□3 買い出し
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さてさて決まっちゃったよ。
「折角じゃ、ちょうどハグリッドがとある入学生の買い出しに付き合うことになっている
それに合流してもらうとしよう」
とのことで。
準備するからまたいったん客室待機となった。
またスネイプのケツにカルガモだよ!
ていうかいま予備制服なんだけどこのままいくの?
そうみたい。
しゃあないな!
客室に戻って、入室を見届け踵を返したスネイプを見送って。
また放置かー。
きらくでいいやー。
ハリーと一緒にお買い物ができるってことですよわーわー!
もう心に入り込めるようなこと言おうかなーどうしようかなーフォイには会えるかなーと思案していたら朝聞いたのと同じノックの音。
「フォイフォイフォフォイ フォイフォイフォピーー!!」
奇声をあげながらドアに駆け寄って、「はいスネイプ先生、今開けます」と返事をしてからドアノブをひねった。
「奇声が聞こえたのだが」
「アハハハハ。頭のネジ飛ばさないとやってられないわ!気にしないでください」
「…………まだ時間が必要なようだな?」
「お心遣い嬉しいです!ありがとうございます!
でも頭の整理した結果ネジ飛ばした方が正常でいられるって私の専門家である私が言うんでこれで正解です。もちろん人前で奇行はしませんのでご安心ください」
「……ならいい。」
いいんかい
「着いてくるように」
「はい先生」
オーケー!先生には笑顔で従うぞ!
守ってくれる存在だからね!
カルガモしてればふと「煙突ネットワークとは」と前触れなく切り出され、煙突飛行の説明を始められたので相槌で返した。
説明が終わり少し歩いたところで到着した。
今度は校長室ではく、なんてことのない一室。
部屋にはなにも家具らしいものはなく、しかし埃など見当たらず片付けられていて、ただ大きな暖炉があった。
「待っておったぞ、マイドーター!」
ああ、はあ。娘をご所望か。
「パパ!」
ぱぁっと表情と声を明るくして、あそこの背の高い老人に駆け寄りたい!と言わんばかりの仕草でそわそわしながらスネイプを見上げる。
溜め息と共に「好きにしたまえ」と許可が降りたので「ありがとうございます!」といってきらきら無邪気な様子でと意識して地を蹴った。
ダンブルドアは暖炉のそばに立っていて、先程は見なかった巾着をその手に提げていた。
目の前に駆け寄って止まろうと思ったが、腕を広げられたのでそこに飛び込むことにした。
ダンブルドアはしっかりと受け止めてくれた。
110歳のパパだけど、まだまだ現役ね。
「パパ!あのね、えーと、煙突飛行のことについて教えてもらったよ!先生に!」
「そうかそうか、よかったのう」
「この世界にはとっても便利な移動手段があるんだね!
火のついた暖炉に入るなんて凄い!」
「恐くはないかの?」
「こっちの世界ではみんな使ってるんなら使い方を間違えなければ安全ってことじゃん!
恐い度で言うなら、初めて缶切りの使い方を教わったような感じ!」
「そうかそうか、なら大丈夫そうじゃの」
「なにが?!」
スットボケ。
はよ。はよ。金か銀行の鍵だろその巾着。はよ。
§
パチパチと心地いい音を立てる暖炉の火に、緑のキラキラした粉をふりかける。
たちまち炎は緑色に変化する。
炎色反応表の、銅とかバリウムの色。
綺麗だなぁ。
「行ってきます、パパ」
「ああ。いってらっしゃい、マイドーター」
先に入ってお手本を見せてくれたスネイプのように私も炎に入る。
かまないようにゆっくり確実に発音する。
「漏れ鍋」
独楽(こま)になった気分だ。
ぐるぐるとした感覚の中で意識を掬い上げる。
安定した足元と熱気。
風の吹く方、涼しい方へ足を踏み出す。
目を瞑ったまま三半規管が落ち着くのを待っていれば、視覚以外が感知した情報が届く。
古い木材、アルコール、食べ物のにおい。
食器の音、椅子の擦れる音、足音。
人の話し声が積み重なったガヤガヤという低い雑音。
俯いたまま目を開ければ、薄汚れた床板のささくれが目に入る。
薄暗くみすぼらしい酒場。
漏れ鍋というパブリックハウス。
暖炉の前から外れつつ、スネイプの姿を探せば、カウンターの方からこちらに歩いてくる姿が見えたから安堵した。
嬉しそうな笑顔をつくり、数歩踏み出してスネイプを迎える。
「よかった。こんな感じで移動するんですね、先生」
「では我輩はこれで」
「えっ」
笑顔から表情を変えるのをとっさに忘れた。
スネイプは私を通り過ぎると流れるように煙突飛行粉を暖炉に投げ入れ、帰ってしまった。
「…えっ」
面白すぎるんですけど。