■ヒビキ
□ドリーム設定
主人公□情報
名「オニゴエ ヒビキ」
体「黒髪黒目。血色の悪い真っ白な肌。かなりの細身。身体虚弱」
装「伏し目癖が付いている。ハーフリムタイプの四角眼鏡。背中に届く髪を七三分けにして後ろで束ねている」
□設定
転生トリップ者。前世は三次元
□名前変換
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ヒビキは、腐っていた!
腰まで伸びきった髪をそのまま垂らして、下を向いて猫背で歩く。
こんな歩き方が彼女の普通……!
声は小さく、全く笑うこともない。
当然ながら友達はいない!
愛想がなく、謝罪も感謝もない。
当然ながら教師の心証はよろしくない!
精神も身体も弱く、常に何かの治療中、もしくは心因性による原因不明の不調で通院。週に最低一度の通院が既に日常!
運動など常にビリ!
成績も下!特別頭が良いわけでもないのに、努力もしない!
そんな彼女!
力もなく、愛想もなく、教師という後ろ盾もナイナイづくし!
まさに孤島!孤立!
彼女で憂さをはらしても誰も困らない!
そんなヒビキがいじめのターゲットになるのはあまりにも当然だった。
そしてヒビキは人嫌いをさらに積もらせ、積もらせ……そして耐えきれず。
転校に至った。
だがしかし転校初日の職員室!
担任と話し、そして朝のホームルームへ向かうまでの間!
「ええと、まあ、これからよろしく、鬼越さん……」
「…………」
ヒビキ、相変わらずの不愛想!
全く反省の色が伺えない!
朝のホームルーム、廊下で待機していた後、教師に呼ばれ入室。
猫背で俯きながら歩く彼女の姿に教室はざわ…めく。
「肌、白…」「髪長すぎない…?」「暗そう……」
そんな言葉がヒビキの耳に入る。
「(煩い…イチイチ…!そもそも…ホームルーム中は黙ってるもんだ…!そんなこともできないで陰口…!以下どもめっ…幼稚園以下…!)」
ヒビキは心の中で悪態をつきながら、転任に呼ばれた位置……教壇に上がった。
彼女がそこに立ったのを確認してから、担任は黒板に向かって、ヒビキの名前を書き始めた。
その数秒。
ふと、教室の間取りでも見ておこうかと思ったヒビキが顔を上げた。
まずは天井…そして空いた席を確認すべく、ざわめく生徒らの方へ視界を下げた。
そのとき……!
まさにそのとき!
「(うっ…!?)」
目に入る!
火傷顔の強面っ……!
涯…!
不登校気味ではあるが、今日はたまたま出席していた涯……!
転校生など興味無さげに、窓越しに空を見上げる涯……!
「(………!!!)」
彼を認識した瞬間、ヒビキの全身には途轍もない衝撃が走っていた…!
ぞわ…!と彼女の全身が粟立った……!
その一瞬で思い出したのだ……!!
一冊の漫画……『無頼伝 涯』!
そして前世……!
自分が、どこの、何者であったのか……!
「(あ、あああああっ……!!?)」
ヒビキは驚き、興奮した!
瞬時に沸騰!
だがその突然の興奮に、彼女の虚弱な身体は耐えられず……!
「……っ!ゴホッゲホッ!」
間髪入れず立ち眩んだ。
頭を押さえ、込み上げる吐き気に口元を覆い、ついでに噎せた!!
「あっ、ちょっと…!?大丈夫か…!?」
丁度ヒビキの名前を黒板に書き終えたところであった担任は、彼女に心配の声を掛けてきた。
「ゲホッちょっ……すみませっ……大丈夫でっゴホッゲホッ…すみません……ちょっとびっくりしちゃて……待ってくださ……!」
「(……)あ、ああ、大丈夫だ……ゆっくり落ち着いてくれ……」
支えられるように手を浮かせながら心配する担任にヒビキは…生まれて初めて、教師に『謝罪』の言葉を送ったっ……!!
謝罪を受けた担任は、言及こそしなかったが、明らかに職員室で話した時と違う声のトーンと声量、活舌に違和感を覚えていた。
それよりも折角なのでここで間を持たせるついでに彼女に関する解説を1つしておくことにした。
「あー…見ての通り、実は彼女は病弱というか…身体が弱くてだな。普通よりいくらか遅刻、欠席、早退が多くなると思うが……そこは勘弁してやってくれ」
そんな担任の言葉に教室は再びざわめいた。
「えー…ずるくない?」「確かに顔色悪いけど……」「涯を見てびっくりしてなかったか…?」「びっくりするよな…まあ…」
そんな言葉が呼吸を整えて深呼吸しているヒビキの耳に入る。
とうの涯も、今の担任の言葉にチラとヒビキを見た。
一瞬、眩しさを感じ眉をしかめた。よくよく見れば彼女の青白い肌がレフ板のように日光を反射していることによる眩しさだった。
「(……死人みてえな色をした奴だな……)」
おそらく涯の人生で見てきた中で、彼女の肌は最も白かった!
そして、その白さをなお強調するのは…、栄養失調の病人ほどではないにしろ…、極まって細い手首…!
「(……)」
まさに『温室育ち』!
何かの庇護下でしか生きられない人種!
とりあえず涯は、ヒビキを、自分とは全く別世界の人間と認識した。
関わることもないだろうと、興味をなくした涯は、再び窓の外へと視線をやった。
授業ですらない、得るもなど何一つもない、このくだらない時間、早く終われと。
がっ!
とうのヒビキ……!
「(涯くん……すきだ……)」
涯への興味……天元突破……!!