後悔するときもあるだろうが……きっとこの杖が傍で君を励まし、助けてくれるはずじゃ」
オリバンダーは杖を箱に戻して、ハリーの杖と同じように茶色の紙で包んでくれた。
「素敵な杖をありがとうございます、オリバンダーさん」
と言って受け取り、7ガリオンを支払った。
「僕と同じ長さの杖だねヒサキ」
「そうだね、共通点があると嬉しいね、ハリー」
「うん」
オリバンダーのお辞儀に送られて私とハリーとハグリッドが店を出れば、外は夕暮れに差し掛かっていた。
帰る雰囲気だ。
さて。
でも私はまだやりたいことがある。
「ハグリッド、ハリー。
私はまだ見たいものがあるから、もう少し横丁を歩いていたいな。
でももう日が暮れるから、ハグリッド先生はこのままハリーを送ってあげてください。
さっき書店で横丁の地図を買って、漏れ鍋への行き方も確認したから、私は大丈夫。
漏れ鍋で落ち合いませんか?」
提案はすんなり通った。