□3 買い出し
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「良い鞄を買ったじゃないか、え?ヒサキ」
「ありがとう!これから卒業まで使い続けようと心に決めてるんだ!
とっても便利で素敵な鞄にしたんだよ!」
キャッキャッと続けていたハグリッドとの会話をそこで打ち切って、さてと私はハリーに向きなおった。
「あ、遠慮なく食べながらでいいよ。
私はもう漏れ鍋で色々食べたから」
ハリーが律義に手を止めなさるから、気にすんなと前置いた。
微笑んで敵意はないという意を込めてゆっくりと瞬きをしてから、少し丁寧な会釈をした。
「初めまして。
ヒサキ・ヒカサキと申します」
「……僕の名前は、その、ハリー・ポッター」
「よろしく!ええと。ハリー…って言うのは本名?愛称?短縮形?」
「僕を知らないの?」
「んえ?知らんわ。
残念ながら魔法界を知ったのもホグワーツへの入学が決まったのも昨日今日のことでね。右も左もさっぱりわがんねぇだ!ははは!ごめんよ!」
「そうなの?……僕と同じだ」
「それは嬉しいね!同じような人が居るとホッとする気がするよ!」
嬉しそうな笑顔を向ければ、ハリーも笑いかけてくれた。
やったぜ。
「ハリーで本名だよ」
ハリーは思い出したように問いの答えをくれた。
なら私は、答えをくれてありがとうの意を込めて楽しそうに、声を弾ませて対応した。
「そうなんだ。愛称で呼びようがないなーハハハ。
よろしくポッター君」
「ハリーでいいよ。よろしくヒサキ」
微笑ましそうにしているハグリッドに連れられ、3人で文具店へ向かった。
ハリーは書いているうちに色の変わるインクに興味を示していた。
私はそんなハリーの横で同じように興味を示しているふりをしつつ、小学生の時に持っていた虹色鉛筆を思い出して懐かしい気分になっていた。
とにかくハリーの感情に共感するように相槌や反応を真似し適当にふるまいつつ、はぐれない程度に気になるものに目を向けた。
うーん。
ゆっくり一人で買い物してぇなぁ。
ハリーは羊皮紙と羽ペンを買い、私はそれに加えて、
シャープペンシルと替え芯と消しゴム、バインダー、それを閉じれるルーズリーフ用紙類を買い込んだ。
ボールペンは油性か水性しかなかったので見送り。インクムラやダマの少ないゲルインクボールペンは21世紀からなので。ていうかやっぱり品質低いし私が知ってる相場よりクソ高ぇ!さすが昔!
それを見たハリーは「それ、僕も必要?」とか言い出し始めたからハグリッドは「そんなもんいらん」と言い、私は「これは私の趣味だから」と言っといた。
まあ基本的にシャーペンは音もゴミも出るし。独学するときや落書きしたい時に使うから。
授業では普通に羽ペン使うわ目立ちたくないし。
買ったものをポイポイ四次元鞄に投げ込んでたらハリーが「すごい。それ、僕も欲しい」とか言い出したから「ごめん、私が買った時、ちょうどこれが最後の一つだったんだ」と言っといた。
文房具屋を出て、次に本屋へ向かう道中。
ハリーがハグリッドにクィディッチやドラコの話、ドラコから聞いた寮のことなどを聞いていた。
私は邪魔しない程度に相槌と興味の視線を送っておいた。
組み分けなぁ…。
私基本臆病だし、グリフィンドールは…やってけねえだろうなぁ。
ハグリッドは「せっかく友達になったんだから、二人とも一緒の寮だと良いな」と言っていた。
適当に「だったら嬉しいね」と笑顔で相槌を打てば、ハリーも照れ臭そうに「そうだね」と頷いてくれた。
友達、友達とかみしめるように呟いてるのかわいいなおい。
§
「――さすがハグリッド先生!」
「ねえ、ヒサキはどうしてハグリッドを先生って呼ぶの?」
「そうだなヒサキ。気になっとったんだが、その、先生ってのはなんだ?俺は森番であって、教師じゃあねえ」
「ああ、いいんです。
私にとっては職員さんも先生ですから!ハグリッド先生です!」
「それって日本の風習?」
「いや個人的に!」
「そうか?まあ、おまえさんがそれでいいなら構わんが」
そんな会話をしていればあっという間にフローリシュ・アンド・ブロッツ書店。
教科書を買い、それとは別に、良さげな呪文集と無言呪文の実践書を購入した。
翻訳呪文と防衛呪文と閉心術はなるはやで覚えたいところ。
この2冊を買っている間、ハリーは呪いのかけ方、解き方の本を読みふけっていて、ハグリッドはそんなハリーを連れ出そうと奮闘していた。
ダドリーへの積年の恨みなぁ。
その後も、錫の鍋や秤、望遠鏡、基本的な薬の材料を買いまわった。
薬問屋から出たところで、ハリーへの誕生日プレゼントとしてふくろうを。という話になった。
私は動物買わないのか聞かれたが、その予定はないと言っておいた。どうせ卒業したら死ぬし。
なおイーロップふくろう百貨店での20分間は、幸せモフモフ猛禽空間でした。
みんなかわいい。まじかわいい。くりくりおめめ…もふもふ…。癒し。
鳥かごを大切そうに抱えたハリーは、ハグリッドに何度も何度も――嬉しすぎてろれつが回らなかったりどもったりしていた――お礼を言っていた。
よかったねえ。
さて。
最後のお楽しみ。
杖を買いに行こう。